レビュー総括(Summary)
MUSE HiFi M4のデザインは基板が透けるデザインです。さらに透ける側は全てがはっきりと見え、チップの型番まで読むことが可能です。オーディオに関わる部分の回路は反対側のようで見ることができません。この手のデザインでは一般的ですが、M4の透明度の高いガラスは指紋が非常に付きやすいです。また本体の材質は安っぽい作りで、ガラスはやや強度が弱そうな印象で割れないか心配になりました。
サウンド面ではカッチリとした硬質なタイプで、サウンドバランスは中高音寄りです。全体の見通しがよくスッキリとしています。イヤホンとの組み合わせによっては”かまぼこ”(ボーカルに山があるサウンドバランス)に聴こえる場面もありました。そして高音の綺麗な響きが特長です。ピアノや女性ボーカルの声がキラキラとしていて、気持ち良い響きを持っています。また高音寄りであるものの、刺さりは感じません。サウンドバランスでは低音が控えめなものの、不足感はないのでイヤホンで補完することが可能です。ただし深く沈むというよりも、硬めの低音で浅めの位置で跳ねるような感じがあり、ROCKやEDMなどの深くて、重低音が必要なジャンルとはやや相性がよくありません。そのためPOPSやACGなどとの相性が良いDACです。また低音の深さがなく、高音もやや詰まりが感じられ、レンジが不足しています。割とニュートラルなDACですので、モニター調のサウンドが好きな方は相性が良さそうです。
Pros
- 基板の透けるデザイン
- 見通しの良いスッキリとしたサウンド
- 女性ボーカルや高音の響きが綺麗
Cons
- 安っぽい材質
- 本体のステータスがわかりづらい
- 低音の深さに不足感がある
- レンジが狭い
MUSE HiFi M4販売情報
現在、Amazonやeイヤホン等で購入可能です。海外輸入版には技適マークの表示がありませんでしたのでご留意ください。価格は約2万円です。
MUSE HiFi M4 スペックなど
ブランド | MUSE HiFi |
モデル | M4 |
DACチップ | ESS9038Q2M(シングル) |
アンプチップ | ES9603Q |
USBコントロール | SA9137 |
サンプルレート | 最大384kHz / DSD256 |
BTチップ | QCC5125 |
BTバージョン | 5.1 |
出力端子 | 3.5/4.4/2.5mm |
入力 | USB / Bluetooth |
最大出力 | 320mW |
最大持続時間 | 約8時間(3.5mm時) |
バッテリー容量 | 1,100mW |
重量 | 約73g |
サイズ | 41.8*84*15mm |
その他 | NFC対応 MQA*8対応 |
同梱物
同梱物は次のとおりです。
- 本体
- USBケーブル(A to C)
- 説明書
開梱時、本体には表と裏にフィルムが貼付されているため、本体に傷がついているということはなく安心感がありました。
また説明書も簡易ながら全機能の解説がされています。最初に使い方に悩む場面があるので説明書を確認するのをお勧めします。本体正面の透ける基板のパーツが一部LEDインジケーターとなっています。
本体仕様
まずMUSE HiFi M4の特長として充電端子とデータ通信端子がそれぞれ搭載しています。稲妻のマークが充電端子です。次に出力端子は3.5/4.4/2.5mmの3種類を搭載しています。
MUSE HiFi M4本体側面には操作のボタンが搭載されています。早送り、巻き戻しのスキップ、音量調整、ゲイン切替、電源ボタンです。その他、マイク、RGBインジケーターがあります。一見してわかりにくい点の補足として、ゲイン切替の表記がG(Low)/R(High)です。また音量調整のマイナスボタンを長押しすることでフィルター設定を行うことができます。フィルターの状況は正面の基板側でわかるようですが、説明書には判別する色の解説がなかったのでわかりませんでした。
外観、操作レビュー
まずMUSE HiFi M4の基板の透けるデザインは好きな人には刺さるデザインです。私もこのタイプのデザインは好きで、初め見た時にテンションが上がりました。ただ、その後良く見ると2点が気になりました。一つ目は指紋の付きやすさです。二つ目は材質の安っぽさです。特に二つ目はガラスが割れないか少し心配になりました。
次にMUSE HiFi M4の操作感で特に困ることは特にありませんでしたが、ディスプレイがないことには不便を感じました。USB DACモードはデータ通信端子に接続すると自動で切り替わります。USB DACモードは接続すると電源が入るのに対して、Bluetoothモードは電源を入れない限りは作動しませんでした。そのため、不用意なバッテリー消費も避けられます。そしてディスプレイがないため本体のステータスはインジケーターのみでわかりにくいです。この点は透ける基板のデザインを採用したこととのトレードオフになっています。個人的にはこの手の小型DACは外で使うことが多く、デザインと同じくらい機能性や視認性が重要だと考えています。最近は特に小さくてもディスプレイを搭載している機種が多いため、特に不便に感じました。
サウンドレビュー
*USB DACモード(有線接続)/J-POPを中心に/イヤホンはFIIO FA9、64 U4S
カッチリ、硬質なサウンド
サウンドバランスは中高音寄り、イヤホンや音源によっては”かまぼこ”(ボーカルに山があるサウンドバランス)です。カッチリとした硬質なサウンドで、音の輪郭がはっきりとしています。そのため全体的に見通しがよく、スッキリとした印象です。
キラキラとした女性ボーカル、高音
見通しの良いサウンドと中高音寄りのサウンドにより、女性ボーカルやピアノの音が特にキラキラとしていて、響きが綺麗です。硬質なサウンドのため、繊細で余韻が綺麗な響きというよりも、響きに気持ちの良いひんやり感やエッジがあります。それでいて、高音は刺さらないです。一方で刺さらないように調整をされているためか、高音にややつまりを感じる場面があります。
レンジは狭い
低音は控えめなものの、不足感はありません。しかしながら深く沈むような感覚もなく、高音のつまりを感じる場面もあることから、レンジが狭い印象がありました。この点でかまぼこのサウンドバランスに聴こえるというイメージです。
以上、MUSE HiFi M4のレビューでした。
EARL(ライフスタイルDX)
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