機関投資家株主見分け方_アイキャッチ

株主の解説

隠れた有益情報!上場企業の機関投資家株主の見分け方を解説

今回は、上場企業における機関投資家株主の見分け方について解説したいと思います。

機関投資家株主を見分けるメリット

この後解説しますが、上場企業が開示する大株主一覧は非常に有益な情報が隠れています。表面上からはそれがわからないためにあまり株式投資などの企業分析に活かしている人は少ないと思います。

しかし、株式運用のプロである機関投資家の保有状況を見分けることができれば、必ず企業の分析に活かせると思います。

例えば機関投資家が持株数を増加させている銘柄を見た時、そこにはどのような理由があるでしょう。プロが「割安」「業績が伸びる」などといった分析をした上で、持株数を増加させているはずで、株式投資においては銘柄選定に役立てることができます。

またIRなどの業界に携わる方は株主名簿から機関投資家の保有状況が分析できるようになりますし、就職活動を行う学生もその企業が本当に成長性があるのかを判断する材料になります。

大株主一覧からわかる機関投資家保有の見分け方

それでは今回もソフトバンク(9434)で解説したいと思います。
まずソフトバンクの大株主のうち、2位から9位までの赤枠内は全て機関投資家です。
しかし、この大株主一覧には機関投資家としてよく名前を聞くような野村アセットマネジメント、フィデリティ投信の記載はありません。

<ソフトバンク(9434)の大株主一覧表>
大株主

これには理由があり、このような関係性になっています。

株主の見方

赤枠の吹き出しが指している「資産管理を委託された信託銀行」(「資産管理会社」)が大株主一覧に出てきています。これは上場企業が確認できる株主名簿上も同様です。
実際に投資・運用を行う機関投資家の名前は大株主一覧や名簿上には出てきません。

さらにこの資産管理会社には1社の上場企業に対して、1社の資産管理会社、1社の機関投資家という一対の関係ではなく、複数の機関投資家から資産管理を委託されています。
*もちろん例外もあります。

株主の見方

それではソフトバンク(9434)の大株主一覧に話を戻します。
赤枠内は資産管理会社である信託銀行を指していますので、この全てが機関投資家の持株数ということになります。そのためソフトバンクでは大株主1位のソフトバンクGと10位の日興証券以外、実は機関投資家が多くを保有しているのです。

<ソフトバンク(9434)の大株主一覧表>
大株主

資産管理会社の種類

また赤枠の資産管理会社には日本語社名と英語社名の2種類があり、この違いをさらに解説します。厳密には違うのですが、大体は一致するのでここでは簡単に定義します。
この2種類の資産管理会社と機関投資家の関係性は下記となります。

  • 日本語の社名の資産管理会社(例:日本マスタートラスト信託銀行)
    → 日本の機関投資家の持株を管理する
  • アルファベットの英語社名の資産管理会社(例:JP MORGAN CHASE BANK 385632)
    → 海外の機関投資家の持株を管理する

ここで「日本の機関投資家」とは日本の法人格を持つ投資家で、「海外の機関投資家」とは海外の法人格を持つ投資家を指します。そのため例えば、海外に本社があるフィデリティ投信では、日本の法人格である「フィデリティ投信」の持株は日本語社名の資産管理会社に委託していて、海外の法人格である「Fidelity Investments」の持株はアルファベットの英語社名の資産管理会社に委託しています。

これにより日本の機関投資家と海外の機関投資家のどちらが大株主なのかを判断することができます。
ちなみに大量保有報告書にはこれら全ての持株が合算されています。

大株主一覧の企業分析・株式投資への活かし方

一般的に長期で保有する国内の年金基金(GPIFなど)や海外機関投資家の持株数が増加している上場企業の株価は上がりやすいというのは皆さんもご存知の通りだと思います。
これは最初に記載した通り、投資・運用のプロが持株数を増加させるのには「株価が上がる」理由があるからです。

大株主一覧は上場企業において年2回のタイミングで確認することができます。

  • 決算期末(3月決算企業であれば3月末の状況が6月末に開示されます。)
  • 第2四半期末(同様に3月決算企業の場合、9月末の状況が11月末に開示されます。)

その時、資産管理会社の持株数が増加しているかで機関投資家が買い越ししている銘柄なのかを確認することができます。

ここでの注意点

海外の機関投資家に限って言えば外国人比率を見れば良いという話があります。皆さんも企業の外国人比率のみを見てレポートしている記事をよく見かけると思います。

しかし外国人比率には海外の「ヘッジファンド」という短期的に利益を追求する機関投資家の持株数が含まれてしまっており、仮に急速に上昇した株価はそれらの機関投資家によって形成されている可能性が高く、ちゃんと大株主一覧を見て、選別しなければ買った後に株価が大きく下がるというリスクがあります。

ヘッジファンドの株主の見分け方

見分け方の大きなポイントは、この海外の「ヘッジファンド」と呼ばれる機関投資家は資産管理会社ではなく、海外の証券会社に株式を預けています。

一つ例としてSansan(4443)の大株主一覧を見てみましょう。
青色に付けた英語社名の会社が海外の証券会社で、これが「ヘッジファンド」の持株数となります。Sansanの場合は大株主に出てくるぐらいヘッジファンドの大きな保有があったので、株価のボラティリティも高い上、直近の相場環境では株価を大きく下げることになった可能性があります。

株主の見方

このように「ヘッジファンド」の保有有無も含めて大株主一覧から機関投資家の保有状況を見分けることが重要です。安定した株価の会社であればあるほど大株主一覧には国内・海外の証券会社の持株数ではなく、資産管理会社の持株数が出てきます。

そのため外国人の保有比率だけで機関投資家の保有状況を分析するのではなく、大株主一覧も確認しながらどういう機関投資家が保有を増加させているのか、減少させているのかをみて、銘柄選定に活かしてみると良いと思います。

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