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PS5・ゲーム

PS5におすすめ!! SteelSeries Arctis Nova Pro Wireless レビュー 次世代のゲーミングギア

以前の記事でAstro MixampやGameDAC、サウンドブラスターなどの主要なゲーミングDACのスペックを比較した結果、最もPS5/PCのゲームの音を良くするスペックを持つのはSteelSeriesのGameDAC Gen2でした。そこでついに私もそのワイヤレス版であるSteelSeries Arctis Nova Pro Wirelessを購入しましたので、実機紹介とレビューをしていきたいと思います。またPS5/PCのゲームになぜこういうゲーミングDAC/ヘッドセットが必要なのかという点も解説しますのでぜひ最後までご覧ください。

SteelSeries Arctis Nova Pro Wireless販売ページ(Amazon)

Nova pro 全体

実際にSteelSeries Arctis Nova Pro Wirelessを使ってみて、ゲーミングDAC/ヘッドセットもワイヤレス化が常識になっていくと感じました。それは、Arctis Nova Pro Wirelessがワイヤレス環境下でもゲームをする上で必要な機能が全て詰め込まれており、さらにオーディオメーカーにも負けないサウンドクオリティを持っていたからです。これまで私個人のゲーム環境はオーディオメーカーであるFiiO BTA30ProというトランスミッターとShureのAONIC50というヘッドホンを組み合わせてワイヤレス環境を構築していました。これはゲーミングDACがゲームをする機能面では優れていたものの、オーディオ性能が低くく、さらに有線が必須だったからです。しかし今回、Arctis Nova Pro Wirelessにはオーディオ性能が十分に確保されていることが実感できたので、今後のゲーム環境はArctis Nova Pro Wirelessに完全移行します。またこの実感から今後ゲーミングDAC/ヘッドセットはワイヤレスイヤホンのようにユーザーが求めるレベルに到達しつつあり、ワイヤレス化がさらに進んでいくと思います。そういう意味ではSonyがINZONEブランドでワイヤレスヘッドセットとソフトウェアをセットでリリースしたのも、このゲームオーディオのワイヤレス化というトレンドが常識になっていくことを見越しての戦略であると思いました。またArctis Nova Pro Wirelessの5.6万円という価格も、PS5の本体価格が当初は高いと感じたように、現状では高く見えますが、ゲームオーディオのワイヤレス化という次世代の環境に対応するゲーミングギアと考えると価格は妥当であると感じます。

今回この記事ではSteelSeries Arctis Nova Pro Wirelessの主に実機紹介と製品レビューをしていきます。すでに機能面については他のレビューがありますのでその点はそこそこに、これまでゲーミング機器とオーディオ機器を比較してきた経験から音質に関する詳細なレビューをしていきたいと思います。特に当ブログではPS5おすすめのDACとしてワイヤレス化が可能なBTA30Proを挙げてきましたので、その比較もしたいと思います。購入検討の参考になれば幸いです。

それではSteelSeries Arctis Nova Pro Wirelessの実機紹介とレビューです。

はじめに:PS5向けDAC/オーディオインターフェースについて

以前の記事で解説していますので詳しくは下記の記事をご覧ください。この記事でも大枠はご理解いただけるように簡単にPS5における音声出力、DAC/オーディオインターフェース接続に解説しておきます。

▼PS5向けDAC/オーディオインターフェースの解説記事
PS5対応のおすすめUSB DAC!FiiO BTA30proのご紹介
ゲーミングDACって本当にPS5・ゲームの音を良くしてる?最新DAC含む主要7製品のオーディオ性能を比較
PS5のオーディオインターフェース接続、デジタル音声出力に対応していないことへの解決策

PS5ではPS4に搭載されていた光デジタルの角型端子(SPDIF端子)がなくなったことにより、USB経由でのみDAC/オーディオインターフェースと接続可能です。USB接続の方が汎用性が高いように見えますが、PS5が対応するUSB規格はUAC1.0という古い規格になっており、これによって最新のDAC/オーディオインターフェース(多くの機種がUAC2.0)と接続できない問題が発生しています。そこでゲーミングメーカーやオーディオメーカーでは(PS5発売以降では)古い規格であるUAC1.0にわざわざサポートさせることでPS5にも対応する製品をリリースするようになっています。それでもオーディオメーカーの製品についてはPS5での用途がメインではないため全ての製品が対応しておらず、これによりゲーミングDACという性能に対して割高でコスパの悪い製品を使わざるを得なくなっています。そこで当ブログではゲーミングDACではどれがおすすめなのか、PS5用としてオーディオメーカーも含めたDACにはどれがおすすめかを紹介しています。今回のSteelSeries Nova Pro WirelessはゲーミングDAC/ヘッドセットとしておすすめの製品となります。

なお、当ブログでおすすめしているゲーミングDACはSteelSeries GameDAC Gen1/Ge2、それ以外ではオーディオメーカーのDAC+USBマイクを利用することをおすすめしています。そういう意味ではSteelSeries Nova ProシリーズはヘッドセットとDACがセットになっていますので、どちらも持っていない方にとっては最初から完璧な製品が手に入るのでおすすめです。

またゲームにわざわざDAC/オーディオインターフェースなのか?、そもそもDAC/オーディオインターフェースとは?という疑問について上記の記事でもコメントしていますが、ゲームの没入感をもっと高めたい、FPSゲームで足音を聞き取りたい、どの方向に敵がいるのか察知したいという方には必須の機器です。これは映像のフレームレートと同じ考え方で、映像をより高いフレームレートで細かく映し出すためには高性能なグラフィックボードやモニターが必要なように、ゲームの音をより細かく出力、聴き取るためには高性能なDAC/オーディオインターフェースが必要です。銃撃音や爆発音といった大きい音ならば聞きやすくても、ゲームの雰囲気を形成する環境音や足音、方向感といった細かな表現が必要な音は、それを表現できるDAC/オーディオインターフェースが必要になります。

SteelSeries Arctis Nova Pro Wireless 実機紹介

Arctis Nova Pro Wireless 概要

発売日:2022年9月2日 価格:5.6万円

製品リンク:SteelSeries Arctis Nova Pro Wireless(Amazon)

Arctis Nova Pro WirelessはSteelSeriesが販売する最新のワイヤレスゲーミングヘッドセットです。Arctis Nova Pro Wirelessと同時にArctis Nova Pro という製品も発表されました。このArctis Nova Pro にはGameDAC Gen2というゲーミングDACが付属しています。一方でArctis Nova Pro WirelessにはGameDAC Gen2は付属しておらず、ワイヤレスベースステーションというGameDAC Gen2のようなインターフェースを持つDACが付属しています。GameDAC Gen2に搭載されているDACチップが公表されている一方で、ワイヤレスベースステーションについてはその搭載されているDACチップについて一切公表されていません。今回この記事を書くにあたり、SteelSeriesの日本代理店へ問い合わせしましたが、「搭載するDACチップは異なる可能性が高い」とのことでした。これまでオーディオ機器を購入した経験から、PS5やPCから音源データを受けて、ワイヤレスとして音源データを送信、音源をLINE OUTでアナログデータとして出力という機能があるということは、それらの機能に担うオーディオ系の処理チップやDACチップが何かしら搭載されていると考えています。今後ジャンク品が出てくれば分解等もしてみたいと思うものの、まだ発売されたばかりですので判明するのはずっと先の話となりそうです。一方で、Arctis Nova Proに付属するGameDAC Gen2にはESS製のES 9218PQ40というSteelSeries特注のESS製DACチップが搭載されていることが公表されています。このDACチップの性能は現存するゲーミングDACの中で最高峰です。Arctis Nova Pro WirelessはGameDAC Gen2/Gen1よりも価格が高いことからも付属のワイヤレスベースステーションにはGameDAC Gen2/Gen1同等の性能を持つ何かしらのチップが搭載されていると予想しています。

Nova pro 起動1
ワイヤレスベースステーション

Arctis Nova Pro WirelessはSteelSeriesのソフトウェアであるSonarと組み合わせることで様々な設定をすることができます。特にこれまでの一般的なイコライザーよりもさらに細かい設定が可能なパラメトリックイコライザ機能(PEQ)に対応したことで、よりユーザー自身がゲームや好みに合わせてサウンドバランスを変更することが可能になっています。このPEQの機能は最新のオーディオ機器に搭載されている機能で、ゲーミング機器として搭載されているのはまだ珍しいです。もちろんアクティブノイズキャンセリングや360°オーディオといったハイエンドなワイヤレスヘッドホンにある機能も搭載されています。

Nova proイコライザー設定
PEQ設定画面:特定の○○Hz/○○kHzをピンポイントで自由に調整可能

Arctis Nova Pro Wireless インターフェース

そしてArctis Nova Pro Wirelessのゲーミング機器ならではのインターフェースとして、ワイヤレスベースステーションにUSBタイプCポートが2つ搭載されており、PS5とPC、PS5とSwitchというように2台の機器と同時に接続が可能です。ただしこれは物理的に同時接続が可能なだけであって、二つの機器から音源を同時に受けることはできません。そのため有線モデルのArctis Nova Proに付属のGameDAC Gen2では同時接続する機器同士を組み合わせて、ゲーム音とVC音をミックスすることはできません。一方でArctis Nova Pro Wirelessは、ワイヤレスヘッドセットが2.4Ghzのワイヤレス接続に加えて、Bluetooth接続も可能となっており、さらにその二つを同時に使用することができます。これによりBluetoothが接続できる機器とであれば、同時接続が可能となります。例えばPS5でゲーム、スマホでVCということが可能になります。

さらに特徴的なインターフェースとして、ワイヤレスヘッドセットのバッテリーが取り外し可能です。このバッテリーはワイヤレスベースステーションでも充電可能です。万が一、ゲーム中にヘッドセットのバッテリーが切れてしまっても、ベースステーションに充電しておいたバッテリーと即時(8秒以内)に交換することで、接続が途切れることなくバッテリー交換することができます。これにより充電を気にすることなく長時間の使用が可能となっています。この機能を「Infinity Power System(インフィニティパワーシステム)」と言います。もちろんヘッドセットにタイプCの充電ポートがついていますので、ヘッドセットを直接充電することが可能です。ただし充電ポートはバッテリー同様、ハウジング部のカバーを外す必要があるため、充電しながらの使用はあまり現実的ではありません。

Nova proバッテリー
ヘッドセット本体のハウジングカバーを外した状態

Arctis Nova Pro Wireless 同梱物

Arctis Nova Pro Wirelessの同梱物は、ヘッドセット本体、ワイヤレスベースステーション、USB A to Cケーブルが2本、3.5mm4極 to 3.5mm5極ケーブル、ヘッドセット用の交換バッテリー、マイクカバー、説明書、ヘッドセット用の袋がついてきます。USB A to Cは2mほどあり、長さは比較的余裕があります。ヘッドセットの重さは337gでした。

Nova Pro 同梱物
Arctis Nova Pro Wireless 同梱物一覧

ワイヤレスベースステーション本体の大きさは横が約12cm、奥行きが8cm、高さが4cmです(各一番長い部分で測ってます)。

Nova pro 4

SteelSeries Arctis Nova Pro Wireless レビュー

Arctis Nova Pro Wireless 機能レビュー

機能面について必要十分です。というよりも私にとってはオーバースペックでした。アクティブノイズキャンセリング、PEQ、チャットミックス、サイドトーンなどゲームをする上で必要な機能は全て揃っています。特に通常のイコライザーと異なり、PEQはピンポイントに○○Hz/○○kHzを下げる、上げるといった設定ができるので、ユーザー自身が好みの音質に細かく変更することが可能です。さらに定位感や指向性の調整も可能で、360°で設定することができます。その他、チャットミックスに加えて、サイドトーン(自分の声が聞こえる機能)の音量調整、ゲイン設定ができます。このようにオーディオインターフェースやUSBマイクにあるような機能も搭載されていますので、ゲーマーやライトな配信者であればSteelSeries Arctis Nova Pro Wirelessで完結します。

Nova pro 360°設定
定位感の調整が可能

またこれらの設定は一部の機能を除いてほぼ全てがワイヤレスベースステーション本体で設定可能です。これは本体のダイヤルノブを長押しすることでメニューが出てきて、それらを設定することができます。ただ現実問題として、ドットの画面上でこれらの豊富な機能を設定することは難しいです。そのため音量調整やゲイン設定、接続先の切り替えなど一部の機能を使うに限られるでしょう。

Nova pro メニュー
メニュー画面、本体液晶の●の数分の設定があります。
Nova pro メニュー2
USB接続先切り替えの画面

Arctis Nova Pro Wireless ワイヤレスレビュー

私はこれまでFiiOのBluetoothトランスミッターのBTA30ProとShure ワイヤレスヘッドホンAONIC50を組み合わせてゲームオーディオのワイヤレス環境を構築していました。このワイヤレス環境ではBTA30ProとPS5/PCをUSBで接続し、BTA30ProとAONIC50をBluetooth接続します。ボイスチャット(VC)をする際は音声入力用にUSBマイクを別途用意していました。この時、接続するBluetoothコーデックは低遅延であるaptX LLを使います。AONIC50を使っているのもオーディオ性能も高く、aptX LLに対応していたからです。一方で今回購入したArctis Nova Pro Wirelessはワイヤレスベースステーションとヘッドセットを2.4Ghzの無線接続で使用します。加えてVCを別機器で行いたいときやスマートホンで音楽を聴くときなどはBluetooth接続を使うことができます。ただしBluetooth接続はワイヤレスベースステーション外の接続となるため、音量調整やチャットミックスの対象とはなりません。そのため接続機器本体で音量調整を行います。(もし設定する方法があれば教えていただけますと幸いです。)このヘッドセットは音声入力にも対応していますので、VCを行う場合もUSBマイクなどは特に用意する必要なく、Arctis Nova Pro Wirelessのヘッドセットで完結します。

Nova pro接続比較
接続方法の比較

実際に使用してみて、当たり前ですが2.4Ghzの無線接続において遅延は全く感じません。これはaptX LL接続時と同様で、この2つにほぼ体感できる差はありません。そして最も驚きだったのはワイヤレスヘッドセットとスマートホンのBluetooth接続です。この接続時のBluetoothコーデックはSBCのみの対応とのことですが、iPhoneと組み合わせで使用したところ、こちらも遅延はあまり感じません。試しにyoutubeにある遅延チェッカーの動画で確認してみましたが、目立つ遅延はありませんでした。そのため例えばPS5でゲームをしながら、スマートホンでVCという場合も、ほぼ違和感なくコミュニケーションが可能だと思います。実際にPCでゲーム、iPhoneでVCをしましたが、問題ありませんでした。

Arctis Nova Pro Wireless 装着感、使用感レビュー

まずヘッドセットです。装着感はとても良いです。また本体も非常に軽く、頭上のサポーターは伸縮性のある素材で頭のてっぺんも痛くなりにくいです。側圧もそこまで強くありません。ただしワイヤレスヘッドセットの中では本体がコンパクトな方なので頭が大きい人だとやや側圧が強く感じる可能性があります。これまでゲーム用で使った中ではag whp01kというワイヤレスヘッドホンの装着感が素晴らしかったですが、Arctis Nova Pro Wirelessはその装着感の良さを超えてきています。ただし、装着感がいいものの、イヤーパッドがレザーであるために長時間の使用は蒸れます。この点でレザーが苦手という方もいると思いますし、夏は少し困ります。解決策として純正の交換イヤーパッド(イヤークッション)でファブリック素材(Airweave)やベロア素材のものがあります。しかし現状、Steelseriesのサイトから並行輸入をすることになり、交換イヤーパッド自体は高くないものの、送料が高いことから入手難易度が高くその点がマイナスです。早く国内でも手軽に入手できるようになればイヤーパッドの選択肢としては十分ですので、万人が快適に使えるヘッドセットだと思います。

Nova pro ヘッドバンド
ヘッドセットのヘアバンド;伸縮性のあるファブリック素材で装着感がいいです

次にワイヤレスベースステーションの使い勝手ですが、やはりドット画面とボリュームノブを中心としたインターフェースはあまり便利なものではありません。この点はGameDAC Gen1から進化をあまり感じられず、もっと進化して欲しかったです。前述した通り、全ての設定がワイヤレスベースステーションで完結するものの、それはPCを持っていない場合のPS5やSwitchでの利用に限った機能であって、はじめから全てをワイヤレスベースステーションだけで設定するには操作性が不便です。ワイヤレスで実現する音質、ゲーミング機器としての機能はトップクラスですから、PS5での利用もおすすめであるものの、PCなしで全ての機能へ手軽にアクセスはできない点は覚悟しなければなりません。もちろん音量調整や接続切り替えなどは簡単に行うことができますので、ゲーム中の操作という意味で困ることはありません。

そしてヘッドセット側の使用感ですが、どうやら電源ボタンとBluetoothボタンはそれぞれ独立していて初見だと少し戸惑います。電源ボタンはワイヤレスベースステーション側との接続時にオン/オフで、BluetoothボタンがそのままBluetooth接続時のオン/オフになっています。ボタンの配置はそれぞれがほど良い距離感を保っていて、誤操作はしにくくなっており、使いやすいです。またハウジングのカバーはマグネット式になっていて取り外しが容易ではありますが、やや隙間が小さく爪が短いと外しにくいです。そのため実際にバッテリーをワイヤレスベースステーション側で充電しておいて、ヘッドセット側の充電が切れたら8秒以内にバッテリー交換をすれば接続が切れないとのことですが、8秒以内の交換ができる自信はちょっとないです。慣れてくればコツを掴めるのかもしれません。

Nova Pro ハウジング
ヘッドセットのカバーをつけた状態のハウジング、隙間から引っ掛けてカバーを外します

と使用感について悪い点も挙げましたが、高いクオリティのワイヤレス環境を構築するには、これまでオーディオメーカーの製品を使うしかなく、その場合、マイク入力がないのでUSBマイクを別で用意する必要がありました。一方でArctis Nova Pro Wirelessはマイク入力などのゲームをする上での機能が一通り揃っていることでが、USBマイクなどの追加が不要となり、完全なワイヤレス環境と言えます。さらにPS5とスマートホン、PCとスマートホンという形でBluetooth接続を使うことにより、別の機器と同時接続が可能な点も非常に使い勝手が良いです。ほぼゲームをする上で困ることはないです。

Arctis Nova Pro Wireless 音質レビュー

第一印象はびっくりするくらい音が良かったです。びっくりというのもSteelSeriesを除きゲーミング機器はオーディオメーカーの製品に比べると音質が悪かったからです。これまでAONIC50だけでなく、オーディオメーカーの製品で1−10万円の価格帯のイヤホン、ヘッドホンを持っていてゲームでも試しに使ったことがありますが、そのどれよりもゲームという用途においては最も優れていました。その理由は音場(音が鳴る空間表現)の広さと定位感(方向の掴みやすさ)です。どの方向から、どれぐらいの距離感で鳴っているかという表現が優れています。まさにゲーミングヘッドセットとしてチューニングされたハイエンドのワイヤレスヘッドホンという製品だと思います。ゲームだけでなく、音楽も聴いてみたところ、過去DUNU SA6という音を鳴らすためのドライバーが6つ搭載されているイヤホンを持っていたのですが、そのイヤホンにも負けない定位感と分離感を持っていました。私個人の定位感や分離感をはかるリファレンス曲として、東京事変の透明人間という曲を使っていますが、どの方向で、何の楽器が鳴っているかを鮮明に感じ取ることができます。これはDUNU SA6というイヤホンを初めて聴いた時に感動したポイントで、それに近い表現ができていました。このオーディオメーカーのイヤホンに負けない定位感と分離感が、FPSゲームで使った時のどの方向からという音の把握を容易にしてくれます。ただしゲーム向けに音場を広くする調整をしているため、実際に音楽をメインに考えるとボーカルが少し遠くから聴こえる感じがして、少し違和感がありました。

またSteel Seriesの同じ製品ではGameDAC Gen1を使ったことがあり、このGen1は足音が鮮明に聞き取りやすい調整がされている一方で、銃撃音などの高音が耳に刺さるようになっていました。これはまさにFPS用にイコライザー設定をしたような音でした。対して、Arctis Nova Pro Wirelessは音に関する癖はほぼありません。これは裏を返せば初期設定の状態では足音が強調されていないため、鮮明には聞こえません。ただし、初期設定の状態で明るい、ハキハキした音になっているため、強調はされていないものの、自然に細かな音も聞き取りやすいサウンドになっています。このように元々のサウンドクオリティのベースが底上げされている印象で、さらに癖もなくなっているので、ユーザー自身がそれこそPEQにより細かくイコライザー設定をすることで好みの音に仕上げることのできる製品でした。

以上、PS5/PCにおすすめのSteelSeries Arctis Nova Pro wireless レビューでした。まだ使用期間が短いことから機能面や使い勝手という点においては今後も長期間使用していく中で特徴があれば、適宜更新していきたいと思います。

最後に

結論としては購入前は5.6万円という価格を高く思いましたが、ゲームオーディオのワイヤレス化という次世代のゲーム環境を構築するゲーミングギアという意味では妥当だと思います。例えばオーディメーカーの出すワイヤレスヘッドホンと比較すると、ゲーミング機器も出しているSonyの最上位機であるWH-1000XM5は4.5万円、INZONE H9は3.3万円、ゼンハイザーのMOMENTUM 4 Wirelessは4.9万円です。これらの価格を見ると、SteelSeries Arctis Nova Pro Wirelessはワイヤレスベースステーション、交換可能バッテリーという付属品に加えて、サウンドクオリティもハイエンドヘッドホン並みとも言えるので、それらを総合的に考えれば妥当な価格だと思いました。もちろんゲームだけの用途でと考えると高価に思いますが、ゲームをメインとしている方であれば、SteelSeries Arctis Nova Pro Wirelessで音楽や映画なども十分に楽しむことができるからです。

そしてゲームオーディオのワイヤレス化をおすすめしている私にとっては、SteelSeries Arctis Nova Pro Wirelessは予算が許せばArctis Nova ProのGameDAC Gen2ではなく、Arctis Nova Pro Wirelessを強くおすすめしたいです。特にPS5やSwitchではUSB規格の問題から接続できる機器が限られているので、INZONEがイマイチな現状ではワイヤレス化を構築するゲーミングギアとしてはSteelSeries Arctis Nova Pro Wireless一択だと思います。オーディオもゲームも両立したい場合に限っては、ヘッドホンの選択肢が幅広いので、オーディオメーカーのBTA30proのようなトランスミッターを利用することもおすすめですが、ゲームメインでオーディオがサブであればSteelSeries Arctis Nova Pro Wirelessがベストだと思います。

製品リンク:SteelSeries Arctis Nova Pro Wireless(Amazon)

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