今年も4月29日開催された春のヘッドホン祭りに行ってまいりました。そこで試聴したFiiOの新作イヤホンの初期的な印象をまとめていきます。
初めに:FiiOが展示した新製品について
私が試聴したのはFA19、FX15、FD11、FH11の4つですが、これ以外にもFT3、SP3、HB11という日本未発売の製品の展示がありました。それらについてもはじめにご紹介します。
まずFT3はFiiO初の有線ヘッドホンで60mmという大型のダイナミックドライバーを搭載していて、注目のヘッドホンとなっています。このFT3はすでに購入して100時間以上のエージングを経てレビューしていますので、こちらの記事をご覧ください。
FIIO FT3 実機レビュー 〜 FIIO初の有線ヘッドホン
次にSP3です。FiiOのアクティブスピーカーです。今回は展示のみということで音が聞くことができませんでしたので写真を掲載します。同じくFiiO製品のR7とほぼ同じサイズの本体で、3.5インチのBass/Midレンジのスピーカーとツィーターを搭載しています。こちらも現在、中国から取り寄せ中ですので届きましたらレビューをしますのでお待ちください。
最後にHB11です。これはFiiOのイヤホンケースです。携帯用のケースではなく、デスク上にイヤホンやアクセサリーを収納するためのケースとなっています。HB11もすでに購入をしていて、動画を撮影しています。
FiiO 新作イヤホン情報と初期的な印象
早速本題の新作イヤホンを試聴した初期的な印象です。それぞれBTR7で5分程度の試聴となります。そのため完全なレビューではなく、あくまでの初期的な印象となることをご留意ください。また全てのイヤホンは発売までにチューニングや外観の変更が行われる可能性があります。
FiiO FA19
10BAを搭載したイヤホンです。FA9に代わるフラッグシップとなります。これまでFA9はBAを6基搭載していましたが、そこから4基増えた形となります。価格は6,000元となる予定で、これまでのFiiOイヤホンでは最も高価格なイヤホンとなる予定です。
型番としては前作のFA9の後継機となりますが、サウンドの印象はFA7Sのグレードアップと捉える方が自然です。前作のFA7Sと比較して、樹脂シェルで装着感はよくなってます。FA9と比較してもどなたでも装着しやすい形になっています。その代わり遮音性は下がっています。ただし、10BAだけにシェルの高さがあり、耳から少し飛び出ます。一方で外径は抑えられていて、耳への圧迫感は標準的です。 肝心のサウンドは、BAらしく繊細な音ながら、輪郭がはっきりしています。キラキラとまではいきませんが、それに近いリスニングよりのサウンドです。スイッチをONにするとベースラインがもっとくっきりします。V字型のバランスに変わった印象があります。 FA19は個性的な、というよりもFiiOのFAシリーズらしい優等生なので、そこが価格を考えると評価が分かれるポイントかもしれません。スイッチタイプでON/OFFどちらも、私はとても完成度の高いイヤホンでした。
FiiO FX15
FX15は4EST+1BA+1DDの構成です。FiiO初のESTドライバーを搭載したイヤホンとなります。私自身もESTドライバーのイヤホンを試聴したことがありますが、4EST+1BA+1DDの6基構成は初めて聴いました。他のESTイヤホンに比べると高域が主張していませんでした。加えて、ESTの特有の高域のチキチキとした嫌な感じはほとんどせず、高域のはっきりとした輪郭と綺麗な響きを感じられました。ただし低音が少しぼやっとしいて、これが評価の分かれるポイントになりそうです。まだプロトタイプなのでこれからの改善に期待したいポイントでした。 装着感はFA19よりも外径が少しあって密閉度が高いです。高さはFA19ほどないので、こちらの方がフィットしやすかったです。
FIIO FX15の詳細なレビュー記事はこちらをご覧ください。
FIIO FX15実機レビュー!〜FIIO初静電ドライバー搭載のイヤホン
FiiO FD11
FD11はエントリークラスイヤホンのFD1の後継機です。ドライバー構成はFD1と同様、1DDです。また金属製のシェルに変わっています。シェルの形はFD3などの丸型とは異なる形状の丸型になっています。耳に入る側の直径が小さく、フェイスプレート側の直径が少し大きくなっていて、これまでのFiiOの金属製の丸型シェルよりも装着感がとても良くなっています。
一方でサウンド面では低音がブーミーになっていて、音も暗いです。低音の音圧は特徴的で、ライブ会場にいるかのような低音の鳴り方をしていますが、少し下品にも聞こえました。FD1と比較してより低音が主張しているサウンドで、個人的にはあまり好きなサウンドではなかったです。低音のボワつきや中高域がもう少し明るくなるように改善されてほしいと感じました。ただスタッフに聞いたところ、エージングを全くしていない状態とのことだったので、エージングを経ることで低音が落ち着いてくる可能性も高いと思います。
(追記)実際に購入したレビューです。ヘッドホン祭りでの試聴が嘘のようにとてもうまくまとまっているイヤホンでした。イヤーピースや環境の影響で印象が悪かった可能性がありました。おそらくFH11も同様、実機は良くなっている可能性が高そうです。FiiO本国に確認したところ、この展示機がプロトタイプであることも、実際の販売されている実機とサウンドが異なる可能性があるとのことでした。
FiiO FH11
FH11はこちらもFiiOのエントリークラスイヤホンのFH1Sの後継機です。構成も同じく、1DD+1BAです。このFH11もFD11と同じく旧機種と異なる金属製の丸型シェルとなっています。サウンド面では、FH11では、FD11は低音がブーミーで支配的でしたが、こちらは中高域が明るくなっていて、バランスが良くなっています。FH11とFD11ともに低音が非常に特徴的なので、新しいダイナミックドライバー特有の低音の音圧が強いドライバーなのかもしれません。しかしながら、こちらも低音のボワつきがもう少し改善してほしいと感じるイヤホンでした。
FIIO FH11の詳細なレビュー記事はこちらをご覧ください。
FIIO FH11 実機レビュー 〜メリハリの利いたサウンドのハイブリッドイヤホン
以上、2023年春のヘッドホン祭り、FiiO新製品情報でした。
▼2023年に計画されている新製品まとめ記事へのリンク
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