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FIIO FT3 実機レビュー 〜 FIIO初の有線ヘッドホン

Fiio Ft3

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FIIO FT3の概要・実機紹介とレビューです。FIIO FT3のサウンドレビューでは初期的なレビューに加えて、100時間後のレビューやFIIO製品のDAC/DAPとの組み合わせのレビューを行っています。ぜひ最後までご覧ください。

tips最初に概要です。FIIO FT3とは60mmの大型なダイナミックドライバーを搭載したFIIO初の有線ヘッドホンです。FIIO FT3のダイナミックドライバーはベリリウムメッキガスケット+DLCダイアフラムです。DLCダイアフラムはFDシリーズなどFiiOのイヤホンにはよく使われている素材です。そしてFIIO FT3の本体はアルミニウム合金の金属製で、重量を391gにおさえています。また3軸ステアリングなど長時間の使用も想定された設計となっています。FIIO FT3のインピーダンスは350Ωとハイインピーダンスです。感度(102dB)の数値をみると特に鳴りにくいということはなさそうですが、一定以上の出力性能が要求されるヘッドホンとなっています。なお、32Ωバージョンも今後発売予定です。
FT3 サムネイル3

総括(Summary)

総括からです。FIIO FT3のサウンドは、開封直後では中低域、暖色寄りに感じていました。エージング50時間あたりから、変化をしてきて中低域よりに感じていたサウンドは中域と高域がより前に出てきてフラットに、100時間以上聴き続けていくと低域よりも主役は中高域に感じるサウンドとなりました。FIIO FT3のサウンドバランスはフラット近く、中高域にポイントのあるサウンドになっています。中高域がメインであるものの、高域は滑らかさで刺さりづらく、低音の不足は感じません。FIIO FT3の低域は深くまで沈み、音に厚みがあります。一方で350Ωという高いインピーダンスと60mmの大型ドライバーにより、DAP/DACの上流がFT3を鳴らせていないと音場が狭い、サウンドがごちゃつく、低音が出きらず不足するといった印象になるので、一定以上の出力を持つ上流を必要とするヘッドホンとなっています。それでもK9PROを持っている方なら最高に楽しむことのできるヘッドホンです。またFIIO FT3は391gですが、5時間−7時間の長い時間でも問題なく、装着してられる快適な装着感も持っています。

Pros
  • 装着感がとても良く、重さを感じにくい
  • 中高域の伸びがありつつ、高域が滑らかで刺さりがない
  • 高い解像度
  • 低音は不足せず、重厚感がある
  • 深みとスピード感のある低域
Cons
  • 付属ケーブルが長い(3m)
  • 一定以上の出力性能が求められる
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FIIO FT3の発売日・価格

発売日:2023年6月9日(中国:3月21) 価格:44,550円(中国:1999元/299ドル)

販売ページ:Amazoneイヤホン

FIIO FT3の発売日は中国でも予定日より1ヶ月遅れる形となり3月21日となったことで、日本の発売日も発表からかなり遅くなり、2023年6月9日となりました。FIIO FT3の日本価格は、現在の1ドル=145円前後では海外価格とほぼ同じとなっています。なお、2023年はFIIO FT3の他に、FT5という型番のヘッドホンが予定されています。このFT5は型番上でFT3の上位機種という位置付けでありつつも、ドライバーの異なるヘッドホンとなるようです。これはFT5では平面ドライバーを採用する予定だからです。ちなみにFiiOとして有線ヘッドホンは初となりますが、2019年にEH3NCというワイヤレスヘッドホンを発売していて、このFT3はそこで得たノウハウやユーザーフィードバックも活かされているようです。(追加情報)FIIO FT3は32Ωの低インピーダンスバージョンも発売が決定したようです。

概要

FIIO FT3の特徴です。なお、詳細な説明はFIIOの製品ページをご覧ください。

  • 60mmの大型ダイナミックドライバー
  • ベリリウムメッキガスケット+DLCダイアフラム
  • 350Ωのハイインピーダンス(感度は102dB)
  • 再生周波数帯:7Hz-40kHz
  • 重量:391g
  • ヘッドホンコネクタ:2極3.5mm/両出し
  • 古河電工の単結晶銅を採用したケーブル(長さは3m)
  • 3軸ステアリング
  • 剛性でかつ軽量なアルミニム合金製の本体
  • 開放型
  • 耳に平行な角度のドライバー配置(本体に対して少し斜めにドライバーが配置されています)
  • イヤーパッドは2種類(レザー/ベロア)
  • 3.5/4.4交換プラグ、6.35mm/XLRバランス変換アダプターの付属
  • レザー収納バッグ

同梱物

FiiO FT3 同梱物

FIIO FT3の同梱物は次の通りです。

  • FT3本体
  • ケーブル(3m / 3.5mmが初期装備)
  • イヤーパッド2種類(ベロアが初期装備)
  • 4.4mm交換プラグ
  • 6.35mm、XLRバランス変換アダプター
  • レザーケース
  • 説明書

FIIO FT3はイヤーパッドがレザー/ベロアの2種類、レザーケース、XLRバランス変換アダプターが付属している等、一般的なヘッドホンよりも付属品が充実しています。そのため、一般的なヘッドホンでは追加購入の必要があるバランスケーブルやイヤーパッドは付属品で全て賄うことができます。ただし、付属ケーブルが3mとかなり長いです。これによりFT3を聴く環境次第では一般的な1.2mのケーブルを用意する必要があります。私はFIIOから短めのケーブルが出なければ、サードパーティの1.2mケーブルを買おうと考えています。(追加情報)FIIOに短いケーブルを出す予定があるか確認したところ、ヘッドホンのアップグレードケーブルの販売を予定しているそうです。ただし現時点で詳細は不明です。

FIIO FT3のレザーケースについて

とても質感のいいケースになっています。

FiiO FT3 ケース

FIIO FT3のケーブルについて

FIIO FT3のケーブルの仕様についてです。ケーブルがかなり太くてごついケーブルです。ただ取り回しは柔らかく扱いやすいので困ることはありません。とにかく3mの長さが困ります。またヘッドホン側は3.5mmの2極プラグです。わかりやすいように画像を貼っておきます。

FT3 ケーブル
FIIO FT3付属ケーブル
FT3 プラグ
FIIO FT3付属ケーブルのコネクタ、プラグ

FIIO FT3の標準ケーブルは最初の5,000組限定でオヤイデのPCOCCというすでに生産終了となった線材が使われています。標準ケーブルが3mと長いので、いくつか違うケーブルを試してみましたが、いずれもこの付属ケーブル以上の組み合わせにはなりませんでした。そのためもしFT3の検討をしている人はこの標準ケーブルがあるうちに早めの購入をおすすめします。

外観、装着感レビュー

外観レビュー

まずFIIO FT3の外観です。アルミニウム合金製で黒色というデザインから金属らしく重々しい質感を想像していましたが、FT3の実物はもっとライトな質感です。悪く言えば、見る角度や反射の見え方で少し安っぽさがあるかもしれません。色の質感が真っ黒というよりもマットなグレーなので、それが原因のように思います。FT3を近くで見るとアルミニウム合金製の本体はビルドクオリティが高く、ハウジングの外側は梨地でサラサラしていて質感が良いです。そしてステアリングの動きもスムーズで良いです。

FiiO FT3 ハウジング

装着感レビュー

次にFIIO FT3の装着感です。当初391gという重さを懸念していました。実際に手に持ったとき、少し重さを感じますが、頭に装着してみるとその重さを感じにくいです。その理由として、頭に当たる側のヘッドバンドの装着感の良さがあります。このFIIO FT3のヘッドバンドは伸縮性が非常に良いです。頭上に沿ってぴったりとフィットするので重さが分散され、負担を和らげてくれます。これにより頭頂部も痛くなりにくいです。そしてFIIO FT3の側圧です。私の頭では少し弱く感じました。ただズレ落ちるほどではなく、長時間つけてもこめかみの辺りが痛くなりにくい負担の少ない側圧になっているように思います。またFIIO FT3の特徴にもある3軸のステアリングによって、うまく耳周りにフィットするので側圧が弱くてもずれにくくなっていました。またFIIO FT3のイヤーカップは広めで、耳に当たる感じはありません。これらの装着感の良さから、391gの金属製というスペックとは裏腹に、FT3は5-7時間つけていましたが、首の疲れ、こめかみの痛みなど不安な点は全くありませんでした。

FT3 3軸
3軸のステアリング

サウンドレビュー

すべて3.5mmSE接続で聴いています。/ 開封直後のレビューではM15S、K7、KA5、Q11、mojo2など上流を変えながら、曲はジャンル問わず / 100時間後のレビューでは主にK9PRO・M15S、J-POPを中心に10曲前後

FiiO FT3 サムネイル2

開封3時間程度の初期レビュー

FIIO FT3はサウンド全体がとても滑らかです。この滑らかな質感はFH9以降に発売されているFIIOイヤホンでも同様に感じています。特に直近発売となったFH15は旧来の機種よりもスムースな質感が特徴的なイヤホンとなっています。FT3に話を戻しますが、FIIO FT3は高域がコントロールされていて、刺さることなく、またボーカルが低域によって潰れてしまうということがありません。全体のバランスとしては暖色系の中低域寄りです。ただFIIO FT3の低域は重いというよりもスッキリしていて、強く中低域に寄っている感じもないため、宇多田ヒカルやYOASOBIなどのボーカルを聴きたい曲との相性も良いです。最初に挙げたFT3の特徴である音の厚みによって、ボーカルに聴き応えがあります。またボーカルがはっきり聴こえるため、中低域寄りながら、サウンドは明るい印象を受けました。ただし聴く曲、上流(DAC/DAPなど)によって低音が少し前に出てくる印象を受けるかもしれません。それでも裏を返せば、低音が強めの曲でも、それが軽くなることなく、ノリ良く聴かせてくれるヘッドホンになっています。FT3の音場、分解能は一般的なヘッドホンに受ける印象と同等です。アンバランス接続で聴いた印象で主にレビューを記載していますが、バランスも試したところ、定位感や音の分解能への印象が変わるのみで、特に鳴る、鳴らないというような印象は受けませんでした。

100時間超のエージング後、レビュー

FIIO FT3は50時間あたりから中域、高域が前に出てきて、100時間を超えたあたりから中高域が主役であるサウンドという結論になりました。サウンドのバランスとしてはフラットです。中高域が目立ちつつも、低域が深いところからしっかりと出ていて不足感はなく、そのバランスによってフラットに聴こえています。

FIIO FT3のサウンドの特徴

  1. 中高域が主役ながら、高域は刺さらず滑らかです
  2. 深い低域による重厚感とスピード感のある低域です。深いところから出る低域によりサウンドに重厚感があり、高域の伸びに対して不足感はありません。また低域はスピード感があり、キレがあります
  3. 最後に高い解像度です。音数の多い曲でも縦の階層が混ざらずに捉えることができます。

対してFT3のデメリットを感じる部分です。中高域が主役であることにより、曲によっては少しボーカルが近く音場が狭く感じることがあります。またFT3は左右の振り分けや定位感はあまり強くありません。明確に振り分けられた曲であれば問題ありませんが、定位感の弱さによりややごちゃつくように感じる場面もあります。そしてこれらが鳴らないときにデメリットとして色濃く出てきます。

FIIO FT3を鳴らしきれていない場合のデメリット

  • やや低音が不足
  • 音場が狭く感じる
  • ごちゃついて感じる

そのためFiiOが推奨しているリスト:K7,K9,K9PRO,K5PRO,M17,M15S,M15,Q7,R7のいずれかと組み合わせるのが無難と思います。他方で、次に記載するFT3とDACをそれぞれと組み合わせたサウンドのレビューでは、鳴らなくてもFT3のメリットを感じられるポイントもありますので、前述のリストはFT3の性能を最大限引き出し、より楽しめるというイメージで捉えていただくと良いと思います。決してこのリストの機種がなければ、FIIO FT3を全く楽しめないかと言われるとそれは違うと考えています。これは私自身もFT3をドングル型DACのKA5やポータブルアンプのQ11で聴く時間もあるからです。

ペアリング レビュー

FIIO FT3とペアリングしたDAP/DACのレビューです。今回は同じFIIOで据え置きからK9PROとK7、DAPはM15S、ポータブルアンプのQ11、ドングル型DACのKA5です。

FIIO FT3 × M15S

FiiO FT3用 M15S

FIIO FT3を長時間聴くならM15Sとの組み合わせがもっとも好きです。その理由はM15SはFIIOのESSが使われたDAP/DACの中で比較的、暖色系で、高域のソリッド感がマイルドになっています。これによりFT3と組み合わせると深い低域が量感はそのままで暖色系の音色になり、また高域がもっと滑らかになります。FT3のニュートラルなバランスから重心が少し低域に寄ります。これによりFT3を長時間聴いていても、聴き疲れしにくい組み合わせとも言えます。またハイトーンボイスが特徴的なアーティストも、比較的聴きやすくなります。一方で、FT3の特徴的な中高域の伸びやかさは抑えられて、少し暗めなサウンドになります。音場は標準的です。

FIIO FT3 × K9PRO

FiiO FT3用 K9PROK7

次にFIIO FT3とK9PROと組み合わせです。FT3を検討する際は、ぜひK9PROと組み合わせて聴いて欲しいです。この組み合わせでは最も音場が広く、FT3を強く駆動できます。それによりFT3の良さが全面に出てきます。FT3の特徴的な中域や高域の伸びが良く、高音が綺麗に響きます。低音もより深いところまで音を聴き取ることもできます。FT3の最大の力を引き出すことのできる組み合わせです。ただし、高域が刺さらないラインに適切にコントロールされているものの、モニター調の乾いたサウンドで少し聴き疲れしやすいソリッドなサウンドになります。その代わり、音数の多い曲などどのような曲でもディテールまでしっかり表現されます。M15Sは長時間聴くのに良いのに対して、FT3を2−3時間聴くのであれば、K9PROです。

FIIO FT3 × K7

FIIO FT3とK7の組み合わせでは、K9PROに近い印象です。極端に表現すれば、スケールを少し小さくしたイメージです。そのため少しボーカルが前に出て聴こえます。ただ十分にFT3の良さを引き出せており、推奨リストにも入っている通り、FT3本体のサウンドを楽しむことができます。

FIIO FT3 × Q11

ここからは番外編です。FIIOの推奨リストに入っていない機種になります。FIIO FT3とQ11の組み合わせは、意外にも音場の感覚は据え置きに近い感覚です。特に横への広がりを感じることができます。また聴感上のバランスもK7に近い感じがして、そこから少しボーカルが近い印象です。一方で縦の広がり、高域の伸びは詰まりがあり、低域も深くまで沈みません。一方で、中域付近はFT3のディテールの解像度の高さを感じることができます。複雑な曲では制御しきれていないため、ややごちゃつく感覚はあるものの、一音一音がハキハキとしていて、キレのある音を楽しむことができます。菅田将暉の『さよならエレジー』をこのQ11とFT3の組み合わせで聴くととても良かったです。

FIIO FT3 × KA5

最後にFIIO FT3とKA5との組み合わせです。この組み合わせではFT3の良さである滑らかなサウンドとディテールの表現力の高さ、高域の伸びのすべてを楽しむことができます。実は推奨リストに入っていませんが、個人的にはこのKA5とFT3の組み合わせも好きです。音場はそこまで広くありませんが、FT3がしっかりと制御されていて、まるでクオリティの高い1DDイヤホンを聴いているかのようなサウンドです。低域から高域までディテールが表現されていてマルチBAイヤホンのような解像度も持ち合わせていて、私個人としてはFD7を超えています。ぜひこの組み合わせも試してみてください

FT3 32Ω版との比較

イベントで通常版(350Ω)と低インピーダンスとなった32Ω版と聴き比べる機会がありましたのでそのインプレッションです。32Ω版は350Ω版に対して低音の重厚感が劣っているように感じました。それでも、今回の展示会のように横に並べて聴き比べてみないとその違いはわからないくらい差は小さいです。ただ、32Ωでなければ困るという人以外は350Ω版を選んだ方が無難そうです。

以上、FiiO FT3のレビューでした。

販売ページ:Amazoneイヤホン

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EARL

EARLFIIOファン

FIIO製品を中心としたオーディオ情報を発信しています。FIIO製品は専門的に最新情報を最速でお届けすることを目指しています。当ブログではFIIOのイヤホンの全ておよび2022年以降の新製品の多くを購入し、レビューを行なっております。

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