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FIIO FH11 実機レビュー 〜メリハリの利いたサウンドのハイブリッドイヤホン

Fiio fh11

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FIIO FH11が9月1日に日本発売(中国発売7月31日)となりました。今回も中国発売日に注文し、一足早く無事入手できましたので実機レビューをしていきます。またこの記事ではFIIO FH11とFD11の比較していきます。

最初にFH11の簡単な紹介です。FIIO FH11とは1DD+1BAのハイブリッド型イヤホンで、FH1Sの後継機となります。ダイナミックドライバーにはFD11と同じカーボンベースのDDが採用されています。そしてシェルのデザインはFD11と同じ形状の金属製となっていて、フェイスプレートデザインがFH11では五芒星となっています。FD11との違いはドライバー構成とフェイスプレート、カラーです。ドライバー構成の違いによりチューニングは大きく異なっていて、FH11とFD11は価格差はありながらもサウンドの好みで選ぶのが適切です。

FIIO FH11 外箱

レビュー総括(Summary)

総括からです。まずFIIO FH11は、新デザインの金属製のシェル、フェイスプレートが素敵です。特にFH11はガンメタルのカラーに五芒星のフェイスプレートとクールなデザインという印象を受けました。またFIIO FH11の装着感はFD11同様、位置決めがしやすくエントリーモデルとして優れています。次にサウンドです。FIIO FH11の特徴はメリハリのあるV字型サウンドです。サブベースまで感じるこのできる低音と分離感があって明るい中高音で、まさにドンシャリなサウンドです。FD11との比較では、低音の質感は似ていながらFH11は低音がより前に出ていて、アタック感があります。そして中高音もよりくっきりと輪郭があり、また音の分離感があります。このように低音ではFH11とFD11ではっきりとしたキャラクターの違いがあります。中高音〜高音にかけては、FH11の方がやや高音寄りにスイートスポットがある印象です。そのため楽器の音の響き方がより臨場感があるように聴こえました。また音もFH11の方が近くで鳴っている印象があり、その分音場が狭く感じました。頭の中に小さなライブステージがあるような感覚です。

Pros

・装着の位置決めが容易
・アタック感と弾力のある低音
・分離感のある中高音
・メリハリのきいたV字型サウンド
・歪みの少ない音圧耐性

Cons

・低音と高音のメリハリが強いので、低音の強さ、高音の刺さりは好き嫌いが分かれやすい
・独自2pinの採用

60秒の紹介とレビュー

FIIO
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FIIO FH11 発売日・価格

発売日:2023年9月1日(中国7月31日) 価格:8,800円(海外299元/49ドル)

FIIO FH11の価格は8,800円前後(中国価格299元)です。FD11が6,600円でしたので、+2,000円となります。FH11は1DD+1BAの構成ですから、ハイブリッド型イヤホンの中ではリーズナブルな価格となっています。FH11は8,000後半~1万円のレンジに収まると予想していましたが、予想のレンジ下限の価格となりました。円安の状況下では価格差が小さくなりました。

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概要(Overview)

FH11

FIIO FH11の特徴は次のとおりです。なお、FIIOのイヤホンにおけるFH11の位置付けはFH1Sの後継機種で、エントリークラスとなります。

  • 1DD+1BA構成のハイブリッド型イヤホン
  • ダイナミックドライバー(DD)は10mmサイズのカーボンベース(FD11と同じ)
  • 高音を補完するカスタマイズされたバランスドアーマチュア(BA)
  • シェルの形状は”Small Conch”デザインで、C型の低域拡張の音導管
  • 亜鉛合金の金属製シェル
  • 耐久性と低コストを両立した独自の0.78/2pin
  • 120本を4芯に束ねた銅ケーブル

シェルのC型音響デザインの解説についてはFD11の記事と併せてご覧ください。
FIIO FD11 実機レビュー 〜新デザインの1DD〜

FIIO FH11とFD11の主な違いはドライバー構成とデザインです。まずドライバー構成でFD11は1基のダイナミックドライバー、対してFIIO FH11は1基のダイナミックドライバー+1基のバランスドアマーチュアのハイブリッド型なっています。次にデザインの違いで、FH11はフェイスプレートに五芒星(FD11は六芒星)が描かれていて、イヤホン本体のカラーがガンメタル(FD11はシルバー)です。そして、そのイヤホン本体のカラーリングに合わせて、FIIO FH11のケーブルのカラーは赤青銅色が混ざったような暗めのカラーとなっています。

FIIOの製品説明によれば、「FD11はダイナミックドライバーの本来もつ音色に焦点を当てて、ボーカルに注目したチューニングで、歌ものやACGの曲に適している。一方でFIIO FH11は、低音と解像度に重点を置き、低音の雰囲気や質に注目したチューニングで、ロックやPOPSに適している」としています。

同梱物

IMG_8190

FIIO FH11の同梱物は次のとおりです。

  • FH11本体
  • ケーブル(3.5mmプラグ・独自の0.78/2pin)
  • イヤーピース2種3サイズ(VocalタイプとBalancedタイプ)
  • 説明書

FD11ではVocalタイプのイヤーピースのみが同梱されていましたが、FIIO FH11ではBalancedタイプのイヤーピースが追加されました。

外観・装着感レビュー

左がFH11、右がFD11

まずFIIO FH11のデザインです。上の写真はFIIO FH11とFD11を横に並べたものです。写真左のFH11のシェルカラーはガンメタルでかっこいいです。さらにこのシェルカラーに合わせてケーブルも暗めのカラーリングとなっていてデザインに統一感があります。フェイスプレートには五芒星のデザインが採用されています。

FIIO FH11は黒を基調とした暗めのカラーリングで、カッコイイ系のデザインとなっています。対してFD11はシルバーを基調とした明るいカラーリングでキレイ系のデザインです。そしてFH11は五芒星でエッジの効いた雰囲気があります。このようにFIIO FH11とFD11のデザインは良い対比となっていることから、そのデザインの好みで選ぶのも一つの楽しみだと思います。

次に装着感です。FD11と同じ形状ですので今回は詳しい解説はしませんが、FIIOの金属製シェルの中では比較的、装着感、遮音性が優れています。シェルのサイズも大きすぎないため、どなたでも装着しやすいです。ただし、遮音性が優れていると言ってもFIIOの金属製シェルと比較した場合に限られ、一般的な樹脂シェルや3Dプリントシェルと比べればそこまで遮音性は高くありません。そして、この点が装着時のポイントになります。FIIO FH11もFD11も、シェルの形状がノズルに向かって逆三角形型となっていることで、しっかりと外耳道の深くまでノズルを入れようとしてします。しかし、あくまで私見ですが、樹脂シェルや3Dプリントシェルのようにノズルを外耳道の深く入れようとしないほうが良いです。これはFIIO FH11とFD11は位置決めのしやすさも考慮されているため、実は耳に軽くはまる位置に装着するだけで外耳道のほどよいポイントにノズルがピッタリとくるはずです。少し緩いと感じる場合には深く入れるのではなく、イヤーピースのサイズでずれにくいように調整することをおすすめします。この位置決めのしやすさと深くまで入れなくて良い装着感がエントリーモデルとして優れていると感じていて、初めて耳掛け式(シュア掛け)のカナル型にチャレンジする方やノズルを耳道の深くに入れるのに抵抗のあるユーザーでも楽しみやすくなっています。

装着感するレビューとしてFD11ではFD3との比較を行なっています。

FIIO FD11 実機レビュー 〜新デザインの1DD〜

サウンドレビュー

試聴環境:M15S、K9PRO /J-POPを中心に10曲程度 / イヤーピースはHS18

FIIO FH11

メリハリの利いたV字型サウンド

FIIO FH11を初めて聴いた時にまず特徴的なのは低音です。この低音はずんずんとした重さがありながらも、ボワついておらず、アタック感や弾力があります。そして中高音は明るく、分離感があります。これによりメリハリのきいたサウンドになっています。ただし、低音が強く感じますが、中高音〜高音がそこに潰れてしまうことはありません。低音の良い対となるように中高音〜高音が明るく、くっきりとしています。この分離感によって楽器の聞き分けがしやすい印象があります。

分離感が優れている

前述の印象はK9PROで聴いたものですが、K9PROで聴いた時、全てがはっきりとしていて音数の多い曲でも分離感良く聴くことができました。これは頭の中で小さなライブステージがあるように感じ、ボーカルの音像は前方にはっきりとしていて、左右から楽器の音もしっかりと聞き分けることができます。位置付けとしてはエントリークラスながら、このFH11のポテンシャルの高さに驚きました。一方でK9PROで聴くFH11は聞き疲れしやすく、代わってM15Sで聴いてみると低音や高音を少し落ち着いて聴くことができます。そのため個人的にはM15Sで聴いた方が好みでした。M15Sでは全体を柔らかく、少し暖色傾向の色付けがなされて、特徴である低音のアタック感、中高音〜高音の分離感が楽しみつつ、程よくメリハリのきいたサウンドを楽しむことができます。

FIIO FH11とFD11の比較

この二つのイヤホンは外観は同じDNAを持っていながら、サウンドキャラクターは全く異なります(ただし、低音の質感は似ています)。極端に言えば、まずFD11はボーカルが前にあって、楽器が後ろにあります。一方でFH11はボーカルと同じラインに楽器があります。全体的にFH11の方が音が近く、音場は少し狭く感じます。これを例えるとFH11は前述の通り、頭の中にライブステージが出来上がるのに対して、FD11は少し頭からはみ出すくらいの音場感です。そしてサウンドのバランスでは明らかにFD11よりFH11の方が低音をしっかりと感じることができます。中高音〜高音ではFH11の方がわずかに高い位置に焦点が当たっているように感じます。これによりFH11の方が楽器の音に臨場感があります。

以上、FIIO FH11のレビューでした。

販売ページ:Amazon / eイヤホン

▼その他のFIIO製品レビュー記事へのリンク
FIIO製品レビュー記事一覧

FiiO FH11 周波数特性(Frequency Responce)

FIIO FH11 F特

※この測定結果は厳密なものではなく、比較を目的としています。そのため他のFiiOイヤホンと比較できるようSPLは20hzで100dBに合わせています。

FH11(赤線)とFD11(青線)の比較

FH11 vs FD11
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FIIO製品を中心としたオーディオ情報を発信しています。FIIO製品は専門的に最新情報を最速でお届けすることを目指しています。当ブログではFIIOのイヤホンの全ておよび2022年以降の新製品の多くを購入し、レビューを行なっております。

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