日本時間9月29日20時からFiiOのAutumnローンチイベントⅢが開催され、そこで直近発売の目玉である2機種Q7、K7が正式にローンチとなりました。日本ではすでにヘッドホン祭りで実機の公開がされていましたが、あくまで参考展示とのことでした。今回はFiiO公式から発表となり、発売日、価格、スペックは確定情報となります。そしてK7は11月18日に、Q7は11月25日に日本発売が決定しました。
今回も当ブログでは発表内容を和訳してわかりやすいようにまとめていきます。なお、Q7、K7の2機種についてヘッドホン祭りにて試聴も行っています。試聴した印象をベースに既存製品との比較をしながらどのような機種と似た傾向があるのか、前機種からどういうアップグレードがあったかについてもまとめていますので、ぜひ下記の記事も併せてご覧ください。
それでは早速、FiiOのAutumnローンチイベントⅢにて発表された情報をまとめていきます。価格については現在米国市場向けのみ発表されていますので、1ドルを150円で計算しています。
初めに:FIIOについて
FIIOを初めて耳にする方向けに公式の会社概要を以下の通り、意訳して抜粋します。すでにご存知の方は読み飛ばしてください。なお、社名の表記が「FiiO」から「FIIO」に変更されました。
FIIOは2007年に中国で設立されたオーディオメーカーです。デジタルオーディオプレイヤー(DAP)、イヤホン、多種多様なポータブルオーディオ製品を自社で研究開発、生産し、グローバルに販売をしています。ブランド名である「FIIO」は、Fi (Fidelity) と iO (1 and 0)に由来し、デジタルが生活に与えるよりリアルな体験とより便利な生活を意味しています。また中国語では「飞傲」と表記し、これは「FIIO」の音訳であり、春のような活気と青空に飛び立つ積極的な進歩と常に革新を続ける企業精神を象徴しています。FIIOはユーザーの声を非常に重視し、製品設計を絶えず改善し、消費者により多くの良質で高付加価値の製品を提供するための努力をしています。
FIIOのビジョン:中国製の評価を高める
https://www.fiio.com/About_FiiO
FIIOのブランド精神:オーディオは無限である
FIIOのビジネスは「オーディオ」に関する製品やサービスを提供することで、無限の楽しみのある「オーディオエコシステム」を構築することです。FIIOは高品質なオーディオデバイスを販売するだけでなく、FIIOが提供する製品やサービスを通じて、ユーザーに喜びを感じてもらうように努力をしています。
海外メーカーというとサポート面を不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。中国FIIOへ直接問い合わせをしたこともあり、対応はとても良いです。日本メーカーのようにその場でサポートということは難しいかもしれませんが、真摯に対応してくれるメーカーですので安心してご検討ください。さらにFIIOはWeiboという中国SNS上で担当者が日々、ユーザーと意見交換をしています。また製品開発過程においてアンケートも実施していて、ユーザーに寄り添った製品開発を行なっています。
FiiO K7
発売日:11月25日 価格:3.5万円(海外:199.99ドル)
販売ページ:Amazon / eイヤホン / Yahoo!ショッピング
日本での発売が決定し、2022年11月25日発売開始。価格は3.5万円と海外小売価格とほぼ同価格となりました。K7の特徴はK9Proと同じオーディオアーキテクチャーを採用していること、またこれまでM17やK9Proといったフラッグシップのみに搭載されていた「THX AAA788+」というFiiOとTHXが共同開発したアンプ回路がK7に採用され、3.5万円という価格で搭載されていることです。実際に購入しましたのでレビュー記事へのリンクはこちらです。
FiiO K7 実機レビュー(発売日、スペック等の最新情報も)
AliexpressのFiiO公式ショップに確認したところ、日本向けは11月とのことでした。また公式10月23日未明にAliexpressのFiiO公式ショップにて販売ページができていました。現在Coming Soonとなっています。プラグの種類がUK、US、EUプラグのみとなており、価格は3万円です。そのためグローバル販売開始後、JP版が11月に販売開始になると予想しています。なお、私がよく使っているショップに価格を聞いたところ小売価格は229-259ドル(3.4万円〜3.9万円)を予定しているとのことでした。10月19日時点で音量ダイヤルの不具合により販売ショップに返品要請が来ているとのことでした。ここからはFiiO公式の発表内容です。
FiiOはデスクトップ型DAC/アンプの開発に否定的でしたが、K5Proに対するユーザーからの予想外のポジティブなフィードバックがあり、デスクトップ型DAC/アンプ開発へ確信を持って投資を行うことができるようになりました。その事例としてK9Proがあります。K7は、K5ProとK9シリーズの中間に位置し、強化モデルとして登場します。
<主なスペック特徴>
- FiiOのハイエンドのデスクトップ型DAC/アンプやDAPに標準搭載されているバランス回路;DAC、AC変換、電流増幅、ボリュームゲイン処理、THX増幅と、信号処理に6つのステージのアーキテクチャーを参考に設計
- K7シリーズとK9シリーズの回路構成は同じで、デュアルDACはシングルエンド、バランス出力のいずれでも動作するため、より良い音質が得られる特徴があります
- USBデコードではXMOS XUF208チップを採用
- 現在の最高性能を誇るTHX AAA 788+アンプを2基搭載。これにより300Ω負荷時に560mW(THD+N<1%)、32Ω負荷時に2000mW(THD+N<1%)を出力可能
- DACはAK4493SEQを左右チャネルにそれぞれ搭載(デュアル搭載)
- 電源には隔離された12Vスイッチング電源を採用
- K7はK9シリーズのインタラクションを踏襲し、ボタンを押すと入力信号が切り替わり、2段階スイッチでゲインレベルが切り替え可能
- 入力はUSB、光、同軸、RCA、出力は6.35mm、4.4mm、RCAを搭載
- BAL出力のSNRは120dB以上、SE出力のノイズフロアは4.4uV以下、BAL出力は7.7uV以下
- 重量は610g
FiiO Q7
発売日:11月25日 価格:13.4万円(海外:749.99ドル)
日本での発売が決定し、2022年11月25日発売開始となりました。価格は13.4万円と海外小売価格から30%ほど値上がりとなり、BTR7やM11Sと同じ価格設定となりました。K7はPSEのみに対して、Q7は技適の認証取得も必要なためその辺りが影響したものと見られます。
Q7の特徴はあらゆる音楽再生のシーンに対応し、さらにFiiO最高峰のサウンド体験ができるという点です。M17のDAPとしての機能(SoC、大型ディスプレイ)をなくし、純粋なポータブルDAC/アンプとなることで10万円超の価格で、M17同等のサウンドクオリティを手に入れることができます。またDAP機能を無くしたことでAndroidバージョンやSoCのスペックが古くなることを懸念する必要もありません。そしてM17同様、DC駆動も容易されているので据え置き並みの性能も持っています。それではここからはFiiO公式の発表内容です。
前回のQシリーズのモデルから2年が経ちました。M17が市場で高評価を受けていて、その市場調査の結果、M17の優れたエッセンスをベースにQ7を再設計することにしました。Q7はFiiOのモダンデザインを継承しながら、次世代のメカニックデザインとカラーライトを採用しました。今後Q7に適合するマグネット式のバンドルキットを開発する予定で、Q7のレザーケースと一緒にスマートホンをマグネットで吸着して重ねることができます。
<主なスペック特徴>
- 1.3インチのフルカラーディスプレイを搭載し、オーディオフォーマットやサンプリングレートなどの情報を一目で確認可能です
- ボリューム調整、入力選択、メニュー設定などがシンプルなノブで素早く正確に行うことができ、画面を消した状態でもノブで音量調節が可能です
- 入力はUSB、光、同軸、出力はシングルエンド(6.35mm、3.5mm)、バランス(2.5mm、4.4mm)に対応し、シングルエンド、バランス共にラインアウトにも対応
- デスクトップ用に設計されたTHX AAA 788+アンプを2基搭載し、4ウェイのトゥルーバランスアンプ回路で設計
- 5段階のミックスゲインレベルであらゆるヘッドホンに対応し、DC駆動時に最大出力は3000mWです(バッテリー駆動時は最大1500mW)
- 16コアのXMOS XU316と低遅延のオーディオクロックを組み合わせて採用し、768Khz、DSD512、MQAフルデコードに対応
- Qualcomm QCC5124を採用し、LDACやaptX Adaptive、aptX LL、aptX HDのBluetoothコーデックに対応
- FiiO自社開発のデジタルコントロールコアセンターで、これはARM Cortex M4のプロセッサを搭載する制御チップであり、クロック管理、USB、光デコードなどのタスクを効率的に処理し、音質を最適化
- デジタル部とアナログ部は物理的に分離し、シールドカバーを覆うことで高音質化を図っています
- DC駆動とバッテリー駆動に対応し、9200mAhの大容量バッテリーを搭載しています。最大出力のモードでもシングルエンドで11時間、バランスで9時間の駆動が可能です
- FiiO Control Appに対応し、設定を調整可能で、入力やBluetoothコーデック、RGNライト、チャネルバランスなど変更が可能
- Q7には電源アダプタ、冷却スタンド、強化フィルム、レザーケース、ダスト防止キャップ、4種類のケーブルが付属しています
以上となります。今回はいずれの製品もかなり価格を抑えてきたという印象です。2022年5月発表時はK7は300ドル、Q7は最低で890ドルという予定価格としていましたので、それに対してK7は200ドル、Q7は750ドルといずれも100ドル以上安く抑えてきました。現在円安によって日本では割高に見えますが、今回の2機種、K7はK9Pro(14万円)、Q7はM17(30万円)をそれぞれベースとしており、サウンドクオリティはFiiOのフラグシップ並みです。そのため現在の円安の状況でもかなりコストパフォーマンスの優れた製品だと思います。
FiiO K7 販売ページ:Amazon / eイヤホン / Yahoo!ショッピング
その他の新製品情報:https://earl4proxyvoting.com/fiio-2023-new/
EARL(ライフスタイルDX)
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