Cayin N3Pro 真空管交換に挑戦

DIY

Cayin N3Pro ジャンクの真空管交換修理に挑戦!

最近、DAPのジャンク品が出てきており、前回のHiBy R6Proに続きDAPの修理です。今回挑戦するのはCayin N3Proで、このDAPの特徴はDAP内部にRAYTHEON(レイセオン) のサブミニチュア管 6418を搭載していることです。写真のように真空管モードで音楽を再生すると画面下部に内部の真空管がオレンジ色に光っているのが透けて見えてとてもおしゃれなDAPです。

N3Pro真空管ひかり

しかし、入手したCayin N3Proのジャンク品は肝心の真空管モード(Triode)の音が全く出ないという症状でした。そもそも購入した時のジャンク理由は左右の音量差だったのですが、私の手元に届いた時には音が全く出ないというところまで悪化していたのです。

先に結果を言うと、ジャンクの原因は真空管の劣化でした。N3Proを使ったことなかったので真空管の光が透けて見えることを知らず、そもそも音楽再生時に光ってなかった時点で気づけたのですが、今回は分解したことで真空管の劣化が判明しました。その真空管を交換することでジャンク修理に成功することができました。この記事ではCayin N3Proの分解手順、真空管交換手順を説明していきます。途中バッテリーを本体から取り外すこともしますので、バッテリー交換もこの分解手順で可能になります。HiBy R6Proに引き続き、前例のないDAP修理で、さらに真空管交換という初の修理でミス連発、苦戦を強いられました。皆様にこの記事を参考にしていただき、ポイントをおさえて綺麗に分解・修理していただければと存じます。

前置きが長くなりましたが、それでは早速修理手順を説明します。最後にCayin N3Proのレビューもしていますのでぜひ最後までご覧ください。

Cayin N3Pro 分解手順

Cayin N3Proの背面パネルを外す

まず初めに背面パネルを外す必要があります。この背面パネルがかなり厄介です。というのも爪のようなもので止めているわけではなく、かなり強力な両面テープで止められています。それでいて爪で止めるような形式でパネル下と筐体の隙間すぐの内側に縁の段差があり、そこに接着されていて分解ツールを差し込むことができません。そのため、このCayin N3Proの背面パネルを外すときは①背面をヒートガンで温める、②吸盤をつけて背面パネルを浮かす、③背面パネルが浮いたいずれかの隙間に分解ツールを差し込む、④分解ツールで本体および背面パネルの塗装を落とさないように接着剤の接着部分を切りながら剥がす、という手順で進めてください。私はいつも通り、分解ツールで接着剤を切ろうとしたのですが、本体の塗装が剥げやすく、傷をたくさんつけてしまいました。実際に分解してみると写真のように背面パネルの下にさらに金属製のパネルがありましたので分解ツールを差し込んでよかったのですが、先に記載した通り、内側に縁があるタイプだったため内部に直結している可能性があり、差し込めず、その結果として傷を多数つけてしまうという事態になってしまいました。そのため必ず吸盤で浮かせてから、その間に分解ツールを差し込んで接着剤を剥がし切るようにしてください。一方で吸盤のみで外すこともお勧めできません。内部の金属製のパネルが柔らかく変形させてしまうからです。上記の①〜④の手順で分解することをお勧めします。

背面パネル剥がす
背面パネルを外した後

Cayin N3Proの基板・バッテリーを外す

Cayin N3Proではバッテリーが基板にはんだされており、はんだされている位置も端っこにあるため、基板をDAPの筐体から外さなければバッテリーを外すことができません。基板にアクセスするのに、まず内側のパネルにあるネジ;先ほどの写真で上2つ、中央左の一つ(黒い部分に止めてある3つのネジは不要)、下2つです。これらのネジを外すと内側のパネルが取ることができ、基板とバッテリーにアクセスできます。

内側パネル外す
内側のパネルを外した後

内側のパネルを取るとこのように、上部にアンテナ線、下部にバッテリー線が基板と繋がっています。ここから基板を外していきます。まずてアンテナ線の端子を真上に引っ張ってを取ります。次に電源ボタン、液晶関連の端子を外していきます。まず左上の電源ボタンのケーブル、次に右側中央より少し上の前部ライトの端子、バッテリー線すぐ上の液晶と繋がっている端子(この端子は真上に引っ張ることで外せます)の3つを外します。最後にネジ関連です。上部2箇所のスペーサー兼ネジを取ります。これは専用工具がなくてもプラスチック製のピンセットをネジ穴に突っ込んで軽く回せば取ることが可能です。次に写真だと見えにくいですが、バッテリーの線のすぐ下にネジが1箇所あります。これも取ります。これらを全て取り外したら、基板を上方向から起こすようにDAPの筐体から外していきます。上部が完全に筐体よりも上に出てきたら、上方向に軽く動かしてイヤホンの端子を筐体から外して、そのまま基板を筐体から完全に外します。端子の外し忘れやフレキシケーブルが引っかかることがある場合もあるので、ゆっくり外していきましょう。

筐体から基板外した後

※写真では分解手順がわからなかったため真空管やボタンを先に外してしまっていますが、いずれも外さずにメイン基板を筐体から外すことができます。

基板から真空管を外す

先ほどの写真の下部付近のポッカリ空いている箇所に真空管が搭載されています。ゴムケースに入っているので、実際に分解していただくと見た目ですぐわかると思います。ここから真空管をメイン基板から外す作業に入るのですが、私の場合は前例がなかったため、どこから外すかわからずにメイン基板から完全に真空管(ゴムケース入り)およびその基板の一式を外してしまいました。実際には真空管とそのゴムケースのみをメイン基板から外すことができます。真空管とその基板一式をメイン基板から外してしまうと、DACチップ上のヒートシンクを取ることになり、そうするとCPUグリスのような放熱用のグリスが必要になるので、真空管のみを外すことをおすすめします。

真空管のみを外す際は、まず真空管と繋がっている左の写真にある右側の基板につながるフレキシケーブルを取り外し、次に中央にあるスポンジを剥がします。すると真ん中の縦のフレキシケーブル(メイン基板のDACチップにつながる)が真空管の上を通っているのが見えますので、そのフレキシケーブルの下から通すと、真空管とそのゴムケースをメイン基板から取り外すことが可能です。

真空管基板
真空管とその基板一式
真空管入れ物
ゴムケースに入った真空管

真空管を交換する

真空管をゴムケースから取り外すとこのようになっています。この時赤色に塗っている側がどちら方向についているか記録しておきましょう。ここからフレキシケーブルとの接点のはんだを除去して真空管を外します。この時、真空管をつけているフレキシケーブルのパターンが剥がれやすいようで、一度極性を間違えてつけてしまい、2度目のはんだ除去の際にパターンが剥がれてしまいました。パターンが剥がれてしまうと、すぐにフレキシケーブルのため、復元が不可でしたので気をつけてください。温度を300度以下、ヒートクリップを使うなど面倒ですが、気をつけたほうがいいと思います。真空管を交換して逆の手順で戻していけば修理は完了となります。

真空管を取り外した後

Cayin N3Pro ジャンク修理結果

そしてパターンを剥がしてしまった私のN3Proはこのような結果に。フレキシケーブルにジャンパ線をつけることはできなかったので、フレキシケーブルが繋がっている先の真空管の基板にジャンパ線で真空管の線を繋げました。この結果、ジャンク修理は成功となり、音が出るようになりました。修理方法がわかっていればこのようなミスもないと思いますので、この失敗を参考にしていただければと存じます。

ジャンパ線

Cayin N3Pro レビュー

このDAPの特徴は真空管モードです。真空管モードにも2種類あり、TriodeモードとUltra linearモードです。このN3Proで真空管を初めて聴きました。事前に真空管で調べると暖かい音、懐かしい音というワードがよく出てきていて、そのため私は暖かい音、優しい音がするんだろうなと思い、聴き始めてみたところ少し印象が異なりました。まずTriodeモードではやや乾いた音がしました。緻密で乾いた音がします。次にUltra linearモードです。こちらはTriodeモードに対して明らかにウォーム寄りの音、グルーヴィーなサウンドに変化しました。初めて聴いた真空管は確かに暖かい音、優しい音という側面もあったものの、Triodeモードのように乾いた音がするのは意外でした。いずれのモードも優しいのに緻密なサウンド、自然な余韻が印象的で、かといって面白味のない音ではなく表現力があり、言葉で表すのが難しいのですが、これが真空管にしか出せない音なんだろうなと思いました。

今回はCayin N3Proのジャンク品で真空管交換に挑戦してみました。最近はDAPばかりですが、やはり同じタイプの家電を取り扱ったほうが修理で共通している部分も多いのでやりやすいと思いました。Cayin N3Proについては真空管を内部に搭載しているということでややこしい部分も多く苦戦しましたが、また手に入れば完璧に修理したいと思います。

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