FiiO M15Sが3月20日に中国で発売開始となります。日本での発売日はまだ未定です。今回、M15Sは事前の情報ではあまり他社との差別化もなく、M17の下位互換のようなスペックでしたが、要注目の機種となります。その理由は第2世代のDCアシスト電源システムが搭載されたからです。この第2世代のDCアシスト電源システムは後ほど、詳しく紹介しますが、PD充電器を利用して、Type-Cの充電口から直接給電でき、M17のDC給電モード同様の大出力を実現するモードになります。
それでは早速M15Sの最新情報を詳しくまとめていきます。ぜひ最後までご覧ください。中国語ページから意訳してまとめてしますので、購入検討の際は必ずご自身でメーカーページをご確認ください。
初めに:FiiOについて
FiiOを初めて耳にする方向けに公式の会社概要を以下の通り、意訳して抜粋します。すでにご存知の方は読み飛ばしてください。
FiiOは2007年に中国で設立されたオーディオメーカーです。デジタルオーディオプレイヤー(DAP)、イヤホン、多種多様なポータブルオーディオ製品を自社で研究開発、生産し、グローバルに販売をしています。ブランド名である「FiiO」は、Fi (Fidelity) と iO (1 and 0)に由来し、デジタルが生活に与えるよりリアルな体験とより便利な生活を意味しています。また中国語では「飞傲」と表記し、これは「FiiO」の音訳であり、春のような活気と青空に飛び立つ積極的な進歩と常に革新を続ける企業精神を象徴しています。FiiOはユーザーの声を非常に重視し、製品設計を絶えず改善し、消費者により多くの良質で高付加価値の製品を提供するための努力をしています。
FiiOのビジョン:中国製の評価を高める
https://www.fiio.com/About_FiiO
FiiOのブランド精神:オーディオは無限である
FiiOのビジネスは「オーディオ」に関する製品やサービスを提供することで、無限の楽しみのある「オーディオエコシステム」を構築することです。FiiOは高品質なオーディオデバイスを販売するだけでなく、FiiOが提供する製品やサービスを通じて、ユーザーに喜びを感じてもらうように努力をしています。
私はPS5向けのDACを探しているときに初めてFiiOというメーカーを知り、FiiOのBTA30Proを買いました。この製品は音がいいだけではなく、ユーザーのかゆいところにも手が届くとても機能的な製品でした。それ以来、FiiOの大ファンになり、これまでFiiO製品を50製品以上購入し、イヤホンはほぼ全種類を保有しています。また海外メーカーですとサポート面が不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、中国FiiOへ問い合わせをしたこともあり、対応はとても良いです。日本メーカーのようにその場でサポートということは難しいかもしれませんが、真摯に対応してくれるメーカーですので安心してご検討ください。私自身はWeiboにも登録していて、WeiboではFiiOの社長が様々なユーザーと意見交換をしています。また製品開発過程においてアンケートも実施していて、ユーザーに寄り添った製品開発を実践しています。
FiiO M15S 発売日・価格
発売日:2023年3月20日 *日本未定 価格:6499元(日本円換算13万円)
まだ日本発売日は未定です。中国では2023年3月20日に発売開始となります。価格はなんと6,499元と当初の計画から、かなり抑えた価格となりました。FiiOのDAPのなかでM15SはハイエンドDAPに位置することから、ハイエンドDAPのなかではリーズナブルな価格となっています。

FiiO M15S 概要
M15の発売から3年以上が経過しました。M15SはポータブルデスクトップM17の技術的特徴を継承しつつ、M15に近い握りやすいサイズを維持し、ポータビリティとハイパフォーマンスの理想的な融合を実現しました。M15Sは、新たなハイエンドDAPとして、「デスクトップ/ポータブルの二つの電源モード」や「ハイブリッドな5つのゲイン設定」などM17の技術を受け継ぎながら、さらなる最適化を図っています。
FiiO M15S スペック概要
DCアシスト電源システム
M15SはFiiO独自の「DCアシスト電源システム」を搭載し、Type-Cの急速充電を自動認識すると、最大1,200mWのバランス出力が可能となる「エンハンスドオーバーイヤーヘッドホンモード」が設定できるようになります。DCあシステム電源システムでは、電力供給が26.57%上昇し、21.21%出力が向上します。これによりあらゆるイヤホンやヘッドホンを簡単に鳴らすことが可能です。さらにM15Sにはデスクトップモードがあり、このモードでは内蔵バッテリーは充電も放電もされなくなるため、よりバッテリーの寿命を守ることができます。

SoCやDACチップなど
M15Sは解像度と再現性が優れたデスクトップ機器向けの高性能DACチップ「ES9038PRO」を採用しています。Bluetoothチップは「QCC5124」、バージョンは5.0で、LDAC/SBC/AAC/aptX/aptX HDなどのコーデックに対応し、Bluetoothの受発信にも対応しています。Android 10で、SoCはSnapdragon660です。
機能
M15Sには、Roon Ready/Pure Audio/Android/AirPlay/Bluetooth レシーバー/USB DACの6つのモードが搭載されており、様々な利用シーンでのニーズに十分対応が可能です。ゲイン設定は、M17を踏襲した5段階ゲインです。High、Medium、Low、ヘッドホンモードの4つに加えて、USB電源供給時にエンハンスドオーバーイヤーヘッドホンモードを設定することができます。
デザイン、設計
M15Sは放熱、シールド、音量調整などより良い体験のために、設計を徹底的に見直しました。M15Sの内部で発生する熱を素早く効果的に放熱するため、高品質の素材をシールドに使用しています。M15Shが複雑な動作条件下でも高出力を維持できるように、高精度フィルム抵抗・コンデンサーを採用して、安心して高音質なサウンドを聴くことができます。
またM15Sではアナログ式ボリュームノブがボタンも兼ねており、デュアルボリュームコントロールモードを搭載し、120段階の精密な音量調整が可能です。ディスプレイサイズは5.5インチで、18:9の720pのハイビジョンスクリーンになります。
バッテリー
6300mAhのバッテリー容量を搭載しています。充電時間は3.5時間で、QC3.0+PDに対応しています。バランス出力では9時間、シングルエンドでは10.5時間の再生が可能です。
付属品
レザーケース、冷却ファン付きスタンドのDK3S、USBケーブル、PD充電器、インジェクトピン、USB A変換、説明書です。
スペック表

DACチップ | ES9038PRO |
Androidバージョン | Android 10 |
SoC | Snapdragon660 |
サイズ | 約140 * 80 * 18.9mm |
重量 | 345g |
BT送信 | SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC/LHDC |
BT受信 | SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC/LHDC |
シングルエンド出力(最大ゲイン設定) | 580mW+580mW |
バランス出力(最大ゲイン設定) | 1200mW+1200mW |
S/N比 | PO 122.5dB以下 / BAL 121.5dB以下 |
THD+N | PO 0.0005%以下 / BAL 0.00075%(1kHz/32Ω) |
ノイズフロア | PO 3.2μV以下 / BAL 5.3μV以下 |
バッテリー | 6300mAh |
最大再生時間 | シングルエンド約10.5時間 / バランス約9時間 |
充電時間 | 約3.5時間 |
メモリ | 4GB |
本体ストレージ | 64GB(実際の空き容量は48GB) |
拡張ストレージ | 最大2TB |
FiiO M15S Weiboレビュー情報
Weiboでは発売前にいくつかのメディアがFiiOから製品提供を受けてレビューをしています。その内容を参考までに意訳して箇条書きでポイントをまとめておきます。また初期的なレビューですので詳しいレビューが上がってくればポイントを改めてまとめておきます。
・M15Sの外観は現在のFiiOデザインを引き継いでいて、現役のMシリーズプレイヤーとあまり変化はありません
LOMO胖纸(https://weibo.com/1911677930/4881040344877252)
・付属品が非常に豊富で、DK3Sの冷却ファン付きスタンドやTypeC to Cケーブル、レザーケースが付いています。M17のレザーケースは落ちやすかったですが、M15Sのレザーケースはとてもきつかったです。
・最大ゲインモードは気軽に使わないことを提案します。最大ゲインモードを設定して、Meze Audio 109Proを使ってみたところ、鼓膜を破壊することができるほどの音量でした
・ミディアムゲインに切り替えて聴いたところ、音はとてもよくて、6499元という価格を改めて考えるとFiiOは市場をよく理解していると感じました
最後に:DCアシスト電源システムの開発経緯・メリットの解説
WeiboではFiiOが新製品のM15Sおよび既存製品のM17/Q7にも搭載されるDCアシスト電源システムの開発経緯とメリットについて解説していましたので、その内容を意訳した内容もこちらに記載しておきます。
①バッテリー駆動による矛盾な解消
出力が大きい時消費電力が上がるが、バッテリー駆動では消費電力を抑える必要があるので矛盾があった。これをDCアシスト電源システムによって大出力を実現することで、K7やK5Proのような据え置きをも凌駕します。
②バッテリー寿命の解決
DCアシスト電源システムを利用したデスクトップモードでは、内蔵バッテリーを完全に切り離した状態と同義になります。スマートホンではコンセントに繋いでいる限り、バッテリーは劣化しますが、DCアシスト電源システムを利用したデスクトップモードでは劣化が起きず、バッテリーを保護することができます。
③利便性の向上(M15SのPD充電器対応の場合)
これまでのDCアシスト電源システムでは2.5径の電源コネクタが必要で、専用のACアダプターを付属していました。しかし、これは自宅やオフィスでの使用時に余分な荷物となっていました。また移動中にDCアシスト電源システムを使いたいという声もありました。そこで第2世代のDCアシスト電源システムはPD充電器に対応することで、Type-Cコネクタ接続した際に12Vに固定され給電されるように改良した
④コスト低減と互換性の向上(M15SのPD充電器対応の場合)
ACアダプターのコストが高く、M17/Q7のコストダウンが困難でした。一方で、PD充電器は多くのブランドから販売されているので、コストと販売価格を低く抑えることができます。これによりコストの高いACアダプターが不要になり、低価格モデルへも第2世代のDCアシスト電源システムを展開させることができます。
この記事が参考になったよという方はぜひフォローお願いいたします。
このブログではライフスタイルDXをコンセプトにDIY/ジャンク修理、オーディオ、PS5、株主の解説、Redditなどの役立つ情報発信しています。またツイッターではブログ記事にはない最新情報もツイートしています。