2024年1月にFIIOより2024年新製品計画が公表されました。この記事ではフルBA型イヤホンであるFAシリーズとシングルダイナミック(1DD)型イヤホンであるFDシリーズの新製品について日本語に意訳してまとめていきます。なお、新製品情報だけでなく、計画の背景なども公表されていて、それらの内容も含めてまとめていきます。オーディオ業界の動きなどの解説も面白いですので、ぜひ最後までご覧ください。
*2024年新製品の発売日・価格は断りがない限り、全て中国でのものです。
*これらは全て計画である中止・変更の可能性が多分にあります。
*追加情報があれば、随時更新していきます。
FIIO フルBA型/1DD型イヤホン概要
2024年新製品も含めたラインナップ
2024年新製品計画の中で、フルBAイヤホンであるFAシリーズはFA19を除き、生産を継続しないと公表されました。そのため在庫がなくなった段階で入手できなくなる可能性が高そうです。
モデル | 区別 | 発売日 | 価格 |
FA19 | 新 | 2024年6月14日 (中国4月26日) | 187,000円 (6999元/999ドル) |
FP3 | 新 | 2024年10月25日 | 599元 |
FD15 | 新 | 2024年7月12日 (中国6月18日) | 28,600円 (中国999元) |
FD3(Pro含む) | 既存 | 2021年9月24日 | 16,500円 |
FD11 | 既存 | 2023年7月14日 (中国5月15日) | 6,600円 (199元/35ドル) |
JD3 | 既存 | 2022年2月18日 | 3,300円 |
JD1 | 既存 | 2024年7月5日 (中国2023年10月31日) | 3,500円前後 (99元/20ドル) |
JD10 | 新 | 2024年10月10日 | 49元 |
FIIO フルBA/1DDイヤホン動向
まずフルBA型イヤホンではFIIOはこのカテゴリーで大きな成功を収めたことはありません。一方で、Knowles製のBAにこだわっているためか、利益を低く設定しても、中国産のBAを使用する他のメーカーに比べて販売価格がかなり高くなっています(これは中国産BAが安価という意味ではありませ)。またフルBA型イヤホンでは搭載するユニット数に限界があります。他のブランドでは10基のBAから始めたところもありますが、FIIOにとってもそのユニット数は問題ありません。このような状況でも古いユーザーの中には今でも多くのファンがいることを考慮して引き続きFIIOのフルBA型イヤホンのフラグシップモデルFA19を2024 年に発売する予定です。しかし、これも売れない場合は、この製品ラインを閉鎖しなければならない可能性があります。またFIIOでは基本的に、他のフルBA型モデルのイヤホンの生産を継続していません。次にシングルダイナミックドライバーも非常に成熟した製品カテゴリーです。成熟とはイノベーションの余地がほとんどないことを意味します。過去1年間で価格帯の二極化しました。ローエンドでは100ドルイヤホンは戦争の様相を呈していて、これは比較的コントロール可能なコストによるものです。つまり100元レベルでも良好なサウンドを実現できるからです。もう一方は、主にケーブル、シェル素材、およびいくつかの珍しい振動板素材に依存するハイエンドのシングルダイナミックイヤホンです。販売価格はどんどん高くなっています。裕福な消費者は存在することで、供給者も存在し、市場が成立しています。しかしこれはメーカーが販売価格をつり上げていることよりも、敷居が低く、成熟した市場であることが主な原因です。このような市場でもメーカーは売上を減らすことはできず、ましてや値上げすることもできません。FIIOとっても価格を下げたり上げたりできないのでこの市場は簡単ではありません。FIIOはJD1/JD3/FD11 などのコストパフォーマンスの高いシングルダイナミック型イヤホンをいくつか開発し、FD11は市場で高い評価を得ていますが、これはFIIOの独自のブランド価値があるからです。そのためFIIOが中国で行っていることは平均的であるものの、海外ユーザーからの認知度は高いです。2024年はハイエンドのシングルダイナミック型イヤホンの技術を活用することでコストパフォーマンスを向上させていきます。
FIIO2024年新製品:フルBA型/シングルダイナミック型イヤホン
FIIO FA19(FA9の後継機)
発売日:2024年6月14日(中国:4月26日) 価格:¥187,000(6999元/999ドル)
販売ページ:Amazon / eイヤホン / Aliexpress
古いユーザーの中には今でも多くのファンがいることを考慮して引き続きFIIOのフルBA型イヤホンのフラグシップモデルFA19を2024 年に発売する予定です。
追加情報
- 記事をこちらにまとめています。
FIIO FA19最新情報 〜4年ぶりのフラグシップBA型イヤホン
FIIO FA19は10基のBAを搭載するFIIOのフラグシップイヤホンで、2020年に発売されたFA9の後継機です。FIIOのイヤホンの中ではフルBA型イヤホンのラインナップは少なく、実際にFA9の販売終了以降はフルBA型のイヤホンの発売はありませんでした。そして今回、FIIO FA19の発売によ...
FIIO FA19が2024年6月に日本で発売となります。この記事はFIIO FA19のレビューです。FIIO FA19はFIIOの4年ぶりのフルBA型イヤホンのフラグシップモデルです。前世代は4年前に発売されたFIIO FA9というモデルで6基のBAを搭載していました。そして今回4年ぶりの更新とな...
FP3(プラナードライバー搭載イヤホン)
発売日:2024年10月15日 価格:599元
現時点で写真の未公開されています。木製のフェイスプレートが採用されるようです。
追加情報
FIIOは既製のプラナードライバーイヤホンに満足できず、最終的に納得できるプラナードライバーイヤホンを開発するために 3 年の歳月と数え切れないほどの失敗を費やしました。平面振動板による中高音の繊細で心地よいサウンドを実現するだけでなく、プラナードライバーの欠点も解消しています。プラナードライバー搭載することによりイヤホンのサイズが大きなり、装着が苦痛になることがありました。しかしFP3はイントラコンカ型を除けば、最も快適な装着感を持つイヤホンです。装着すると嬉しい驚きがあるはずです。
FIIO FD15(FD5の後継機)
発売日:2024年7月12日(中国6月18日) 価格:28,600円(中国999元)
販売情報:Amazon / eイヤホン / Aliexpress
FIIO FD15はFD5の後継機です。外観は基本的にFD5のデザインを踏襲していますが、装着感が大幅に改善しています。そして今回のユニットは同じ価格帯の製品よりもはるかに高い技術を使用しているため、音質に期待してください。
追加情報
- 中国では展示され始めています。現時点で判明しているスペックでは、DLC+アルミニウム合金製、13.8mmのダイナミックドライバー、316ステンレスのハウジングです。
- 当初4月計画でしたが、まだ発売日は出ていません。
- 6月18日に発売するとの発表がありました。
詳細情報
以上です。
EARL(ライフスタイルDX)
*X(Twitter)アカウントへのリンク