FIIO FT1 最新情報+レビュー情報/ヘッドホン／木製ハウジング／木質繊維採用の振動板／ボーカルが特徴/エントリークラス/U3万円/温かみのあるサウンド

FIIO FT1が2024年9月に発売開始しました。この記事では製品情報およびレビュー情報を日本語でまとめていきます。

開封動画

FIIO FT1の発売日・価格等販売情報

発売日：2024年9月13日(中国8月15日）　　価格：28,600円前後(中国999元/150ドル）

販売ページ：Amazon ／　eイヤホン　／　Aliexpress

FIIO FT1は木製ハウジングを採用していながら、エントリーモデルの価格帯を維持しています。日本での販売価格は円安の影響もあり、3万円まではいかないと考えておりますが、2.8万円前後と予想しています。

FIIO FT1のスペック

サブブランド発売のJT1との比較表を作成しました。

FIIO FT1の製品概要／特徴

北米産ブラックウォールナット製ハウジング

FIIO FT1は、北米FAS級ブラックウォールナットを使用したハウジングを採用しています。この木材は流れるような美しい木目と繊細な質感で知られ、自然な美しさを感じることができます。また、高密度の木材を使用することで、ハウジング内の共振を効果的に抑え、音質の向上を実現しています。木目は一つ一つ異なるため、世界に一つだけのユニークなデザインを楽しむことができます。

ナノ木質繊維を採用した複合振動板

FIIO FT1の振動板には、北欧産の90年製のスプルースから作られた木質繊維が使用しています。この素材は、楽器や繊維製品の上質な原料として知られ、清澄で自然な音を生み出します。木材を10以上の工程を経て特定のパルプに加工し、さらにカーボンファイバーを加えて強度と柔軟性を持たせています。最終的な振動板の厚さは約0.1mmと非常に薄く、軽量でありながら高い耐久性を持っています。また、軽量のPU素材を使ったサスペンションにより、低音の伸びが改善され、中音域のボーカルもより温かみのある音色になります。

 密閉型の音響設計

FIIO FT1は、FIIOブランド初の密閉型ヘッドホンです。音響チームが開発した一連の物理的な遮音設計により、外部の人の声や環境音などのノイズを最大で26dBまで低減します。これにより通勤、レコーディング、オフィス、ゲームなど、様々なシーンで高品質なオーディオ体験に集中することができます。

U字形音響ダンピングチューブ

FIIO FT1のために新開発されたU字形音響ダンピングチューブは、物理的な遮音効果を強化するとともに、低音域の再生能力を向上させます。特定の長さと角度を持つU字形チューブを通過することで、空気の弾性を増加させ、共振周波数を低減させます。これにより、ドラムや弦楽器の音を聞く際には、音の空気感と密度をより感じることができます。

32Ωの高感度設計で多用途に対応

FIIO FT1は32Ωの低インピーダンス設計で、113dB/Vrms@1kHzという高感度の音響性能を持ち、ドライバーユニットの駆動に対するハードルを大幅に低減します。これにより様々なシーンでの高音質を楽しむことができます。

ローラーガイド付ヘッドバンド

FIIO FT1はポータブルで軽量な使用感を提供するためにローラーガイド付のヘッドバンドデザインを採用しています。これにより、ヘッドバンドの耐久性が大幅に向上しています。また12段階の調整範囲を持ち、様々な頭のサイズに合わせることができます。ヘッドバンドの接触面にはスエード素材を使用し通気性と耐久性があります。

高品質の専用キャリングケース付き

FIIO FT1にはフランスの高級ブランドと同様の工法と素材を使用した専用のキャリングケースが付属しています。スタイリッシュで精巧なデザインは、音楽を楽しむ時間を大切に保護します。

銀メッキ無酸素銅ケーブルが標準で付属

FIIO FT1には、3.5mmシングルエンドおよび4.4mmバランスオーディオプラグを持つ2本のヘッドホンケーブルが付属しています。両方のケーブルは同一の仕様で、銀メッキされた無酸素銅を使用し、392本の芯線で構成されています。長さは1.5メートルで、ケーブル径は24AWGです。シングルエンドとバランスケーブルをお好みで簡単に切り替えることができ、また様々なオーディオ機器にも対応可能です。明るくしっかりとした音を提供し、ロスレスのオーディオ体験を実現します。

FIIO FT1 レビュー情報

FIIO FT1は、優れた音質、洗練されたデザイン、快適な装着感を備えた1000元（日本で約2.2万円）以下の価格帯では異例の製品です。流行曲からクラシック、ジャズまで幅広いジャンルに対応し、特に木製イヤーカップが生む温かみのある音色が印象的です。入門用としてはもちろん、木製イヤーカップ特有のサウンドを手軽に楽しみたい方にも最適です。FIIOならではの精巧な作りと音響技術が融合したFT1は、初めての「木碗」ヘッドホンとしても非常におすすめの一品です。

木製イヤーカップと特製の木繊維振動板

FIIO FT1の最大の特徴の一つは、北米ブラックウォルナットやブナ材を採用した木製イヤーカップです。木材の自然な質感と音響特性を活かし、音の反射や雑音を効果的に抑えています。また、60mmの大型ダイナミックドライバーに採用された木繊維振動板は、独自のW型サスペンション構造により振動面積を拡大。これにより、エネルギッシュかつ繊細な音の再現が可能となり、従来のダイナミックドライバーを超えた表現力を持っています。

密閉型の音響設計

密閉型の構造を採用し、外部のノイズを遮断すると同時に音漏れも抑制。これにより、集中したリスニング環境を提供します。また、内部にはU字型ダンピングチューブや吸音材が配置され、反射や共振を効果的に抑えています。この設計により、閉塞感のない広がりのあるサウンドステージを実現し、他の密閉型ヘッドホンに見られる音のこもりを解消しています。

機能性と汎用性

FIIO FT1は、32Ωの低インピーダンスと113dBの高感度設計により、ポータブルオーディオプレイヤーやスマートフォンなど、多様な音源との組み合わせで高いパフォーマンスを発揮します。付属の3.5mmシングルエンドケーブルと4.4mmバランスケーブルにより、ユーザーのニーズに応じた柔軟な利用が可能です。また、頭部にしっかりフィットする3軸調整ヘッドバンドと、通気性の良いイヤーパッドにより、長時間の快適な装着が実現しています。

サウンドの特徴

FIIO FT1は、三音域がバランス良く調整されており、流行音楽やクラシック音楽など幅広いジャンルに適したサウンドを提供します。低音域は力強く、量感と弾力が調和し、特にダイナミックな楽曲でそのポテンシャルを発揮します。中音域では、ボーカルの質感が自然で立体感があり、男女問わず明瞭でリアルな声の再現が可能です。高音域はクリアで繊細な音を描き、楽器の質感や空間の広がりを正確に表現。木製イヤーカップが音に温かみを与え、リスニング体験をより豊かにしています。

低音域：迫力とコントロールの融合

FIIO FT1の低音域は、適度な量感と強力なパンチを兼ね備えており、弾力性に富んでいます。そのため、映画音楽やエレクトロニカなどで必要な迫力を十分に再現することが可能です。また、下方向へのしっかりとした伸びと、スピーディで正確なレスポンスが特徴的です。

中音域：自然でリアルなボーカル表現

FIIO FT1の中音域は特にボーカルの再現性に優れています。女性ボーカルの透明感や男性ボーカルの厚みを忠実に再現し、どちらの声も自然でリアルな質感を保っています。唇音や息遣いなどの細かいニュアンスを捉える一方で、過剰に強調することなく、バランスの取れた音作りを実現しています。

高音域：繊細さと明瞭さ

FIIO FT1の高音域は、繊細でクリアな表現が特徴的です。弦楽器の高音のきらめきや、シンバルのきらめく余韻が心地よく響きます。さらに、高音の滑らかさと細部へのこだわりにより、聴き疲れを感じさせません。例えば、大規模なオーケストラ作品では、ホールの空間感や楽器の定位を的確に再現し、立体感のあるサウンドステージを提供します。

ダイナミクスと音場

FIIO FT1はダイナミクスの表現力にも優れており、音量の変化や細かいニュアンスを正確に捉えます。静寂から一気に盛り上がる楽曲の展開でも、息を飲むような迫力とスムーズな音の流れを実現します。音場は閉鎖型ヘッドホンとしては広く、特に横方向への広がりが感じられます。楽器やボーカルが自然な位置に配置され、オーケストラのような複雑な編成でもそれぞれの音が埋もれず独立して聴こえます。

細部への配慮

FIIO FT1の注目すべきは、木製イヤーカップが音色に与える微細な影響です。これにより、温かみのある音色が付加され、アナログ的な聴き心地を楽しむことができます。また、ナノ木繊維振動板による音のレスポンスは非常に速く、ディテールを失わずに自然な減衰を実現。例えば、アコースティックギターの弦の振動やピアノの余韻が鮮明に再現される点は、特筆に値します。

Meze 99 Classicsとの比較

FIIO FT1は、同じ木製イヤーカップを採用するMeze 99 Classicsと比較して、より力強く豊かな低音と、温かみのあるサウンドを提供します。一方、99 Classicsは、結像感が明瞭で繊細なサウンドを特徴としています。FT1は、特にダイナミックな楽曲やボーカルでその表現力を発揮し、同価格帯では競争力の高い選択肢となります。価格面でもFT1は優れたコストパフォーマンスを実現しており、初めて木製イヤーカップを体験するユーザーにとって最適な製品です。

以上です。