FiiO K7BTが6月16日に日本でも発売開始となりました。K7BTはK7のBluetooth機能を搭載したモデルです。この記事ではすでに中国では発売開始となっていたことから、それらの情報をベースにK7BTの対応コーデックなどの仕様面以外にも、Weiboで共有される開発経緯もまとめています。
K7BT 概要
開発経緯
この開発経緯から、K7BTが今後のFiiO製品がBluetoothを標準搭載するか否かを占う製品となるようです。またK7が通常よりも安い価格で設定することがわかります。そのためBTを必須で考えている人以外は、K7を購入した方がお得となります。
FiiOの販売実績や調査によれば、一般的にK5PRO/K7のようなエントリークラスのデスクトップ型DAC/アンプの主な利用シーンは、デスクや仕事机です。そこにはPC/ノートPCがあり、ヘッドホンで音楽を聴いたり、動画を見たりするときに使われています。そして、Bluetoothは一般的にスマートホンなどのポータブル機器での利用がメインとなります。
そのため、K5PRO/K7のようなエントリークラスのデスクトップ型DAC/アンプでは、PCとヘッドホンのマッチングが主な要件となるはずで、その場合せ接続方法はUSBによる有線接続がメインです。
しかし、1,000元(約2万円)以内の小型デスクトップ型DAC/アンプの多くは、Bluetooth入力機能をサポートしていることもわかりました。「Bluetooth入力はコアとなる機能なのか?」この答えは、昔から言われているように「真実を確かめるためには挑戦するしかない」のです。そしてFiiOはK7のBluetooth搭載バージョンを追加し、実際の販売台数で需要をテストすることにしました。これにより将来、新製品を開発する際に2つの構成を同時に出すか、一つだけ出すか、一つだけ出す場合にはBluetoothを搭載するのかしないのか、を検討することができます。この目的はユーザーのニーズに応える一方で、できる限りモデル数を減らすことです。そうしないとモデル数が多すぎて、研究開発や管理コストが高くなり、適切なコスト管理ができなくなります(通常メーカーはあまり多くのモデル/カラー/構成をやりたがらないものです)。
また価格についても言及しておくと、実はK7は原価計算を間違えてしまったので、粗利益が他のモデルよりもかなり低くなっています。一方でK7BTは、通常の粗利益で価格を設定していますので、Bluetooth搭載のK7BTはK7よりも少し割高に感じるかもしれません。
FiiOのWeiboより
発売日・価格
発売日:2023年6月16日(中国:4月24日) 価格:41,800円(中国:1,666元)
価格はK7の中国公式価格1,399元(日本円で約2.8万円)に対して、K7BTは1,666元(約3.3万円)とBT機能のみ追加ですが、日本円換算で約5,000円価格が上昇しています。一方で、前述のFiiO社長の解説のとおり、K7は粗利が低く設定されてしまっていて、K7BTが正式な粗利が設定された価格とのことですから、裏を返せばK7がいかにお得であるかもK7BTの価格によってよくわかります。(追記)日本の発売も決定しました。日本でもやはりK7BTは価格差が大きくなりました。K7が33,550円に対して、K7BTが41,800円と、Bluetooth機能のみ追加で8,000円値上がりしています。スペックだけを見れば4万円でも十分魅力的な価格であるものの、K7がお得な価格ゆえに高く見えてしまいますね。
スペック
K7BTのスペックはBluetooth以外ではK7と同じです。そのため、DACチップおよびUSBデコードチップ以外では、BTに関するスペックを表内に記載しています。LDACやaptX Adaptiveという高音質なコーデックだけでなく、低遅延のaptX LLにも対応していて、ゲームや動画を見るときも使える仕様となっています。
項目 | 内容 |
DACチップ | AK4493SEQ |
デコードチップ | XMOS XUF208 |
BTチップ | QCC5124 |
BTバージョン | Bluetooth5.1 |
BTレシーバー | LDAC/aptX Adaptive /aptX/aptX HD/ aptX LL/AAC/SBC |
付属品
K7BTの付属品もK7と同じで、唯一の違いは、BTアンテナのみです。
インターフェース K7との比較
インターフェースはK7とBluetoothアンテナが追加された以外は変更がありません。Bluetoothアンテナも写真で見る限りでは、K9PROやBTA30PROに付属しているものと同じと見られます。
以上です。FiiO K7BTは予想通り、4万円超の価格設定となりました。K7の魅力の一つに価格面もあると思います。そのためBTが必須ではない人はK7を購入する方が価格も含めた満足感は高そうです。それでもM17やK9PROをはじめとした上位機と同じ、フルバランス回路、THX AAA+788アンプですから、K7BTが4万円超だとしても十分に魅力な製品だと思います。
FIIO K7 レビュー記事:FiiO K7 実機レビュー(発売日、スペック等の最新情報も)
EARL(ライフスタイルDX)
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