
FIIO M21が登場します。すでに話題となったカセットプレーヤー風のケースも149元(約3,000円)で販売されることも判明しました。この記事では日本語で詳しく解説していきます。

FIIO M21 スペック
価格 | 1999元(約4.2万円) |
カラー | チタンゴールド、ディープブルー |
サイズ | 約68mm × 121mm × 17mm |
重量 | 約193g |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 680 |
OS | Android 13 |
DACチップ | Cirrus Logic CS43198 × 4 |
ディスプレイ | 4.7インチ(750×1334)フルラミネートパネル |
バッテリー容量 | 4000mAh |
急速充電 | PD2.0 / PD3.0 / PPS対応 |
連続再生時間 | 最大15時間(シングルエンド)、12.5時間(バランス) |
RAM | 4GB |
内部ストレージ | 64GB(使用可能約52GB) |
外部ストレージ | microSD対応(最大2TB) |
ヘッドホン出力端子 | 3.5mm PO/LO/SPDIF + 4.4mmバランス PO/LO |
USB端子 | USB Type-C(USB3.0)×1、Type-C(給電専用)×1 |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth送信対応 | AAC / SBC / aptX / aptX HD / LDAC / LHDC |
Bluetooth受信対応 | SBC / AAC / LDAC |
出力(バランス・ヘッドホンモード) | 950mW + 950mW(@32Ω) 185mW + 185mW(@300Ω) |
出力(SE・ヘッドホンモード) | 405mW + 405mW(@32Ω) 45mW + 45mW(@300Ω) |
出力(バランス・ハイゲイン) | 750mW + 750mW(@32Ω) |
出力(SE・ハイゲイン) | 290mW + 390mW(@32Ω) |
SN比 | ≧126dB(A-weighted) |
ノイズフロア | <1.6uV(A-weighted) |
出力インピーダンス | <1Ω |
THD+N | <0.0003%(1kHz, -4dB @32Ω) |
FIIO M21について
新基準の中核をなす、Snapdragon 680 + Android 13
M21の心臓部には、Qualcomm Snapdragon 680を搭載。6nmプロセスで製造され、4基の2.4GHz A73コアと4基の1.9GHz A53コアによるパフォーマンスと省電力性のバランスが魅力です。これにより、音楽再生だけでなくAndroid 13をベースにしたスムーズな操作体験が可能になっています。メモリは4GB RAM+64GBストレージ構成。
Cirrus Logic CS43198×4基構成の贅沢DACアーキテクチャ
M21は、DACチップとしてCirrus Logic CS43198を4基も搭載し、全チャンネル独立のバランス出力を実現。これにより、ダイナミクスの豊かさ、歪みの少なさ、そして音場の奥行きと定位の正確さが大幅に向上しています。さらに、前段と後段の電源回路を分離することで、より高いS/N比と解像度を実現。
専用デスクトップモード搭載で据え置き機としても活躍
M21は特許を取得した「デスクトップモード」を搭載。バッテリーを一切使わず、外部電源のみで駆動するモードに切り替えることで、バッテリーの劣化を防ぎつつ据え置き機としての運用も可能です。これにより、長時間の再生やエージング環境でも安心して使える仕様となっています。
21Vpp/950mWの強力出力、イヤホンからヘッドホンまで幅広く対応
駆動力においても、M21は群を抜いています。外部電源利用時には最大21Vppの電圧出力と950mW(@32Ω)の大出力を実現。これにより、多くのハイインピーダンスなヘッドホンも余裕で鳴らすことが可能です。ポータブルでありながら、据え置きレベルの音質体験を実現しています。
デジタルとアナログの完全分離設計
内部基板は、デジタルモジュールとアナログモジュールを明確に分離した設計を採用。さらに、独立シールドや冷却構造を施すことで、信号干渉を最小限に抑えつつ、安定したパフォーマンスを発揮します。
高品質電源部と10基以上の大容量電解コンデンサ
音質の要となる電源部には、高精度薄膜抵抗、低温漂電容、低ESR大容量電解コンデンサ(10個以上)をふんだんに採用。DACやアンプ回路それぞれに独立した電源供給が行われることで、力強く透明感のある音質が引き出されています。
第5世代FPGA+専用デュアル水晶発振器で正確なクロック制御
M21では、FIIOが独自に開発した第5世代FPGAと、高精度かつ低ジッターのデュアル水晶発振器を搭載。PCM・DSDどちらのフォーマットにおいても、高いサンプリング精度で音声信号の正確な再生を可能とします。
柔軟な出力系統:3.5mm+4.4mmヘッドホン・ライン・SPDIF・USB DAC対応
出力端子は、3.5mmと4.4mmのヘッドホン出力およびライン出力を備えており、さらにSPDIF(同軸デジタル)出力やUSB Audio出力にも対応。自宅のスピーカーや外部DACとの接続も簡単に行えるため、用途に応じて柔軟に対応できます。
4000mAhバッテリーで最大15時間のロング再生
大容量4000mAhバッテリーを搭載し、最大15時間の音楽再生が可能。さらに、20W PD急速充電に対応しているため、短時間の休憩中でもすばやく再充電が可能です。ポータブルとしても抜群の利便性を誇ります。
特別UI「夢回Walkman」(夢で過去に戻るようなレトロな演出)を搭載
特別仕様として、カセットテープ風のUIを持つ「夢回Walkman」モードも搭載。クラシックなUIに懐かしさを感じながらも、最新技術で駆動するギャップが魅力。スイッチひとつで元のシステムに戻るため、遊び心と実用性のバランスも完璧です。
※「夢回」=「梦回」は中国SNSを中心にレトロブームによる流行り言葉となっています。
美しいデザインと高い操作性
筐体にはアルミニウム合金とAGサンドブラスト加工ガラスを採用し、高級感と操作性の両立を実現。滑らかな手触りと指紋・皮脂の付きにくさが特徴で、ビジュアルと触感の両面からユーザー満足度を高めています。
FIIO M21は“エントリー機”という常識を打ち破る次世代DAP
FIIO M21は、Snapdragon 680による快適な操作性、CS43198×4基の高性能DAC、独自の電源設計やデスクトップモードなど、従来のエントリーモデルとは一線を画す存在です。「音を楽しむ」すべての人に向けた、ニュースタンダードモデルといえるでしょう。
FIIO M21のインターフェースとアクセサリー
インターフェース
1 | ディスプレイ | 7 | デスクトップ モードスイッチ | 13 | Type-C 給電専用 |
2 | インジケーター ランプ | 8 | HOLDスイッチ | 14 | ガラス製 リアパネル |
3 | 電源/ロックボタン | 9 | 4.4mmPO/LO | 15 | アルミ合金製 フレーム |
4 | 音量+ボタン | 10 | 3.5mmPO/LO/同軸 | 16 | 次の曲ボタン |
5 | 音量-ボタン | 11 | SDカード スロット | 17 | 再生/ 一時停止 |
6 | マルチファンクション ボタン | 12 | Type-C 充電/データ | 18 | 前の曲ボタン |
アクセサリー
※本体保護ケースはおそらくTPU素材のもの
1 | M21本体 |
2 | 強化ガラスフィルム(出荷時に本体に貼付済み) |
3 | 本体用保護ケース |
4. | アフターサービスカード |
5 | クイックスタートガイド |
6 | USBケーブル |
7 | 説明書 |
別売りのケース
別売レザーケース(約2,000円)/カセットプレーヤー風ケース(約3,000円)
FIIO M21 レビュー情報
操作性やデザイン
- デュアルUSB-C端子を搭載:片方は充電、もう一方はデータやオーディオ出力用として利用可能で、デスクトップDACやアンプと接続して据え置き運用も快適
- 長時間再生&利便性:自宅で「半永久リスニングマシン」のようにも運用可能
- カセットプレーヤー風ケースは強い個性を持ち、懐かしさと所有する満足感を両立。これにより、カバー装着時の見栄えから色の選択肢(チタンゴールド vs ディープブルー)に悩む一面も
サウンド
- 中低域:量感が豊かでグルーヴ感に優れ、しっかりとしたベースラインを演出
- 中高域:クセがなく自然。とくに人声の表現に強みがあり、明瞭感はやや抑えめで聴き疲れしにくい
- 音場:広がりがあり、開放的なサウンドステージ
- 全体傾向:FIIO M23に近いが、さらに中域を丁寧に強調したチューニング
総評
FIIO M21は、スペック・音質・デザインすべてにおいてバランスの取れた1台。外観のユニークさだけでなく、音の実力も確かであり、ポータブル用途はもちろん、据え置き環境でも満足度の高い運用が可能です。音にもデザインにもこだわりたいが、サイズは抑えたいというユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢です。
FIIO M21 日本発売日・価格
日本の発売予想時期は2025年夏頃となっており、価格は未定です。
以上です。
EARL(ライフスタイルDX)
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