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2023年7月8日、9日に秋葉原にて夏のポタフェスが開催されました。今回もFiiOの新製品を試聴してきましたので、その感想などを共有いたします。
日本未発売のFiiO製品の展示は次のでした。
- FA19:10基のBAドライバー搭載のマルチBAイヤホン
- FX15:1DD+1BA+4ESTのハイブリッド型イヤホン
- FF1:イントラコンカ型イヤホン
- FT5:平面駆動型ヘッドホン
- FW3:シングルダイナミックドライバーのTWS
- FH11:FH1S後継機の1DD+1BAのハイブリッド型イヤホン
- BR13:Bluetoothレシーバー/DAC
このうちFA19、FX15、FD11、FH11についてはすでに4月のヘッドホン祭りにて試聴していますので、それ以外の製品を試聴してきました。こちらの4つが気になる方は下記の記事をご覧ください。すでにFD11は日本での発売が7月14日に決まっています。また中国ではFW3は発売済み、FX15は7月12日に発売が控えています。今後すべて購入し、本ブログではレビューをする予定です。
FA19、FX15などFiiO新作イヤホン情報 〜春のヘッドホン祭り
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FiiO FF1 展示機インプレッション
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まず概要です。FiiO FF1はエントリークラスのイントラコンカイヤホンとなります。年初公表の計画では128元(約2500円)と低価格のイントラコンカの予定ですが、FF3やFF5で培った技術を投入しています。このイベントではドライバーの素材について確認はしませんでしたが、FF5をベースとした外観デザインとなったことから、当ブログではカーボンベースのドライバーと予想をしています。2pinでリケーブルが可能となっています。
次に展示機のインプレッションです。この試聴についてFiiO中国に共有したところ、まだ試作機で改善余地はあるという返信をもらったので、試作機という前提となります。サウンドの傾向はFF3とFF5でいうとFF5に近いです。やや乾いているサウンドで、イントラコンカらしく音場広い中で、すっきりとした爽やかなステージが広がります。上位機のFF5のように輪郭はそこまではっきりしておらず、優しい広がりがあります。改善の余地があるという返信もありましたが、確かに音量を上げた際や高域において粗さがあるものの、2500円前後という価格を考えると十分なクオリティと感じました。特に外観デザインでプラスチックのような素材でありながら、極端な安っぽさはありません。それよりも軽くて、質感が滑らかでつけ心地が良いです。当初公表時のFF1のコンセプトである「複数個買って、どこでも気軽に使えるようなイントラコンカイヤホン」という説明にぴったりの印象でした。
最後に細かな仕様面で、今回の試作機ではマイク付きのケーブルとなっていました。イヤホンにはLとRの表記はなく、接続部にぶつぶつとした印がつけられているのみでした。また上の画像にある通り、USBタイプCのケーブルもありましたので、3.5mmとUSBタイプCの2種類が発売されそうですね。そして2pinは今回も独自の形状をしていて、楕円状の凸がある2pinとなっていました。この楕円状の凸は通常の埋込2pin(CIEM 2pin)のような厚みがないため、互換性がなさそうです。
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FiiO FT5 展示機インプレッション
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FiiO FT5は90mmのプラナードライバーを搭載するヘッドホンです。FiiOとして初の有線ヘッドホンであるFT3と同じラインの新機種です。FT3は60mmのダイナミックドライバーを搭載していたので、ドライバー構成の異なる2機種がこのシリーズのラインナップとなります。イベントスタッフの方にインピーダンスを確認しましたが、現時点では不明とのことでした。試聴機がR7とのセットアップで、R7がハイゲインでボリューム50ほどでちょうどいい音量でしたので、音量を取ること自体はFT3よりも簡単そうです。しかしながら、次のインプレッションで記載しますが、本来の音を聴けていたかは若干不安が残りました。またこれもWeiboでの返信で価格は2999元(6万円前後)となる見込みのようです。
FiiO FT5のインプレッションではこの試作機ではまだFT3の延長線にあり、もっと高音がグッと伸びるとか、音の表現が豊かとかプラナーぽさのような部分があまり感じませんでした。この点がR7で完全に駆動し切れているかが不安に残る部分です。一方でプラナードライバーを搭載するヘッドホンは概ね重いですが、このFiiO FT5は、FT3同様、重さを感じにくい装着感の良さがありました。デザイン面はTHIEAUDIO Wraithに似ていて、FT3と異なり、ヘッドバンドの上側がメタルカラーとなっていました。
FiiO FW3 展示機インプレッション
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FiiO FW3はシングルダイナミックドライバーのTWSです。ドライバー構成とマイク性能以外のBTチップ、DACチップなどは上位機種のFW5と同じです。そのため機能面はFW5と同じながら、100ドルというリーズナブルな価格を実現した機種となっています。さらにFW5同様、ベータ版のファームウェアでLDAC対応となっています。シングルダイナミックドライバーはカーボンベースのドライバーとなります。
まずFiiO FW3のホワイトバージョンのデザインがとても良かったです。 そしてサウンドではシングルダイナミックドライバーであることから、FW5のような音の密度や輪郭はありません。 一方で、過度に輪郭を出しすぎないサウンドが、空気感を出していて、ダイナミックドライバーイヤホンらしい王道のサウンドでした。ボーカルは決してぼやけてなく、口の形ははっきりしていました。バランスはドンシャリで、POPSなど流行曲向きの印象です。またボーカルが聴き取りやすいことから、ボイスチャットをしながらゲームというのも想定されているのかなと感じました。機能面でも低レイテンシーのゲーミングモードを搭載しています。
FiiO BR13展示機インプレッション
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FiiO BR13はBTA30PROをレシーバー機能に特化させることで、リーズナブルな価格を実現することを目的としたBTレシーバー/DACです。このイベントでは試聴はできないのとことだったので、展示機の説明のみとなります。
DACチップにはESS9018Kが使われていると聞きました。写真の通り、ディスプレイも追加されたことで操作性も向上していそうです。前面部を見るとディスプレイに加えて、電源、再生・停止、音量、IN(INPUT選択?)、EQのボタンがあります。また背面部には、RCA端子に加えて、角型デジタルがIN・OUT、同軸が搭載されています。BTA30PROと同じ仕様だとすれば、RCAは出力のみ、同軸はIN・OUT兼用となりそうです。サイズ感はBTA30PROの横幅と同じ程度で、縦方向のサイズ感が1.5倍程度になっています。本体の軽さは同じ程度で、またケーブルを刺すと浮きそうです。
以上、2023年夏のポタフェスにおけるFiiOの日本未発売製品のインプレッションでした。
2023年に計画されている新製品まとめ記事へのリンク:FIIO 新製品情報・スケジュール
最後に余談ですが、今回UMの The Multiverse Mentorを試聴しまして写真だけ共有します。
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EARL(ライフスタイルDX)
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