今回はG4(ジーフォー)というイヤホンメーカーの1BA+1VSCのイヤホン「ARAYA +DNA1」を購入しました。購入のきっかけはこのG4のTwitterアカウントのツイートです。非常にクリアなシェルが特徴的で、その外観からどんなイヤホンなんだろうと気になっていました。
気になり始めた矢先、ヘッドホン祭りにも出展されていたようで、私自身は出展を知らず試聴できませんでしたが、レビューツイートで「ARAYA」というイヤホンの評判がよく、さらに好みである美音系というツイートも見かけて、さらに気になりました。そしてG4のアカウントによる日々のツイートもイヤホン作りに対するこだわりをヒシヒシと感じ、どんどん気になっていきました。しかしARAYAは10万円近くするため予算的に厳しいなと思っていました。ところが、そんな時になんと私が大好きな1BAでイヤホンを発売するというツイートを見かけたのです。さらに先着20名限定でケーブなしなどの条件はあれど、2.5万円。これは買うしかないと思い、ツイートを見てすぐに購入をしました。そうそれがタイトルにも記載の「ARAYA +DNA1 」です。現在は受注停止しているそうで、2023年1月末から2月に改めて受注を再開するそうです。これらの情報はTwitterで発信されていますので、ぜひフォローしてみてください。(追記)次回は2023年4月〜5月頃のようです。
と前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、ここからがその「ARAYA +DNA1 」レビューです。2022年11月4日に届いて以来、ほぼ毎日しようしており、長期レビューも追加しました。すでに意図的なエージングなしで、200時間くらい鳴らし込んでいます。
Pros
・1BAの特徴を最大限活かした直線的なサウンド
・1BAの常識を覆す解像度、音場
・やらかい低音、それでいてボヤけていない
・適度に濃度のあるミッド
・透明度の高いミッド〜ハイ
・小さなシェルで快適な装着とフィット感
・サウンドとマッチした気泡一つない透明なシェル
・バーンイン(エージング)が不要
Cons
・なし(強いて挙げればケーブルを用意する必要がある)
G4 ARAYA +DNA1概要
ARAYA +DNA1は、1BA+1VSCのイヤホンで、この1BAというのは一基のバランスドアーマチュアを搭載しているというイヤホンになりますが、「1VSC」とはなんぞ、ということで調べてみました。
この「ARAYA +DNA1」に搭載されているのはBarrel型(樽型)のVSCで、VSCとはバーチャルサウンドチェンバー(音響空間)のことを指します。このVSCによって、調べた言葉をそのまま借りると“音の広がりや空間力”が向上するとのことです。そしてARAYAというのはG4が開発したフラグシップ的な4BAのイヤホンで、「ARAYA +DNA1」はそのARAYAのDNAを引き継ぐ、1BAのイヤホンという位置付けになるようです。
G4 ARAYA +DNA1レビュー
G4 ARAYA +DNA1インプレッション
G4 ARAYA +DNA1のレビューをするにあたって、改めてどうして1BAが好きなのだろう、1BAの良さとはと考えてみました。1BAのサウンドは透き通った水面に波紋が広がるようにより自然に、より透明感のあるサウンドが好きなんだと思いました、これにより女性ボーカルの声はより綺麗に聞こえます。さらに1BAの好きなところはもう一つあります。バンドサウンドなども頭の中で一つの音として聞こえてきます。悪く言えば定位感がないかもしれませんが、いい意味では自然と頭にスッとサウンドが入ってきます。そしてG4 ARAYA +DNA1はこの1BAの魅力がギュッと濃縮されたイヤホンです。他方で1BAは全体のメリハリが少なかったり、特徴がなかったり、低音の量が少なかったり、と1BAであるが故のデメリットが目立つイヤホンも存在しています。G4 ARAYA +DNA1はその悪い部分が、秀逸なバランス感覚によって解消されています。1BAとしての魅力を落とさないぎりぎりの低音の量感と、メリハリのあるアタック感が存在しています。またVSCの効果なのか、1BAにありがちなボーカルが近すぎるということはなく、音場が広く、1BAの良さである自然な、透明感のあるサウンドが波紋のようにすーっと奥まで広がっていきます。実際にあえてアンバランス接続で6BAイヤホンのDUNU SA6を比較で聴いてみたのですが、G4 ARAYA +DNA1の凄さを改めて感じました。と、1BAらしからぬ表現力を持つイヤホンでした。これで私の1BAイヤホンの沼は脱出となりそうです。
そして最後にG4さんの+DNA1のもう一つの魅力として非常に透明度の高いクリアなシェルがあります。
実際にG4さんとお話しする機会がありまして、気泡ひとつさえも妥協しないこだわりが感じられました。それによりこの非常に綺麗でクリアなシェルができています。制作の途中段階では見えない気泡が、樹脂を充填する段階になってから発生することもあるそうで、気泡をひとつも残さないというのはG4さんが丁寧に根気よく製作しているからこそ実現していることがわかり、とても感動しました。
G4 ARAYA +DNA1200時間レビュー
まず長期間使用をして改めて実感したARAYA +DNA1の良さは装着感のとてもよいシェルです。透明なシェルからも感じ取れる丁寧に作り込まれたシェルは耳にすっぽりとハマり、長時間使用しても耳が痛くなることがありません。私自身、カナル型が元々苦手で今でもカナル型のイヤホンを長時間使用すると痛くなることがあります。しかし、このARAYA +DNA1では全く痛くなりません。これはシェルのサイズによるものと思います。他のイヤホンと比べて一回り小さいです。G4さんにお話しを伺った際にもサイズにはこだわられているとのことでした。ユニバーサル機にありがちな、少し大きめで耳全体を覆うことで無理に密閉感を高めるのではなく、耳にすっぽりとハマることでしっかり密閉され、ARAYA +DNA1のサウンドをしっかり感じることができます。
次に200時間(厳密に測っていませんが)聴き込んだサウンド面です。インプレッションではARAYA +DNA1を初めて聴いたということもあり、抽象的な表現となっていました。実際のところ200時間以上経った今でもその印象は色褪せることなく、全く変わっていません。ARAYA +DNA1を買ってからは他のイヤホンへの興味をなくすほど、今でも大好きなサウンドです。そして改めて理由について考えると、やはり1BAということに尽きると考えています。無理な解像度、作られた分離感など、そういった人為的な味付けや印象を全く感じさせず、自然に音楽を楽しませてくれます。これはARAYA +DNA1が1BAの魅力を最大限、引き出したものだからこそ成せるサウンドだと感じています。1BAの直線的なサウンドで、やわらかい低音、適度に濃度のあるボーカル、透明感のある高域というこれらが絶妙なバランスで合わさり、ずっと飽きのこないサウンドになっています。200時間以上という聴き続けたからこそ、このシェルの快適な装着感と飽きのこないサウンドに改めて感動しました。
以上です。
ARAYA +DNA1は1BAの常識を覆すイヤホンでした。1BAというとエントリーイヤホンというイメージがありますが、これは1DDや多ドラBAと同等かそれ以上の魅力の詰まったイヤホンですので試聴をしてみてください。ヘッドホン祭りやポタフェスではPentaconnブースで参考出展していることがあるようですのでぜひチェックしてみてください。
EARL(ライフスタイルDX)
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