今回入手できたのはHiByのミドルクラスDAPのR6PRO(SS)です。このDAPは2019年発売で当時は10万円近くしていたようです。今回それがバッテリー不良によるジャンク品とのことで1.3万円で売りに出されていたので、バッテリー交換のみで修理ができればお得なのでジャンクガチャをしてみました。
先に結論を言えば、ジャンクガチャに勝利しました・・・!!
出品されてたジャンク理由は電源落ち、画面チラつき、起動中に音が出ないなどがあったとのことでした。しかし、給電しながら使うと問題なく使用ができるとの記載もあったためバッテリー不良によるジャンクというのを信用して購入しました。そしてバッテリーを交換してみた結果、現在3日ほど使っていますが、ジャンク理由となっていた不具合は出ていません。さらにバッテリーも4時間再生し続けて30%しか減らずバッテリー持ちも良いです。ただし私の横着により早送りボタンだけ効かなくなってしまい、もう一度分解することになりましたが・・・このあたりは後述します。皆さんも簡単に直せるものでも横着はせずに丁寧に修理を心がけましょう。外観も傷はほとんどなく非常に綺麗でしたのでかなりお買い得でした。
さて、この記事はHiBy R6PROのバッテリー交換手順について解説をしていきます。最後にHiBy R6PROのレビューもします。この機種は現在でも中古で3−5万円ほどのレンジで販売されています。バッテリー交換をできれば中古で買っても、バッテリー持ちがかなり良くなりますし、ジャンク品で安く手に入れば非常に良いDAPだと思いますのでもし興味のある方がいましたら挑戦してみてください。
HiBy R6 PRO バッテリー交換
最初に必要なツールをご紹介します。HiBy R6 PRO バッテリー交換に必要なツールは特殊なものは必要なく、スマートフォンの分解ツールとはんだ小手のみで可能です。ただし、下記画像のうち一番左の薄い分解ツールとはんだ小手は必須となります。この2つがないとバッテリー交換はできません。互換バッテリーについては後述します。それぞれの画像をAmazonリンクにしていますので気になるツールありましたらそのままAmazonに遷移できます。
HiBy R6 PRO 分解手順
まず先にご紹介した薄い分解ツールを背面パネルと本体の隙間に入れます。これにより背面パネルが両面テープのような接着剤で本体に貼り付けされていますのでそれを剥がしていきます。隙間付近の本体を傷つけないように丁寧に分解ツールを隙間に入れながら一周させてください。そこまで固く接着していないので比較的簡単にツールは入ると思います。
一周したら背面パネルが浮きやすい状態になっているともいますので、上と下どちら側でも良いのでもう少し隙間に分解ツールを差し込んで、浮いた隙間から画像左のようにピックを差し込んで背面パネルが浮いだ状態で固定させてください。その後、画像右のように分解ツールを横から左右貫通するように差し込んでください。この状態で接着部分を切るイメージで上下に動かしてもらうと両面テープの接着が切れて剥がれていきます。もしここで接着が強い場合は無水エタノールを分解ツールに少しつけて差し込むと楽です。なおエタノールを使う際は垂れて内部に入りショートすると怖いのでほんの少し表面をコーティングするぐらいにしてください。
実際に背面パネルを剥がした後が左の写真の状態になります。実際には内部にさらにもう1枚背面パネルがありましたので分解ツールを内部に差し込んでもバッテリーに刺さったりする心配がないのはよかったです。その代わり全面的に両面テープが貼られているので本体を傷つけないように分解ツールで接着部分を切っていくので時間は少しかかりました。背面パネルを剥がした後は内部のパネルの両端6箇所のネジ(通常)を外すことで内部にアクセスできます。手順としてはネジを外す前に上部の黒いテープを外すと右側の写真のようにおそらくアンテナの役割をしているコードが黒いテープにはんだされています。これをはんだ小手を使って外してから、ネジを外して、内部のパネルを外しましょう。その時、このコードは内部側につながっているのでパネルを外すときは断線しないように付近の丸穴に通しながら外しましょう。
HiBy R6 PRO バッテリー交換手順
内部のパネルを外すと目的のバッテリーが出てきます。バッテリーと基盤の間に2箇所のスペーサーとなるカバーがあり、そこに両面テープでバッテリーが貼り付けされていますので、基盤側を傷つけないように丁寧にバッテリーを両面テープから剥がしましょう。
バッテリーをスペーサーのパネルから剥がすとこのようにバッテリーの配線がはんだで基盤に接続されているポイントにアクセスできるようになります。この3つの配線を基盤から取ればバッテリーを本体から取り外すことが可能です。今回はバッテリー交換のみなので内部基盤は本体から取り外さずに作業しました。これには理由があって以前、FiiO X5 3rdの修理をしたときに内部基盤を外すと液晶関係の配線を外す必要性が出てくるため、元に戻す作業の難易度が上がるからです。今回筐体がステンレスということで多少のはんだが触れても溶けたりする心配もないのでそのまま作業しました。本体が熱くなりすぎると反対側の液晶に影響が出る可能性があるので、温度を管理しながらは気をつけて作業しましょう。
肝心の互換バッテリーについてです。今回HiBy R6 PROは3本に配線が出ているDAPであれば一般的なリチウムイオンバッテリーです。大きさは縦が9cm、横が5cmで、容量が4,000mAhです。このサイズは特注品のようで4,000mAhのバッテリーは市販品は縦9cm × 横6cmのようでした。今回バッテリー不良とのことでバッテリーが膨らんでいました。右の画像が厚みになりますが、実際には5〜6mmのバッテリーだった思います。
AliexpressであればHiBy R6Proと同じ大きさのバッテリーが売っていましたが、届くまで時間がかかるため、今回は同じ大きさ又は内部に入る大きさの互換バッテリーを使うことにしました。それが以下のリンクのAstell & KernのDAP用の互換バッテリーです。国内ですぐに手に入る互換バッテリーで、4,000mAhのバッテリーが意外と少なく、配線3つのタイプのバッテリーはAstell & Kernの互換品だけでした。
iriver Astell & Kern AK120II用バッテリー 新品
サイズは86mm×42mmと少し小さいですが、容量は同じ4,000mAhでした。そのためこのバッテリーを使って実際に詰め込んでみました。下の写真の通り、結構スカスカになってしまったので、100均一などに売ってるテープ付きのスポンジをスペースに押し込んで固定しました。念のため、基盤と接触しそうな箇所には絶縁テープをスポンジに貼ってます。ここで最初に記載した早送りボタンが効かなくなった横着なのですが、起動確認しかせず、ボタンの反応についてチェックをし忘れました。後日、分解し直して干渉していた原因はスペーサーのスポンジでなく、早送りなどのボタン側に貼られている黒いシールでした。このシールが干渉してボタンが効きにくくなっていました。そのため元に戻す際は黒いシールがボタンの内側に干渉しないように気をつけてください。
これでバッテリー交換は完了となります。この分解手順の逆の手順で元に戻してください。背面パネルを付け直す際は、元のテープは写真のように可能な限りに綺麗にとったほうが、変な隙間ができずに良いです。また電波干渉によるノイズがあるというのを目にしたので、アンテナ付近に電磁波ノイズを防ぐフィルムを貼ったのですが、全く効果なかったです。背面の全体に貼るなどしたらまた変わったのかもしれません。基本的にwifiをオンにしたり、Bluetoothをオンにしたりしなければノイズは出ないです。
HiBy R6 PRO レビュー
簡単にスペックを紹介するとDACチップはESS製のESS9028Q2Mが2基、アンプはMUSE8920が4基が使われています。これまでFiiOのX7 mark Ⅱを過去に持っていたり、M11 Plus ESSを試聴したり、より上位のESS製DACチップが搭載されたFiiOのDAPを聴いたことがあったのですが、これらとは全く異なる印象で、重心がしっかりした印象を受けました。比較的ESSといえば中高域から高域がタイトでかつ解像度の高い音がして、寒色系のサウンドのイメージがあったのですが、このHiBy R6 PROはESSによくある乾いたサウンドを感じるものの、重心がしっかりしたサウンドで、ややドンシャリでした。現在dx170を持っていますが、これとも方向性が違うものを感じました。また最近はDAP→ヘッドホンアンプという2段の構成で聴くことが多く、dx170の時はヘッドホンアンプを通すと明確に音が変わる印象がありますが、HiBy R6 PROの場合はそこまで明確な音の変化とまではならなかったです。この辺りはアンプチップを4基搭載しているDAPを初めて使ったので、DAPの力強さがあると影響が小さくなるのかなとも思いました。手持ちのdx170と住み分けもできるので、改めて安くミドルクラスのDAPが手に入ってよかったです。ちなみにdx170と音質の向上という側面では差は感じられませんでした。この辺りはdx170はエントリークラスでは良いDAPなのだなと改めて感じました。SoCは同じくらいの性能のはずですが、HiBy R6 PROの方がサクサク動くと感じていて、Snapdragonの方がやはり優れていると思いました。
EARL(ライフスタイルDX)
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