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今回はNUARL NEXT1を予約し、発売日の12月9日に購入しましたので今後検討される方向けにレビューと実機紹介をします。私はNUARLというメーカーも最近知ったくらい新参者ですが、製品の機能だけでなくサポートも含めてかゆいところに手の届くサービスを提供しているのでとても気に入りました。そこで元々N6miniSE2を持っていたのですが、NUARL NEXT1が発表されたのでアップグレードすることにしました。この記事ではレビューや実機だけでなくアプリなどについてもご紹介したいと思います。発売日レビューなので、今後も気になる点があれば更新をしていきます。(追記)使用して3週間程度が経ち、PDEの仕様の情報が出てきたのでその内容、またイコライザーや外音取り込みモードの使用感について更新しました。
それでは早速、NUARL NEXT1のレビューと実機紹介です。
NUARLについて
公式の会社概要を以下の通り引用します。Twitterでは製品づくりに関するプロセスや考え方についてツイートされていて、面白いので気になる方はフォローしてみると良いともいます。
日本のオーディオブランド「NUARL(ヌアール)」の公式Twitterです。NUARLは様々な商品のOEM/ODMを手がけているエム・ティ・アイ株式会社が「日常に自然になじむ」をコンセプトにした、より良い音のオーディオプロダクトを生み出す為に2016年に立ち上げられました。
NUARL(ヌアール)とはNATURALとNEUTRALを掛け合わせた造語です。これには「日常に自然になじむプロダクト」という意味が込められています。
https://twitter.com/nuarl_com
https://twitter.com/nuarl_com
NUARLの公式Twitterアカウント
NUARLをメーカーとして気に入っている点としてサポート面があげられます。メーカー保証は一般的なものと同じですが、有償ながら紛失補償やトレードアップがある点です。まず紛失補償は他メーカーにもあるように紛失した分のパーツを個別購入できる仕組み(購入後1年間)です。次にトレードアップです。トレードアップは新製品に買い替えたい時に手持ちの製品を下取りに出すことで、その分新製品を割引価格で購入できるものです。楽天やYahooショッピングのNUARL公式販売ページにトレードアップチケットというものがその購入にあたります。Appleなどのスマートホンや大手家電メーカーであれば下取りしていることも多いですが、個別の専業メーカーで下取りしてくれることは珍しく、これにより新製品への買い替えもしやすいのは嬉しいポイントです。
NUARL NEXT1 概要
公式ページから引用します。TWSとしての機能は一通り揃っており、NUARLらしく、圧迫感の少ないANCやマルチポイント接続、自然な外音取り込み、ゲーミングモードの搭載など用途に応じた細かな配慮のある機能が用意されてます。
新ドライバーモジュール「M2」
イヤホンの筐体とドライバーを一体化した“M2 NUARL DRIVER”を採用。高いエネルギー効率を実現し、PDEによるイコライジングを加えても破綻しない再生能力を誇ります。振動板の素材にはLCP(液晶ポリマーフィルム)を採用し、シングルフルレンジでHi-Res Wireless認証の40KHzまでの広帯域再生を実現しながらも素材固有の鳴きを抑え、よりピュアなサウンドの再現を可能にしました。
圧迫感の少ないノイズキャンセリング
フィードフォワード&フィードバックを組み合わせたハイブリッドアクティブノイズキャンセリングを搭載。耳道内の空気を効果的に逃す独自の構造により、圧迫感の少ないノイズキャンセリングを実現しました。
話す人の声以外の全てが消える
intelliGO社のAIVC™ AI通話ノイズキャンセリングを搭載。発声を感知しあらゆる周辺ノイズを除去するだけでなく、騒音が強い環境下でも話者の声以外の音を全てカットする明瞭な通話音質を実現します。
LDAC対応
Hi-Res Wireless認証の高音質ワイヤレスコーデックのLDACに対応。対応端末を使用することで、より高音質なサウンドが楽しめます。
多彩な便利機能
片耳使用時に便利な自動再接続。2台の接続機器で同時待受が可能なマルチポイント。イヤホンのタッチ操作でスマートフォンの操作やANCと外音取込みのON-OFF。パソコンやゲーム機など機器に関わらない低遅延なゲーミングモードなど多彩な便利機能を搭載しています。
ワイヤレス充電対応のケース
ケースはワイヤレス充電に対応。一般的なワイヤレス充電器にケースを置くだけで簡単に充電ができます。USB Type-C接続による急速充電にも対応。イヤホンは単体で連続7.5時間(ANC OFF)。ANC ON時でも最大6時間の長時間再生を実現しています。
専用アプリ「NUARL Connect」による機能カスタマイズに対応
iOS/Android端末で使用可能な専用アプリ「NUARL Connect」を使用すれば、NEXT1を各種設定変更による自分だけのカスタム設定にすることができます。マルチポイント接続時には音楽を聴いている機器以外の接続端末側でアプリを操作することもできます。
NUARL NEXT1公式ページ
NUARL NEXT1 同梱物
NUARL NEXT1の同梱物にはイヤホン本体、本体充電ケース、充電ケーブル(USB A to C)、イヤーピース(音導管側)、イヤーループ(外耳側の保持)、説明書がついてきます。
NUARL NEXT1 アプリコンロール
NUARL NEXT1には専用のアプリがiOS/Androidともにあります。この専用アプリでノイズキャンセリングや外音取り込み、ゲーミングモード、イコライザー、ファームウェアアップデートなどの設定を行います。
購入してすぐはこのアプリにてファームウェアをアップデートすることになります。私が購入したロットではファームウェアは1.0で、1.4へのアップデートが必要となりました。ファームウェアアップデートがある場合には、アプリ内の「ファームウェアップデート」のボタンが赤くなっています。そして今回0.4も一気にアップデートとなったため、最初のダウンロードステップでは30分前後かかりました。アップデートはスマートホンとペアリングしている状態(装着している状態)を維持する必要があり、さらにアプリも閉じてはいけないので少し面倒ではありました。そのあと下記画像左(上)の書き込み中になった後、全く動かなくなりました。そこで公式の案内の通り、一度イヤホン本体をケースに戻して再度、ファームウェアアップデートをかけたところ、2度目は50%からスタートとなり、その後は画像右(下)のように無事完了となりました。書き込み中の画面でいくら待っても動かない場合は、やり直した方が良いかもしれません。あくまで私のケースではとなりますので、ファームウェアアップデート失敗時の再起動は慎重にお願いいたします。
続いて、アプリ内の設定について紹介していきます。まずノイズキャンリングと外音取り込みモード、ゲーミングモードです。全てアプリ内でオン / オフが可能で、イヤホン本体をタップすることでもオン / オフができます。そしてオン / オフ以外の設定では、ノイズキャンリングにはモードが3つ用意されており、キャンセリング強度の調整ができます。外音取り込みも同様で、モードがこちらは2つ用意されていて、取り込み音量も調整できます。キャンセリング強度、取り込み音量ともにHIGHの状態でも、ANC特有の耳への圧迫感やサーという外音取り込み独特のノイズ音もありません。そして各モードは現在モード1、2と数字で表されていますが、試聴会でNUARLの担当者に話を伺った限りではTPOに応じた名称に変わるそうです。たとえばノイズキャンリングであれば電車内モード、外音取り込みであれば会話モードといったように場面に最適化されたモードとなるそうです。ノイズキャンセリングについては強いものが苦手なので良かったですが、外音取り込みモードはやや弱すぎる印象です。外で車の音などは問題なさそうですが、音量をかなり落とさないと通常の会話は難しいです。
その他ではイヤホン本体をタップした時の動作設定が2種類ずつ用意されています。また最初にご紹介したファームウェアアップデート、アプリマニュアル、外部リンク、リセットの機能が用意されています。ファームウェアアップデートが必要な場合はこちらの画像のように赤色になっています。
そして肝心のイコライザー設定です。まず左(上)の画像で、イコライザー設定はフラット、クラリティが用意されており、それ以外ではユーザー自身のカスタムイコライザー設定を保存しておけるものになります。実際のイコライザー設定の詳細は右(下)の画像で、一般的なイコライザー設定とインターフェースは同じです。横軸が12段階で、縦軸は中央を0として±5段階の設定が可能です。マルチポイントで片方のスマートホンで音楽を聴きながら、別のスマートホンでイコライザー設定ということが可能です。ただしiPhoneとAndroidで試したところ、お互いで設定したイコライザー設定は反映されないようです。そのため現時点では使用する各スマートホンにお気に入りのイコライザー設定があればそれぞれで設定しておく必要があります。
(追記)このNEXT1の特徴として、イコライザーがPure Direct Equalizer(PDE)という名称で、これはアンプ部へ直接イコライザーをかけて出力できることを意味するそうです。これによりどのようなメリットがあるのかは今後詳しく判明していくかと思いますが、通常のTWSとは違ったイコライザー機能であることは間違いなさそうです。本来はチューニング時に利用する方法という記載もありました。(さらに追記)このPDEに関して、NUARLの担当者が解説動画を挙げていましたので、下記リンクをご覧ください。通常ユーザーはメーカーの補正を経由して、イコライザーをかけるところ、NEXT1ではメーカー補正を経由せずにイコライザーをかけることができるようです。これはアナログアンプのオペアンプを直接交換するのと同じイメージだそうです。このイメージだと音の傾向を根本的に変えることができますので、他のTWSより自分の好みの音に近づけることができるというメリットがあります。
アプリコントロールは全体を通して、イコライザー設定が各スマートホンで相互に共有できない点を除き、使いやすいです。そしてまさに”自分音”を探すことができるようにユーザー自身が細かな設定を行えるようになっています。
NUARL NEXT1 外観、機能レビュー
インターフェース面で嬉しかったポイントでは充電ケースにイヤホン本体を収納した際に、ちょうどイヤーピースが入るエリアに余裕があったことです。よくTWSだとケースに収まらないためにイヤーピースをTWS用しか使えないということがありますが、NEXT1ではフランジ型などを除きほとんどのイヤーピースで収納可能です。手持ちのイヤーピースをいくつか試しましたが問題ありませんでした。また充電ケースの充電口が本体右側の横についていました。
発売日時点ではブラックエボニーとホワイトイグレットの2色展開で、試聴会で2色とも見てどちらの色も上品でよかったです。マットな仕上げで高級感がありました。ただ黒なら指紋が目立ちやすく、白だと汚れが目立ちやすいというデメリットがそれぞれありますので好みで選ばれるのが良いと思います。個人的には白がとてもよかったですが、汚れそうだったので黒にしました。
(追記)ある時、NEXT1からピーという音がずっと鳴り続けていることに気づきました。Twitterに原因を教えていただきましたが、これはイヤホンケースの充電が切れている状態で、外音取り込みモードのイヤホンを戻すと起きるそうです。ケースのバッテリーが切れていることで、イヤホンケース内でもイヤホン本体が起動したままとなり、ハウリングが起きてしまうようです。そのためピーという音が鳴ったら一度本体を充電してみると良いです。以下、NUARL担当者からリプライを頂いた内容です。
NUARL NEXT1 装着感
イヤホン本体は程よい大きさです。これまでNUARLの上位機ではなく、N6mini2SEを使っていた理由としてイヤホン本体が大きいのがあまり好きでなかったからですが、NEXT1は大きさが抑えられています。(追記)3週間ほど経過しました。5−6時間の長時間の使用もしてみました。これまでN6mini2SEという小さめのTWSを使っていましたが、NEXT1に変わっても特に大きな違和感はありません。ただし保持力を高めるためイヤーループを付けていますが、これがやや装着時の圧迫感があります。本体が大きいサイズのTWSでないため、そのままだと保持力が弱いため仕方ないものの、圧迫感が強まってしまいますので最も小さいサイズの使用をお勧めします。小さいサイズでも保持力があるからです。またイヤーループがしっかり耳にハマっていない状態だとポロっと落ちてしまうことがあります。確実に保持力は向上しますが、利用時に注意が必要です。
NUARL NEXT1 ノイズキャンセリング、外音取り込み
私自身はANCの耳の詰まったような感覚が苦手であまり使いません。ただNEXT1はANCによる耳のつまりは感じないです。さらに外音取り込み(アンビエントサウンドモード)もとても自然です。言い方を変えるとANC、外音取り込みのどちらも弱いとも言えます。ただそれによって、外音取り込み時のノイズ感はなく、ANCによる違和感がありません。特に外音取り込みモードは秀逸で、よっぽど風の強い日でなければ追い風時のボワボワというノイズもありません。また音量が大きくしすぎなければ人の声も聞き取れます。そのため普段からずっと外音取り込みモードで音楽を聴いていてもほぼ違和感なく、利便性も高いです。そのため私自身は外音取り込みモードのみでずっと運用しています。
NUARL NEXT1 サウンドレビュー
そして肝心のサウンド面では低域から高域までどこかを強く感じることなく、モニターライクのサウンドです。そしてNEXT1は全体的に音の解像度が底上げされたことで、高音が刺さりやすくなったという印象です。これまでNUARLのTWSを購入、試聴したことがあれば特に違和感がなく聴くことができると思います。フラットで解像度が高めなのでイヤーピースを変えるだけでも印象が大きく変わります。トレブル型のイヤーピースや低音が弱くなるイヤーピースを使うと腰高なサウンドに聞こえます。一方で低音タイプのイヤピースを使うとしっかり低音を感じられます。しかし今回NUARLのNEXT1は”自分音”を探すということをコンセプトにしており、あまりこれらのサウンドレビューは意味がないかもしれません。前述の通り、イヤーピースを変えただけでもサウンドの特徴が大きく変化します。またイコライザー設定もPEQ行かないまでも比較的細かめに設定できる上、PDEという音をより直接的に変えることができるので、お気に入りのイヤーピースをつけてイコライザーで好みの音にするということができます。さらにカスタムしたイコライザー設定も5種類保存しておけますのでイヤーピース、曲やTPO、気分に合わせたイコライザー設定を用意してアプリからすぐに切り替えが可能です。そのためNUARLを試聴する際はアプリコントロールを入れておいて、イコライザーの設定をしながら検討するのが良いと思います。
とそうは言ってもレビューが気になる方もいると思うので、多くのメーカーがこぞってハイエンドTWSを出している中で私自身がなぜNUARL NEXT1を選んだのかを書いておきます。まずサウンド面でクセがなく、高域まで綺麗に聞こえるからです。ANCの影響なのか低音の量感が多めのイヤホン、いわゆるドンシャリ傾向のTWSが多く、そういう意味でTWSはあまり好きではありませんでした。そのような中でNUARLを初めて聞いた時に高域まで透き通って綺麗に聴こえ、女性ボーカルの曲をよく聴く私にとってはぴったりのサウンドバランスでした。そして次は価格です。2022年12月時点で多くのハイエンドTWSが出ていますがほとんどが3万円を超えてきています。ものによっては4万円近くまでなっています。その中でNUARL NEXT1はeイヤホンであれば2.6万円で、私は今回ポイント還元セールを狙って購入したので2万円を切って1.9万円でした。元々トレードアップチケットで2万円を切れば欲しいなと思っていて、セールでその狙った価格になったので購入に踏み切りました。このように3万円を超えてくるとセールになっても2万円台後半ですが、2万円台中盤の価格におさまっていれば手持ちの機種を買取に出したり、ポイント還元を狙うことで1万円台で購入することができます。そして1万円台でここまでの多機能、クオリティであれば非常にコスパが優れています。
以上が、NUARLのNEXT1の実機紹介、レビュー。購入した理由でした。
EARL(ライフスタイルDX)
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