ゲーミングDACって本当にPS5・ゲームの音を良くしてる? 主要製品のオーディオ性能を比較

PS5・ゲーム

ゲーミングDACって本当にPS5・ゲームの音を良くしてる?最新GameDac Gen2含む主要6製品のオーディオ性能を比較

今回主要6製品のゲーミングDACのオーディオ性能を比較することで、PS5、ゲーム向けにおすすめできるゲーミングDACがどれなのか検証していきます。以前の記事でPS5向けのDACにどちらがおすすめかAstro MixampとFiiO BTA30proを徹底比較してみました。

この比較によってMixampがあまりに微妙だったので「ゲーミングDACのオーディオ性能って実際どうなの?」「本当にゲームの音を良くしているの?」と疑問に思ったので、今回は評価の高い主要なゲーミングDACのオーディオ性能を比較したいと思います。またゲーミングDACのレビューはほとんどが2−3年前の内容からアップデートがされていません。最近はオーディオ機器が1−2万円でも安くて高性能なDACが出てきているので、それに対して主要なゲーミングDACの性能が出遅れていないかも注目です。比較をした結果としておすすめのゲーミングDACを選びたいと思います。

これまで2021年のSound Blaster GC7以降、ゲーミングDACの新機種が出ていませんでしたが、SteelSeriesのGameDac Gen2が発売が発表されました。7月26日から予約開始、8月5日に発売です。単体の販売はなく、Arctis Nova Pro(ヘッドセット)とセットでの販売のみです。Arctis Nova Proの有線モデルとのセットが最安値で、それでも3.8万円とかなり高価な商品となっています。しかしこれまでのゲーミングDACと比較して、過去の製品の全てを上回るハイスペックマシーンとなっています。このGameDac Gen2のスペックについて解説しますのでぜひ購入の検討材料にしてください。

はじめに


今回の記事ではゲーミングDACの主要製品を並べてスペックの比較していきます。これまでMixampとGameDac Gen1は購入しています。GameDac Gen1のレビューはこの記事でご紹介します。いずれはSound Blaster GC7、SteelSeries GameDac Gen2も購入してレビューしたいと考えています。

購入対象をSteelseries GameDac Gen1/Gen2とSound Blaster GC7だけで考えている理由は、Mixampを使ってわかりましたが、次のオーディオ性能の比較結果にも記載の通り、この3製品以外はゲーム用途においてもスペックが低すぎるので購入して実機を使うまでもないと考えているからです。

それでは実際にゲーミングDAC主要製品のオーディオ性能を比較した結果は以下の通りです。

  • Mixamp、GSX1000はPC、コントローラーにイヤホン直差しと変わらない
  • そもそもMixamp、GSX1000、G6は心臓部であるDACチップや詳細なスペックが公表されていない
  • Sound Blaster GC7に限ってはDACチップが公表されていて、オーディオ機器のDACでも使われる旭化成製のチップが搭載されていて最低限のクオリティは担保されている
  • SteelseriesのGameDac Gen1/Gen2はDACチップ(ESS製)、サンプルレートに加えて、S/N比、THD + Nの数値が公表されていてスペックは良い
  • SteelseriesのGameDac Gen1/Gen2とSound Blaster GC7はゲーミングDACとしておすすめできる
  • 特に新しく発売されたSteelseriesのGameDac Gen2は現役のオーディオ機器にも匹敵する性能で、これまで発売しているゲーミングDACの全てを上回るハイスペックマシーン

今回焦点を当てているDACチップはゲーミングDACの心臓と言えるものです。このDACチップがゲームの音をより正確にヘッドホンなどに出力する大事な役割を担っています。そのためゲーミングDACのオーディオ性能はこのDACチップでほぼ決まっていると言っても過言ではありません。オーディオ性能を決めることになるのでオーディオ機器のDACはこのDACチップを必ず公表しています。一方でゲーミングDACであるMixampやGSX1000、Sound BlasterX G6はDACチップを公表していない上に、その音質の指標も公表していません。対してSound Blaster GC7とSteelseriesのGameDac Gen1/Gen2はDACチップが公表され、そのDACチップも価格相応のチップが搭載されています。さらにSteelseriesのGameDac Gen1/Gen2はサンプルレート以外のスペックをちゃんと公表しています。このことからSound Blaster GC7とSteelseriesのGameDac Gen1/Gen2はゲーミングDACとしておすすめできます。

なおこの後解説する2022年8月5日発売のSteelSeriesのGameDac Gen2はESS社チップを搭載し、これまで発売しているすべてのゲーミングDAC製品よりもかなりハイスペックです。

今回ゲーミングDACに加えて、参考までにオーディオ機器のDACのオーディオ性能も載せておきます。最近、パソコンでゲームする際にはFiiO KA3に4.4mmバランス出力のイヤホンを使ってApexをやっています。この方法だと音がとてもクリアで定位感も抜群なので足音も捉えやすいです。バランス出力(左右独立した出力)は今回の比較ではややチートみたいな方法ですが、高価な製品でもないのでこちらは今度詳しくご紹介します。

GameDac Gen1レビュー

まず今回のスペック比較において、新たに発売されたGen2を除いて最も優れた製品であるGameDac Gen1のレビューからです。使ってみた感想としてはスペック比較の結果と同じで「いいじゃん」と思いました。その理由はApexをやってみたところ、このDACはゲーム専用にチューニングされているために、中低音域=足音が強調されている仕様になっているからです。これはハイレゾモードにしてゲームを行うと特に顕著に出てきます。ただし、高い音の解像度が低いため、銃撃音などの高い音は耳がキーンとし、違和感のある音がします。この音の感じは足音を強調するイコライザー設定に似た音の傾向で、GameDac Gen1は足音を聴きやすくするためにかなり特殊なチューニングをしていると見られます。この中低音域=足音の聴こえやすさやクリアさはMixampにはありませんでした。そのためもしゲーミングDACを検討する場合にはAstro Mixampと同価格であるGameDac Gen1をおすすめします。

もしマイク入力が不要であればオーディオ機器のDACをおすすめします。これはチューニングよってに音のバランスに違和感があるからです。足音がはっきり聴こえるようになりますが、FPSゲーム以外ではこれは違和感のある音となります。例えばRPGなどではBGMも重要なため、バランス良い音の表現が必要です。オーディオ機器のDACであればバランス良く音の解像度が高いので、FPSの時は足音がはっきり聴こえ、RPGなどのゲームでは違和感のない正確なゲームの音を聴くことができます。そのためFPSゲーム以外、マイク入力不要であればオーディオ機器のDACの方がおすすめできます。

GameDac実機

GameDac Gen2 発売日とスペックについて

次に今回の主要製品の中で最もオーディオ性能が優れているGameDac Gen2 のスペック解説です。SteelSeriesからGameDac Gen1の後継機種として、GameDac Gen2 が発売されました。2022年7月26日から予約開始で、8月5日に発売開始です。価格はArctis Nova Pro(ヘッドセット)とのセット販売となっており、Arctis Nova Proワイヤード(有線)モデルとのセットで定価が約3.8万円とかなり高価になっています。

改良点はもちろん心臓部であるDACチップです。GameDac Gen1のES9018からES9218PQ40と大きくバージョンアップしています。ES9218はESS社の一世代前のDACチップで最新とは言えないまでも、今も現役のオーディオ機器に使われているDACチップです。そのためSteelSeriesが公表するサンプルレートやノイズ関連の数値はオーディオ機器に匹敵するスペックとなっています。

具体的にはこれまでハイレゾモードのみに限定されていたサンプルレート最大96khz/24bitが通常適用されます。またノイズ関連ではS/N比が111dBで、THD + Nはおそらく0.001%未満です。サンプルレートはオーディオ機器に比べると劣後しますが、ノイズ関連の数値はかなり優秀です。おそらくコンソール機が高いサンプルレートに対応していないことから、サンプルレートがGen1と変更していないと見られます。また今回のDACチップの型番から推測するとSteelSeriesのGameDac Gen2 用にカスタマイズされていると見られ、GameDac Gen1のレビューで記載したとおり、足音が聞こえやすくなるなどのゲーム向けの独自のチューニングがされていると思います。そのためこれまでのゲーミングDACを亡き者にするほどのハイスペックマシーンの可能性があります。

また端子関連では、製品写真を見るとこれまでSteelSeries独自のヘッドセット端子になっていましたが、3.5mmミニプラグ端子に変更されたようです。そのためGen1と違い、変換プラグなしで普段のヘッドセットも使えるようになります。これは嬉しい改良ポイントですね。またUSBタイプC端子が2つ搭載されていて、PCとPlayStationの2つに同時接続が可能とのことです。これにより同時接続でPCとPlayStaitonの音声混ぜることができるのであれば、ユニークな機能で唯一無二になると思います。即座に切り替えだけできるでも十分便利だと思います。あとはラインのIn/Out端子が搭載されています。ここは光デジタルなどのデジタル出力を搭載して欲しかったですね。

ゲーミングDACのオーディオ性能比較

それでは本題の主要ゲーミングDACのオーディオ性能比較表です。それぞれの数値で、THD + Nは低い方が良く、サンプルレート、S/N比は高い方が良いです。DACチップは一般的にESS(ES)、旭化成(AK)が有名でオーディオ機器でもこの2社のDACチップが多く使われています。オーディオ機器のDACと比較してもSteelseries GameDac Gen1/Gen2がかなり健闘していることがわかります。加えてゲーム用にマイク入力やミキシングができるので、Gen2の発売により価格の下がったGameDac Gen1は特にコスパが良さそうです。またSound Blaster GC7に搭載されているDACチップ(AK4377)も少し古いものですが、オーディオ機器に使われていたDACチップです。新たに発売されたGameDac Gen2はGen1に搭載されているES9018のさらに上位の後継チップ(2世代分)であるES9218が搭載されており、これはAK4377よりも性能値が高いです。

それ以外のMixampなどの3つのゲーミングDACはDACチップが公表されておらず、Mixamp、GSX1000に限ってはオーディオ性能の数値(サンプルレート)が低すぎます。マイク入力がついていますが、その音質も最低レベルなのでコントローラー直差しと変わらないと思います。Mixampは実機を使って実際にそう思います。

※画像はAmazonリンクにしています。気になる方はチェックしてください。

①-1 SteelSeries GameDac Gen1

GameDac実機
価格(投稿時点)14,345円
DACチップES9018
サンプルレート最大96khz/24bit
THD + N0.0032%未満
S/N比109dB

①-2 SteelSeries GameDac Gen2

価格(投稿時点)34,980円
DACチップESS SabreQuad-DAC
(ES9218PQ40)
サンプルレート最大96khz/24bit
THD+N(おそらく0.001%未満)
S/N比111dB

②Sound Blaster GC7

GC7
価格(投稿時点)18,800円
DACチップAK4377
サンプルレート最大192kHz/24bit
THD + N公表なし
S/N比公表なし

③Sound BlasterX G6

g6
価格(投稿時点)17,500円
DACチップ公表なし
サンプルレート最大384khz/32bit
THD + N公表なし
S/N比公表なし

④EPOS×Sennheiser GSX 1000

価格(投稿時点)27,997円
DACチップ公表なし(特製との表記)
サンプルレート最大96khz/24bit
(チャット16khz/16bit)
THD + N0.005%未満
S/N比公表なし

⑤Astro Mixamp Pro

Astro Mixamp真上画像
価格(投稿時点)14,318円
DACチップ公表なし
サンプルレート48khz/16bit
(チャット16khz/16bit)
THD + N公表なし
S/N比公表なし

オーディオDAC(参考比較)

①FiiO KA3

KA3
価格(投稿時点)15,976円
DACチップES9038Q2M
サンプルレート最大768kHz/32bit
THD + N0.0008%未満
S/N比122dB

②FiiO BTA30pro

BTA30pro外観2
価格(投稿時点)19,800円
DACチップES9038Q2M
サンプルレート最大384kHz/32bit
THD + N0.0008%未満
S/N比118dB

最後に

主要なゲーミングDACのオーディオ性能を比較をしてきました。また最後には基準としてオーディオ機器のDACのスペックとも比較してみました。結論としてはゲーミングDACを検討しているのであればSteelseries GameDac Gen1/Gen2かSound Blaster GC7が良いです。それ以外は価格に見合った価値が本当にあるのか不明で、特にMixamp、GSX1000は価格が高すぎると思います。予算別で見れば1万円台でSteelseries GameDac Gen1の一択です。予算があればSteelseries GameDac Gen2が最もおすすめできます。もしゲーム以外の用途でも使いたいと考えているのであればFiiO KA3、BTA30proといったオーディオDACを検討するのが良いです。BTA30ProはPS5にも対応しています。

今回GameDac Gen2が登場したことでGameDac Gen1が1.4万円近くで手に入るようになったことも、他のゲーミングDACの検討の余地をなくしました。エントリーはGameDac Gen1、ハイエンドがGameDac Gen2というイメージで検討されると良いと思います。繰り返しですが、予算が許すのであればGameDac Gen2が最もおすすめです。

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