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FiiO K7 実機レビュー(発売日、スペック等の最新情報も)

Fiio k7 レビュー

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今回購入したのはFIIO K7です。この記事ではFIIO K7の概要、仕様などの詳細な解説、K5、K9との比較など詳しくレビューを行っていきます。ちなみにこのFIIO K7は9月に開催された秋のヘッドホン祭にて、初めて試聴した第一印象で必ず買うと決めていたくらい発売を待ちに待った製品です。

tipsFIIO K7は3.5万円という価格で、FIIOのフラグシップのK9PROやM17などに採用されているオーディオアーキテクチャー、THX-AAA788+アンプを搭載し、DACチップにはAKM4493SEQが採用されました。まさにK5PROの正統進化となったデスクトップ型アンプです。
追加情報:K7には赤色バージョンとBT搭載バージョンの2種類が新たに発売となりました。BT搭載バージョンについてはこちらの記事(記事リンク)をご覧ください。BT搭載バージョンについては基本的な性能や機能は同じで、シンプルにBT受信機能が追加されたのみとなります。赤色バージョンは米国ユーザーからのニーズにより発売となったようです。
K7
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初めに:FIIOについて

FIIOを初めて耳にする方向けに公式の会社概要を以下の通り、意訳して抜粋します。すでにご存知の方は読み飛ばしてください。なお、社名の表記が「FiiO」から「FIIO」に変更されました。

FIIOは2007年に中国で設立されたオーディオメーカーです。デジタルオーディオプレイヤー(DAP)、イヤホン、多種多様なポータブルオーディオ製品を自社で研究開発、生産し、グローバルに販売をしています。ブランド名である「FIIO」は、Fi (Fidelity) と iO (1 and 0)に由来し、デジタルが生活に与えるよりリアルな体験とより便利な生活を意味しています。また中国語では「飞傲」と表記し、これは「FIIO」の音訳であり、春のような活気と青空に飛び立つ積極的な進歩と常に革新を続ける企業精神を象徴しています。FIIOはユーザーの声を非常に重視し、製品設計を絶えず改善し、消費者により多くの良質で高付加価値の製品を提供するための努力をしています。

FIIOのビジョン:中国製の評価を高める
FIIOのブランド精神:オーディオは無限である

FIIOのビジネスは「オーディオ」に関する製品やサービスを提供することで、無限の楽しみのある「オーディオエコシステム」を構築することです。FIIOは高品質なオーディオデバイスを販売するだけでなく、FIIOが提供する製品やサービスを通じて、ユーザーに喜びを感じてもらうように努力をしています。

https://www.fiio.com/About_FiiO

海外メーカーというとサポート面を不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。中国FIIOへ直接問い合わせをしたこともあり、対応はとても良いです。日本メーカーのようにその場でサポートということは難しいかもしれませんが、真摯に対応してくれるメーカーですので安心してご検討ください。さらにFIIOはWeiboという中国SNS上で担当者が日々、ユーザーと意見交換をしています。また製品開発過程においてアンケートも実施していて、ユーザーに寄り添った製品開発を行なっています。

FIIO K7 発売日・価格

発売日:2022年11月18日  価格:35,750円前後

販売ページ:Amazon eイヤホン / Yahoo!ショッピング

日本の発売日は2022年11月18日、価格は35,750円前後(中国1,539元)。日本と中国での価格差も小さく、さらにこの価格でFIIOフラグシップK9などに採用されるフルバランス構成、THX-AAA788+アンプを搭載しています。またこれまでのK5PROやK9PROは非常に人気があり、在庫切れも多く、今回FIIO K7は3.5万円と海外小売価格と近いコストパフォーマンスも高さを持つことから初期ロットは売り切れる可能性が高いと思います。

概要

FIIO K7はミドルレンジのデスクトップ型DAC/アンプです。このKシリーズにはK3、K5PRO、K9/PROあります。このFIIO K7は型番の通り、K5PROとK9の間に位置します。K7のDACチップにはK5PRO搭載のAKM4493EQのアップグレード版であるAKM4493SEQが採用されました。そしてアンプにはK9シリーズやM17で採用のTHX AAA 788+アンプを搭載しています。内部はK9PROにも採用されるバランス回路に再設計され、6.35mmに加えて、4.4mmバランスが追加となりました。このようにFIIO K7の外観はK5PROのコンパクトさを維持しながら、中身はFIIOフラグシップのK9シリーズに近いアーキテクチャーを持ち、さらにFIIOのフラグシップ以外では初めてTHX AAA788+アンプが搭載されたDAC/アンプとなります。ここまで聞くと価格が高いのでは?と思ってしまいますが、FIIO K7は3.5万円と非常にコストパフォーマンスの優れたデスクトップ型(据え置き)のDAC/アンプです。

FIIO K7の主な特徴

  • FIIOハイエンドのデスクトップ型DAC/アンプやDAPに標準搭載されているバランス回路を採用(K7シリーズとK9シリーズの回路構成は同じ)
  • デュアルDACはシングルエンド、バランス出力のいずれでも動作するため、より良い音質を獲得
  • USBデコードではXMOS XUF208チップを採用
  • 現在の最高性能を誇るTHX AAA 788+アンプを2基搭載
  • DACはAK4493SEQをデュアルで搭載
  • 12Vスイッチング電源を採用
  • K7はK9シリーズの操作方法を踏襲し、ボタンを押すと入力信号が切り替わり、2段階スイッチでゲインレベルが切り替え可能
  • 入力はUSB、光、同軸、RCA、出力は6.35mm、4.4mm、RCAを搭載
  • バランス出力のSNRは120dB以上
  • 重量は610g

同梱物

K7 同梱物
FiiO K7 同梱物一覧

FIIO K7の同梱物は次のとおりです。すぐに使用するための必要な付属品が揃っています。

  • FIIO K7本体
  • ACアダプター(ミッキー型)
  • 電源ケーブル(2ピンコンセント+外出しのアース線)
  • USBケーブル タイプA to B
  • 3.5mm to 6.35mm変換アダプター
  • 説明書並行

国内版を購入すると一般的な2ピンコンセントですが、並行輸入版では中国式プラグとなりますのでご注意ください。K5PROとほぼ同じ付属品のラインナップです。ちなみに電源ケーブルはミッキー型です。なお、K7などスイッチング電源が分離され、ACアダプターを使用する製品はFIIOが発売するPL50(日本未発売・PSEなし)という外部電源を接続することができます。この外部電源を使用することで、K7の音質はさらに向上しますので、気になる方はチェックしてみてください。

FIIO K7のACアダプターについて

K7 K5アダプターとの比較
上:K7 ACアダプター 下:K5 ACアダプター

FIIO K7のACアダプターは12V/2Aで、K5のACアダプターからV/Aともに変更となりました。そのためこの二つに互換性はありません。そしてFIIO K7のACアダプターはK5PROのACアダプターより重さが倍近くになっており、約140gありました。

サイズ・仕様

サイズ

FIIO K7本体のサイズは幅12.0cm x 奥行き16.8cm(端子・ノブ含む) x 高さ5.5cmです。

仕様

まずフロントパネルです。

フロントパネル

FIIO K7のフロントパネルには次のファンクションが搭載されています。

  • INPUT(入力先)選択のボタン
  • 選択先が点灯するLED
  • Gain切り替えのトグルスイッチ(2段階)
  • 音量ダイヤル(電源ON/OFF兼用)
  • 6.35mm
  • 4.4mm

同梱物に記載の通り、3.5mmを6.35mmに変換するアダプターが付属しますので、通常の3.5mmミニジャックを接続したい際にはそのアダプターを使用します。

次にリアパネルです。

K7

FIIO K7のリアパネルのファンクションは次のとおりです。

  • DCプラグ(12V)
  • USB(タイプB)入力
  • OPTICAL(SPDIF/光)入力
  • COAXIAL(同軸)入力
  • RCA入力+RCA出力

FIIO K7の付属品はUSBケーブルのタイプA to Bのみとなります。そのため例えばPCやスマートホンとタイプCでの接続をしたい場合には別途、USBタイプC to Bケーブルの購入が必要となります。また同じFIIO製品で、BTA30ProというBluetoothトランスミッター兼レシーバーのDACとはOPTICAL(SPDIF/光)、COAXIAL(同軸)、RCAで接続でき、BTA30ProをBluetoothハブとして使用することでワイヤレスでK7から出力することも可能になります。その他、COAXIAL(同軸)ではddhifiのTC100-COAのようなUSB タイプCへの変換を利用してスマートホンと接続することもできます。ただし、同軸やOPITCAL入力を利用する場合はサンプルレート上限がUSBより低くなりますのでご注意ください。

外観、操作性などのレビュー

FIIO K7は操作性がK5PROから大きく改善し、かなり扱いやすくになりました。まず入力切替をボタンで選択でき、選択中の入力先のLEDランプが点灯します。これにFIIO K7では入力先を視認しやすくなりました。さらにFiiO K7は出力先(PO、PRE、LO)を選ぶことができます。K5PROでは出力が選べず、POとLOが同時出力でしたので、これは嬉しい改善です。一方でK7のゲインはHighかLowの2段階(K5PROでは3段階)となりました。

次に接続端子ではフルバランス回路となったことで4.4mmバランスが搭載されました。これによりバランス接続が可能となりました。K5PROでは6.35mmのアンバランスのみで、バランス接続に変更したイヤホン/ヘッドホンは変換アダプターを用意する必要があり、またアンバランスとバランスでそれぞれ変換アダプターを使い分ける必要もありました。しかし、FIIO K7では4.4mmのバランス接続が可能となったので、3.5、4.4のどちらのイヤホン、ヘッドホンを利用する場合でも扱いやすい製品となりました。

サウンドレビュー(K9 PRO ESSとの比較など)

FIIO K7のサウンドに関するレビューです。私はこれまでデスクトップ型DAC/アンプはK5PRO(AKM版)を持っていましたので、K5PROとの比較も含まれます。まず総合評価としてはK5Proの持つ良さを損なわずに、さらに洗練させたサウンドになっています。バランス感覚の優れたサウンドで、どこかの帯域が強調されるような味付けなく、無理せず、窮屈にならずゆったりとナチュラルに整ったサウンドになっています。そして洗練させたという点は明瞭感が増しています。そして新たに追加されたバランス接続では分離感も増して、様々な音楽と組み合わせて楽しむことができるようになりました。K5PROとの違いという面では低音の見通しが良くなり、押し出しも強くなったように感じました。これは単純に低音の量が増えたのではなく、K5PROに対して重心がしっかりしたという印象で低音の質感が確実に良くなっています。RCAのアナログライン入力で聴いてみたところ、この質感の良い低音を感じられたので、THX AAA788+アンプへグレードアップされたことによるメリットと見られます。以上の変化によりK5Proの時よりも万人受けしやすいサウンドになったと思います。もちろん据え置きらしい音場の広さや駆動力も魅力です。

K9 PRO ESSとの比較

FIIO K7とK9 PRO ESSとの比較です。初めに元も子もないですが、FIIO K7とは比較が難しいです。理由は価格があまりに離れすぎており、その価格相応の明らかな差があったからです。FIIO K9 PRO ESSはやはりFIIOフラグシップの据え置きとして音場の広大さ、余裕さ、余韻、全てにおいて素晴らしかったです。ただ一方で、高域がきつかったです。刺さるまではなかったのですが、個人的には窮屈に感じました。出力ではまさに据え置きという感じで非常にパワフルでした。一方で、K9 PRO ESSと聴き比べたことで、FIIO K7を選ぶ理由も見えてきました。それはFIIO K7では高域がキツくなりにくいです。またパワーはありつつも、ヘッドホンだけでなく、イヤホンでも楽しみやすい出力レンジにもいます。このことからイヤホンがメインで家では据え置きを使いたい、高域の刺さりが苦手という方にはK7はピッタリだと思います。他方で、鳴らしにくいヘッドホンを持っている、本格的な据え置き環境を指向する方、また高域のきつさが気にならない方はFIIO K9 PRO ESSが間違いない選択肢です。また価格面ではFIIO K9 PRO ESSが約14万円に対して、FIIO K7が3.5万円ですから、K7の価格はライト・エントリー機としても優れています。それぞれ比較するというよりも用途や予算、好みに合わせて選ぶことをおすすめします。

Q7との比較など

FIIO Q7が11月25日に日本発売が決定しました。価格は134,750円前後です。FIIO Q7はM17のDAP機能を省いた純粋なDAC/アンプとした製品となります。この製品はポータブル向けの用途も想定されていることから、どちらかといえばM17やM11 PlusなどのDAP、価格面ではK9 PROと競合する製品となります。Q7のメリットはDAPの機能を省いたことで価格もスペックに対してリーズナブルとなっていること、DCモードを搭載していることで出力性能は据え置きに近い性能を持っていることです。価格面や機能、サウンドではハイエンドに位置するため、K9シリーズを検討している方で、ポータブルの用途(家の中での移動も含む)も想定している方にぴったりの製品となります。外への持ち出しは難しいものの、家の中ではある程度、自由に動かせる点も据え置きにはない魅力の一つです。

デメリット

その他、FIIO K7のちょっとした弱点として2点あります。1点目がGain切り替えについてです。ハイゲイン、ローゲインの差がほぼありません。前述した通り、イヤホンでも問題ありませんが、バランス接続時はかなり小さめの音量にはできません。2点目は感度の高いイヤホン使用時のホワイトノイズです。これは出力性能がポータブル専用の製品よりも大きいことに起因します。多くのイヤホンでは問題ありませんが、特定の感度が高いイヤホンではホワイトノイズが聴こえることがあります。この2つの弱点を解決する手段としてアッテネーターを購入しておくとノイズレスにできますので安心です。なお、アッテネーターとは内部に抵抗を搭載することで、出力を減衰させるものです。

K7のデメリットを解決するアイテム

すでに前述の内容で解説していますので改めての説明は省きますが、以下のアイテムを用意しておくとK7をより便利に、汎用的に使用することができます。★マークは優先度高いものです。
①USBケーブル タイプC to B  ★
②アッテネーター(イヤホンメインの方 / 3.5mmアンバランスメインの方は不要) ★
③同軸ケーブル(タイプCとの変換タイプや3.5mm4極変換タイプなど再生機に合わせて選択)
④RCAケーブル(付属がないため)

以上です。

販売ページ:Amazon eイヤホン / Yahoo!ショッピング

最後に

同じデスクトップDAC/アンプの新製品として、2023年2月3日にK9無印版(標準機、PROに対してローエンド版)の発売されました。このK9は12月17日、18日開催のポタフェスで参考展示もされていました。FIIO K9はESS9068AS+THX-AAA788+アンプの構成です。このことからFIIO K7は唯一のフルバランス構成のAKMチップ版デスクトップDAC/アンプとなります。K9のサウンド面は試聴した印象では、端的に言えばM11 Plus ESSのサウンに据え置きらしい音場の広さや余裕さを追加したサウンドでした。アンプ部もTHX AAA788+なので、よりクオリティは高く感じましたが、上位機に当たるFIIO K9PRO ESSに対しては力強さや解像度という面でマイルドになった印象です。FIIO K9無印版がリリースされることで、ラインナップはK5PROESS、K7、K9、K9PROESSとなり、3−14万円の価格に4つの製品が並ぶことから、予算別に検討が可能です。

その他のデスクトップ型DACアンプ製品の記事

(追加情報)FIIOからエントリークラスのデスクトップ型アンプK11が発売されました。併せて記事をご覧ください。

FIIO K11レビュー 〜コンパクトで機能が充実したエントリーモデル

EARL

EARLFIIOファン

PS5、FIIO、ポータブルオーディオを中心に情報・レビューを発信しています。 特にFIIO製品に関する情報は専門的かつ最新・最速を目指しています。そしてFIIOのイヤホンの全ておよび2022年以降の新製品のほとんどを購入し、レビューを行なっております。

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