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FiiO Q11 レビュー 新作ポータブルDAC/アンプ

FiiOからポータブルDAC/アンプの新製品「Q11」が2023年2月10日に発売されました。当ブログはもちろん予約して購入いたしましたので、発売日レビューをしていきたいと思います。今後も使い続けて、特徴や気になった点があれば更新していきます。ポイントをおさえてレビューしていきますのでぜひ最後までご覧ください。(追記)1週間ほど使用できたので、サウンド面のレビューを追加更新しました。

Q11
FiiO Q11

まず結論からです。FiiO Q11は目新しい機能があるわけではありませんが、その特徴はポータブルDAC/アンプとしては、かなり大きな出力性能を持つことです。その出力値はメーカー公表値で最大出力650mW(32Ω負荷時、バランス出力)とされています。これはFiiO ミドルクラスのQ3のバランス出力に対して2倍近くあります。そしてバランス時の再生時間も最大13時間とバッテリーライフも向上しています。

Pros
・コンパクトなサイズ感
・基板の透けるデザイン
・余裕のある駆動力
・黒い背景、無音時のホワイトノイズなし
・見通しのいいパワフルなサウンド
・中域に厚みがあり、中高域型のイヤホンやヘッドホンと特に相性がいい
・ヘッドホンとの相性も良い

Cons
・(現状)Q3やBTR7のような充電ロック機能なし
・角張ったデザインが傷が付きやすい可能性あり
・指紋のつきやすい筐体
・イヤホンなどの相性によって、やや平面的なサウンド、味気なさを感じる

初めに:FiiOについて

FiiOを初めて耳にする方向けに公式の会社概要を以下の通り、意訳して抜粋します。すでにご存知の方は読み飛ばしてください。

FiiOは2007年に中国で設立されたオーディオメーカーです。デジタルオーディオプレイヤー(DAP)、イヤホン、多種多様なポータブルオーディオ製品を自社で研究開発、生産し、グローバルに販売をしています。ブランド名である「FiiO」は、Fi (Fidelity) と iO (1 and 0)に由来し、デジタルが生活に与えるよりリアルな体験とより便利な生活を意味しています。また中国語では「飞傲」と表記し、これは「FiiO」の音訳であり、春のような活気と青空に飛び立つ積極的な進歩と常に革新を続ける企業精神を象徴しています。FiiOはユーザーの声を非常に重視し、製品設計を絶えず改善し、消費者により多くの良質で高付加価値の製品を提供するための努力をしています。

FiiOのビジョン:中国製の評価を高める
FiiOのブランド精神:オーディオは無限である

FiiOのビジネスは「オーディオ」に関する製品やサービスを提供することで、無限の楽しみのある「オーディオエコシステム」を構築することです。FiiOは高品質なオーディオデバイスを販売するだけでなく、FiiOが提供する製品やサービスを通じて、ユーザーに喜びを感じてもらうように努力をしています。

https://www.fiio.com/About_FiiO

私はPS5向けのDACを探しているときに初めてFiiOというメーカーを知り、FiiOのBTA30Proを買いました。この製品は音がいいだけではなく、ユーザーのかゆいところにも手が届くとても機能的な製品でした。それ以来、FiiOの大ファンになり、これまでFiiO製品を50製品以上購入し、イヤホンはほぼ全種類を保有しています。また海外メーカーですとサポート面が不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、中国FiiOへ問い合わせをしたこともあり、対応はとても良いです。日本メーカーのようにその場でサポートということは難しいかもしれませんが、真摯に対応してくれるメーカーですので安心してご検討ください。私自身はWeiboにも登録していて、WeiboではFiiOの社長が様々なユーザーと意見交換をしています。また製品開発過程においてアンケートも実施していて、ユーザーに寄り添った製品開発を実践しています。

FiiO Q11 概要

発売日:2023年2月10日 価格:14,850円前後

販売ページ:Amazonフジヤエービック

製品概要を解説しますが、細かなカタログスペックまでは記載いたしませんので、その点を知りたい方は下記FiiO Japanの製品ページを併せてご覧ください。一方で製品ページには記載のないFiiO Q11の世代やネーミングルールなどについてこの記事で解説しています。

FiiO Q11 製品ページ(FiiO Japan)

  • 新しいネーミングルールが適用された最初のQシリーズ(ポータブルDAC/アンプシリーズ)
  • Q1 mark Ⅱの後継機種で、エントリークラスに位置する
  • エントリーモデルとして5世代目の製品
  • 3.5/4.4mm端子を搭載
  • DACチップには「CS43198」を採用
  • 最大出力650mW(32Ω負荷時、バランス出力)の大出力
  • バランス再生時最大13時間とこれまでのQ1 mk ⅡやQ3に対して長いバッテリーライフ
  • アナログアンプ機能(ラインイン)がなくなった

FiiO Q11はQ1 mark Ⅱの後継機種となります。FiiOは2022年末ごろから製品のネーミングルールを変更しています。FiiO製品におけるネーミングルールは「アルファベット+数字①+数字②+バージョン」で構成されます。今回のQ11で解説をすると、アルファベットの「Q」が製品カテゴリー、数字①の「1」が世代、数字②の「1」がクラス、バージョン「なし」となりますので、Q11はQシリーズ(ポータブルDAC/アンプ)の第2世代以降のエントリークラスの製品となります。二桁目の「1」は世代を表し、初代のように見受けられますが、このネーミングルールが新しいため、製品名に二桁目の数字が付いている製品は、すべて第2世代以降の製品となります。そのため実はFiiO Q11の歴史は古く、2011年に発売したE7を皮切りに、E07K、Q1、Q1 mk ⅡとポータブルDAC/アンプの5代目にあたります。そして初めてアナログアンプ機能(ラインイン)がなくなり、純粋なDAC/アンプとなりました。DACチップにはシーラスロジック社の「CS43198」が採用されており、KA2が「CS43131」ですが、FiiO製品としては比較的珍しいDACチップです。そしてFiiO Q11の最も特徴的な機能というより性能として、最大出力650mW(32Ω負荷時、バランス出力)であることが挙げられます。これは先代のQ1 mark Ⅱはもちろん、2022年に発売されたQ3 MQA(2022モデル)と比較しても、2倍近い出力性能となります(アンバラス出力値はほぼ同じ、Q1 mark Ⅱ比ではアンバラス、バランスいずれも2倍近い)。また外観のデザインは2022年に発売したFiiO Q7などにも採用されているメカニカルデザインが採用されています。そして今回、基板が透けるデザインも採用されました。さらに外箱のデザインもこれまで黒を基調とした色から、ブルーとシルバーを基調としたデザインになりました。

FiiO Q11 同梱物

Q11 付属品
FiiO Q11同梱物

FiiO Q11の同梱物は一通り必要なものがすべて入っています。Q11の本体、Type-C to Lightningケーブル(10cm)、Type-C to Cケーブル(10cm)、Type-A to Cケーブル(1m)、ポータブルアンプ固定用のX型のシリコンバンドとシート、説明書、保証書です。LT-LT1 のような短いLightningケーブルが入っていますので、iPhoneと利用する場合でも追加のケーブルを購入する必要はありません。また今回KシリーズのようにA to Cケーブルも同梱されていますので、PCとの接続時のケーブルも追加購入する必要がありません。またシリコンバンドはX型となりますので、この点だけ苦手な方はリング状のラバーバンドを自身で用意する必要があります。引き続き、エントリー機種においても充実した付属品となっています。

FiiO Q11 使用感レビュー

まずFiiO Q11のデザインは、Q7などにも採用されているメカニカルデザインはエントリー機といっても安っぽさを感じさせず良いです。また基板が透けるデザインもオーディオファンの心をくすぐるデザインです。一方で、黒のアルミ筐体、透けるガラスは非常に指紋がつきやすいです。アルミ筐体の質感はQ1 mark ⅡやQ3と同じように見受けられます。また角張ったデザインとなったことでQ1 mark Ⅱ、Q3の丸みのある筐体に対して、より厚みがあるように感じました。傷が付きやすそうな点も少し気になりました。そのため早くレザーケースが欲しいですね。

次にFiiO Q11のサイズ感はコンパクトで邪魔になりにくいです。重さもドングルと比べると重くなりますが、mojo2といったポータブルDAC/アンプと比べれば半分程度の重さであまり気になりません。FiiO製品とのサイズ比較では現在手元にFiiO Q1 mark ⅡとQ3がないため、実際に比較をすることができませんがメーカー公表値では3つともほぼ同じサイズ感となります。そのため従来からFiiO Q1 mark ⅡとQ3を使用したことがある方は違和感なく、運用できます。また手持ちの機種と比較してみたものが下の画像です。

Q11 サイズ感1

SONYのNW-A306とXperia Ace Ⅲと比較してみました。FiiO Q11とSONY NW-A306はほぼ同じ大きさです。厚さを比較できる写真も撮ってみました。

Q11 サイズ感2

高さもボリュームノブがはみ出る程度で、厚みもほぼ同じです。そのためNW-A306をFiiO Q11の親機として重ねると、非常に親和性の高いフィット感になり、持ち運びが便利と感じました。元々、小型DAPにDACを接続する形で運用をしているため、FiiO Q11はこれからSONY NW-A306と組み合わせて使うことになりそうです。ただし、ジャストサイズの二つを重ねて使う場合はX字型のシリコンバンドでの固定は難しいため、別途リング状のラバーバンドが必要になりそうです。

次にバッテリー面です。FiiO Q11側のバッテリーは残量が見られないため、もう少し長期間使ってみて確認をしていきたいと思います。この記事では接続元となる親機側のバッテリー状態についてです。現在確認中ですが、FiiO Q11とSONY NW-A306を接続するとA306が給電を行ってしまいます。これはA306側の原因があるものの、接続先の親機を選んでしまうため、物理スイッチはなくてもQ3やBTR7についているような充電ロック機能をFiiOコントロールアプリで今後設定できると嬉しいです。この点はAmazonで電流チェッカーを注文しましたのでまた詳しく調べてみます。

(追記)Twitterにてアドバイスをいただきまして、2点情報を更新です。まず一つ目は、NW-A306側の挙動として、接続するUSB機器に強制的に給電してしまうということです。このため上記の点はNW-A306のような強制的に給電してしまう親機を使う場合に限っての挙動です。そして二つ目は関連して、Q11の付属品のケーブル(Type C to C)では強制給電はありませんでした。そのため強制的に給電してしまう親機であっても、付属品のケーブルを利用することで親機側のバッテリー消費を防ぐことができます。また付属品の他、電流チェッカーで調べたところ、L字型プラグでddhifiのTC05も給電はありませんでした。一方でFiiO 別売りのLT-TC3は給電してしまいました。

最後に設定とRGBインジゲーターについてです。このFiiO Q11はQ1 mark ⅡやQ3と異なり、FiiO Controlアプリで設定が可能です。設定方法は接続元の親機にFiiO Controlアプリをインストールし、FiiO Q11の電源をONにした状態で、アプリから設定を行います。そしてアプリで設定した内容は、アプリ切断後もその設定は引き継がれるものと見られます。下の画像はFiiO Q11を接続した状態の、FiiO Controlアプリの設定画面です。

Q11 アプリ画面1
FiiO Q11設定画面①
Q11 アプリ画面2
FiiO Q11設定画面②

FiiO Controlアプリ内で、FiiO Q11で設定できるのは、2月10日発売日時点で、SPDIF出力のON/OFF、RGBインジゲーターの種類(常にOFFか、デバイス接続時のみ、常にONの3つ)、デジタルフィルターの3つの設定です。デフォルトの状態ではスイッチを入れた状態で青く光りますので、RGBインジゲーターは常にON(always)の設定になっているものと見られます。RGBインジゲーターについてです。下の画像をまずご覧ください。

Q11 RGB2
48khz以下は青色
Q11 RGB1
48khz超は黄色

基板から透けるLEDがRGBインジゲーターとなっており、これはサンプルレートに応じて色が変化します。色のパターンは3種類で、青、黄、緑の3色です。青色は48kHz以下、黄色は48kHz超、緑色はDSDとなります。写真で見た通り、そこまで光は強くないので、明るい場所では気になるほどでもなく、適度な明るさとなっています。

FiiO Q11 サウンドレビュー

レビュー環境は再生元(親機):SONY NW-A306 / 音源:ストリーミング、ローカルファイルで国内10数曲 / イヤホン:VE4.2、FiiO FH7S、FH15、ヘッドホン:THIEAUDIO Ghostという構成です。ホワイトノイズの確認は高感度のVE4.2で行っています。またすべて3.5mmのシングルエンドのみで聴いています。発売初日ですが、朝からずっと聴いてみましたので5−6時間程度のレビューです。

Q11サムネ2

まず相対評価でのクオリティ面からです。最初からクオリティ面の比較というのも現金な話ですが、1.5万円でポータブルDAC/アンプというと非常に選択肢が多く、ドングル型のDAC/アンプも比較対象に入ってくるからです。その上でまず直近で利用経験のある中での記憶ベースの比較となりますが、1万円のiBasso DC03Proに対して、分解能や音場の余裕で大きく引き離しています。FiiO Q11は大きさという基板設計上の余裕があることから、当たり前かもしれませんが、近い価格帯(1万円前後)のドングル型のDAC/アンプに対しては優位です。次に私の手元にある中では、Luxury & PrecisionのW2-131があります。同じDACチップが使われていることや先ほどの基板設計上の余裕があることもあって、W2-131と近しいと感じます。その差はよくよく聴くことが必要です。イヤホンを使ってしっかりと比較するとW2−131に対して、全体的に表現力の面で下回っています。FiiO Q11はやや平面的なサウンドになっていてます。端的に言えば味気なく、少し粗さが見えます。W2-131の方がより立体的なサウンドで、低音も深く沈み込み、空間表現が優れています。また高域もより丁寧です。

次に絶対的なサウンド評価です。最初に確かめたのが無音時のホワイトノイズで、VE4.2を使用して親機と接続した状態で、ボリュームをMAX、ハイゲインもしてみましたが、ホワイトノイズは一切聴こえませんでした。もちろん接続するスマートホンとの相性によっては出る可能性もありますが、FiiO Q11単体としてのノイズレスは好感度が高いです。最初に聴いたインプレッションとしても黒い背景から立ち上がる音を感じ取ることができました。ただし、FiiOのQシリーズやKAシリーズのDACではよくあることなのですが、接続時や曲切り替え時のポップノイズはいまだに存在しています。これは少し残念でした。サウンドの印象は平面的で、乾いたサウンドです。見晴らしがよく、鳴らし方に余裕があります。悪く言えば、先ほどの述べた通り、平面的で味気がないと感じる方もいそうです。見晴らしの良さは音が平原に広がっていくイメージです。さらに非常にクリーンなのでそこには当たりどころはなく、どのイヤホン、ヘッドホンと合わせても違和感がありません。スペック上の特徴で高出力ということを謳っていますので、バランス接続、低感度、高インピーダンスではないものの、THIEAUDIO Ghost(開放型ヘッドホン)でも聴いてみました。するとイヤホンより明確に相性がいいように感じます。イヤホンでは平面的に感じてしまったところも、ヘッドホンがその部分を補って、むしろ駆動力の余裕によって、見通しの良さや音場の広さが全面的に押し出されます。そのためFiiO Q11は重箱の隅を突いてしまうようなイヤホンよりも、駆動力の必要なイヤホンやヘッドホンに標準を合わせているように感じました。もちろん平面的でクセがないため、イヤホンやヘッドホンを選びませんが、より楽しく聴くことができるのは駆動力の必要なイヤホンやヘッドホンだと思います。平面駆動型やヘッドホンと合わせることでFiiO Q11の弱点を補いながら、長所を生かした相性の良いサウンドになりそうです。

(追記)1週間使用したレビューです。発売日は正確なレビューを行うために、どちらかといえばモニターよりでニュートラルなサウンド傾向のあるイヤホンでQ11を聴いていました。その後、私が普段からよく使っているG4イヤホンのARAYA +DNA1というイヤホンで使う機会が増えてきたので、主にそのレビューの追加です。引き続き、ヘッドホンとの相性の良さもありつつ、鳴らしやすいイヤホンの中でも中高域より、どちらかといえばボーカルを聴かせてくれるようなイヤホンとの相性が良いことにも気がつきました。これはFiiO Q11が平面的(ニュートラル)なサウンドのなかにもやや中域に厚みがあることが背景にあると思います。そのためJ-Popなどでボーカルを聴く曲に合うイヤホンとの相性もいいので、そういうイヤホンをお持ちの方もぜひ試聴してみてください。

以上、FiiO Q11のレビューでした。

販売ページ:Amazonフジヤエービック

パワーこそすべてという方にはぜひ一度試してみてよいポータブルアンプかもしれません。ぜひ試聴時はお気に入りのヘッドホンをもって試聴に行ってみてください。(追記)ボーカルを聴けせるイヤホンとの組み合わせもおすすめです!FiiOのQシリーズとしては2023年はQ11だけでなく、Q13、Q15とQ3、Q5の後継機種も発売されます。そのため焦らない方はそれらが発売されるまで今年いっぱい様子見して検討しても良いと思います。ただしQ15発売以降、1年間(2024年中)のQシリーズの新製品はないため、これだと思ったらすぐに購入した方がより長く楽しめるということもあります。FiiOの2023年新製品について気になる方は下記記事をご覧ください。

FiiO 2023年新製品情報 *随時更新

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