FIIO BTR17が日本では2024年12月6日に発売となりました。製品概要およびレビュー情報を日本語でまとめていきます。
FIIO BTR17の販売情報
発売日:2024年12月6日(中国11月5日) 価格:35,750円(1299元)
FIIO BTR17は1299元とBTチップやDACチップなどメインのコンポーネントが全てアップデートされましたが、価格は据え置きとなりました。日本価格も若干割高ですが、BTR7と同じ3.5万円前後になることが予想されます。(追記)日本の価格もBTR7から据え置きとなりました。
FIIO BTR17のスペック
FIIO BTR17とBTR7との比較です。
BTR17 | BTR7 | |
BTバージョン | 5.4 | 5.1 |
BTチップ | QCC5181 | QCC5124 |
DAC | ES9069x2 | ES9219C×2 |
アンプ | THX AAA 78+ x2 | THX AAA 28 x2 |
USBチップ | Xmos Xu316 | Xmos Xuf208 |
BTコーデック | SBC,AAC,aptX,aptX HD, aptX Adaptive, aptX Lossless, LDAC | SBC,AAC,aptX, aptX Low Latency,aptX HD, aptX Adaptive, LDAC |
最大サンプルレート | 768k/32bitDSD 512 | 384k/32bitDSD 256 |
ディスプレイ | 1.3インチIPS | 1.3インチIPS |
外观 | レザー+ アルミニウム合金 | ガラス+ アルミニウム合金 |
DAC モード | BT/PHONE/DAC切替式 | 対応(USB接続で自動判定) |
デスクトップモード | 対応 | NA |
UAC | 2.0/1.0 | 2.0/1.0 |
アプリ | 対応 | 対応 |
マイク入力 | 対応 | 対応 |
MQA | 対応 | 対応 |
無線 充電 | NA | 対応 |
出力@32Ω | BAL:650mW シングルエンド:280mW | BAL:320mW シングルエンド:165mW |
ノイズフロア | PO≦3uV BAL≦2.2uV( A计权) | PO≦3uV BAL≦5.5uV( A计权) |
THD+N | 126dB | 118dB |
USB端子 | Type C | Type C |
電池容量 | 1200mAh | 880mAh |
最大再生時間 | BAL:8H PO:9H | 9H |
充電時間 | 2時間 | 1.5時間 |
サイズ | 86.6×41.2×16.3mm | 83.6×39.6×14.2mm |
ケース | レザー+ フリップ | レザー |
重量 | 73.4g | 68g |
FIIO BTR17の製品概要
Bluetooth DACの新世代
FIIO BTR17はQualcommの最新フラッグシップBluetoothチップ「QCC5181」を搭載し、LE Audio規格に対応することで、最大2.1Mbpsの帯域幅での伝送が可能です。aptX AdaptiveのLossless仕様に対応し、BluetoothでもCDクオリティの無損音質を実現。鮮明なディテールまで忠実に再現し、まるでその場にいるような臨場感を味わえます。
さらにFIIO BTR17は最新のBluetooth 5.4規格に準拠し、LDACやaptX Adaptive 96kHz/24bitなどの音声コーデックに対応。Snapdragon Sound技術と組み合わせることで、従来を超えるワイヤレスオーディオ体験を提供します。
特許取得の「デスクトップモード」、独立電源供給
FIIO BTR17には新たにデスクトップモード「D.Mode」スイッチと独立した電源供給用の専用インターフェースが搭載されました。デスクトップモードをオンにし、FIIO BTR17をスマホに接続してDACアンプとして使用する際、このインターフェースをアダプターに接続すれば、USB給電のみでバッテリーを駆動でき、過充電や過放電の防止が可能です。さらに、バランス出力では650mW+650mWという力強い出力を実現し、スマートホンのバッテリー消費を抑えます。
デュアルDAC構成、双方向4チャンネル、ESSのES9069Q搭載
FIIO BTR17はESS社のデュアルチャンネル対応フラッグシップDAC「ES9069Q」を2基採用し、第4世代32bit HyperStreamアーキテクチャを基に設計されています。これにより高性能化・省電力化が進化し、DAC内部のデジタルノイズも一層低減しています。豊かな音楽表現力と純度の高い音楽背景を提供します。
XMOS 16コアチップ XU316、優れた独自技術
FIIO BTR17にはXMOSのフラッグシップ「XU316」を採用。一般的なUSBチップと比較して低レイテンシー、高安定性、優れた互換性を備え、768kHz/32bit、DSD512、MQAフルデコードにも対応しています。オーディオグレードの水晶発振器と併せ、さまざまな音源とサンプリングレートに的確に適応します。
さらに、FIIO BTR17はXU316プラットフォームを基にFIIOが開発した10バンド高精度ロスレスPEQも搭載し、192kHzまでのハイレゾPEQに対応。アプリやウェブブラウザから、EQの周波数、ゲイン、帯域幅、Q値を細かく調整可能で、ヘッドフォンの周波数応答の修正や補正も行えます。さらにEQのインポート、エクスポート、共有、保存も可能で、音質調整の楽しさを多くのユーザーが堪能できます。
THX AAA 78+の4chフルバランスイヤホンアンプ、HiFi構造
FIIO BTR17は、プロ用プレイヤーに匹敵する多段階HiFiオーディオ構造を備えたTHX AAA 78+の4chフルバランスイヤホンアンプを搭載しています。
標準で8芯デコードケーブルや同色の専用ケースも付属しています。
FIIO BTR17 レビュー情報
FIIO BTR17は、Bluetoothデバイスの未来を切り拓く革新的な製品です。これまでのBTRシリーズの枠を超え、「ポータブル解像度」と「多機能性」を兼ね備えたデバイスとして、従来の有線と無線オーディオ製品の境界線を曖昧にしています。その中性的でニュートラルな音質設計により、幅広いリスニングスタイルやジャンルに対応可能です。さらに、飛傲の革新的な設計と高品質な音響性能は、ワイヤレスオーディオ機器の新たなスタンダードを提示しています。
革新的なデザインと操作性
FIIO BTR17の外観は、従来のFIIO製品とは一線を画したデザインす。前面の1.3インチIPSフルカラーディスプレイは高い視認性を誇り、電源、モード、音量、バッテリー状態などを直感的に確認可能です。また、側面には「ワンタッチホイール」が搭載され、音量調整やモード切替を滑らかに行える設計が操作性を大幅に向上させています。背面は皮仕上げが採用され、触感が心地よく、長時間の使用でも疲労感を軽減。付属のクリップ付きレザーケースは持ち運びや固定が容易で、さらにデバイスの利便性を高めています。
有線・無線の音質を追求
FIIO BTR17は、従来のBTRシリーズの「Bluetoothデバイス」としての役割にとどまらず、DACとポータブルアンプを融合した製品として設計されています。無線ではクアルコム製最新のQCC5181 Bluetoothチップを採用し、LDACやaptX Losslessを含むハイレゾコーデックをサポート。これにより、96kHz/24bitまでの高解像度音源のストリーミングを可能にし、ワイヤレスでありながら驚くべきディテール再現とダイナミックレンジを実現しました。
一方、有線接続ではデュアルES9069Q DACとTHX AAA 78+アンプの組み合わせにより、BTR17は一歩先を行く音質を提供します。特に有線接続での「D.MODE」を有効にすると、平衡出力で最大650mW(32Ω)のパワフルな出力を発揮。これにより、高インピーダンスのヘッドホンや高感度イヤホンでも本来の性能を引き出すことが可能です。
有線と無線のサウンドの違い
BT(Bluetooth)モードでは、FIIO BTR17は温かみのあるリッチな音色を持ち、特にポップスやロックなどの楽曲で生き生きとしたエネルギー感を提供します。低域は量感とキレのバランスがよく、全体の躍動感を支える役割を果たしています。一方、中域は滑らかで厚みがあり、ボーカルやアコースティック楽器のディテールを豊かに再現。高域は滑らかさを保ちながら、ディテールと分離感が際立っています。
FIIO BTR17の有線モードでは、全体の解像度と分離感がさらに一段階上がり、音の透明感が一層引き立ちます。低域の下潜深度が増し、中域は力強さとリアルさを兼ね備え、高域は明瞭で細やかなニュアンスが際立つ仕上がりとなっています。D.MODEの使用により、全帯域でのパフォーマンスが強化され、音場の広がりと迫力が際立ちます。
多用途の利便性
FIIO BTR17は3つのモードを搭載し、使用シーンに応じた最適な設定が可能です。BT(Bluetooth)モードでは、無線接続で手軽に高音質を楽しむことができます。PCモードではUSB-C接続によりパソコンのオーディオ性能を格段に向上させ、PHONEモードではスマートフォンと組み合わせてポータブルDACアンプとして機能します。
さらに、10バンドのPEQ(パラメトリックイコライザー)をサポートし、好みに合わせた詳細な音質調整が可能。公式アプリやPCソフトを使用してEQを作成・保存することで、自分だけのサウンドプロファイルを簡単にカスタマイズできます。
以上です。
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EARL(ライフスタイルDX)
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