FIIOからKA15が発売となりましたので製品情報およびレビュー情報を日本語でまとめていきます。日本では2024年11月1日から発売です。
FIIO KA15の販売情報等
発売日:2024年11月1日(中国9月19日) 価格:19,980円(699元)
販売情報:Amazon / eイヤホン / Aliexpress
FIIO KA15はIPSディスプレイ、新機能スリープモードを搭載し、さらにデスクトップモードやPEQも追加されながらも価格はKA5より100元も安くなりました。そのため日本の価格の2万円を切る可能性も期待できますが、日本代理店は同じライン機種を値下げすることを嫌う場合もあるので、KA5と同じ2.2万円も予想されます。
FIIO KA15のスペック
FIIO KA15とKA5との比較表を作成しました。
モデル | KA15 | KA5 |
発売 | 2024 | 2023 |
価格 | 699元 | 799元 |
サイズ | 縦52*横25*高11mm | 56.3*22*12mm |
重量 | 21g | 19g |
DAC | CS43198 ×2 | CS43198 ×2 |
アンプ | SGM8262 ×2 | SGM82615D ×2 |
ディスプレイ | IPSカラー | ドット |
操作ボタン | あり | あり |
出力端子 | 3.5/4.4 | 3.5/4.4 |
最大出力 | 560mW | 265mW |
最大サンプルレート | PCM768kHz/32bit DSD256 | PCM768kHz/32bit DSD256 |
デスクトップモード | あり | なし |
スリープモード | あり(FIIO初) | なし |
PEQ | あり | あり(旧来型EQ) |
KA1、KA2、KA3のスペック表やKA13は下記をご覧ください。
FIIO KA15の製品概要
楽しみ無限、自分だけのサウンドエンジニアになろう
FIIO KA15は、ハイエンドなDSPを内蔵しており、10バンドの高精度ロスレスPEQに対応しています。強力なアルゴリズムのサポートにより、PEQ計算が効率的かつスムーズに動作します。FIIOが独自に開発したアルゴリズムとアプリ、もしくはウェブ版インターフェースを使用して、ヘッドホンの周波数特性をシミュレーションまたは補正することが可能です。さらに、EQカーブのエクスポート、インポート、共有、保存ができ、公式のおすすめカーブや、多くのユーザーとのPEQの共有を楽しむこともできます。
知性と楽しさを兼ね備えた、スリープモードの搭載
FIIO KA15は、高性能で低消費電力のプロセッサを搭載し、計測機器レベルの高精度チップを採用しています。革新的なリアルタイム電圧・電流モニタリング機能を備え、さらに「自動オン・オフ」するスリープ機能を搭載することで、動的な消費電力調整を実現。再生状態を検出してデバイス全体の電力消費をスマートに調整します。特に、夜間にタイマー再生を設定している場合、再生が停止した後はKA15がスリープに入り、超低消費電力モードで動作するため、翌朝にスマートフォンのバッテリーが不足している心配はありません。
LCDディスプレイで快適な視覚体験
FIIO KA15は、ドングル型DACとして初めて0.96インチのIPSカラーディスプレイを採用し、中英語の表示に対応しています。直感的で使いやすいインターフェースを提供するだけでなく、レトロなUIデザインも搭載しており、テクノロジーの革新によってクラシックな要素が蘇ります。カセットテープを彷彿とさせるデザインで、KA15の魅力をさらに引き立てています。、今こそ手にする喜びを体験してください。
デスクトップモードで、圧倒的なパワーを解放
FIIO KA15はデスクトップモードを搭載し、有効にすることで駆動力を最大限に引き出し、各チャンネルの出力パワーを560mW+560mWまで引き上げます。KA5と比較して207%も強化されており、インピーダンスの高いヘッドホンをも余裕でドライブ可能です。
ハイエンドDACにも負けない卓越したチューニング
FIIO KA15には高性能USBブリッジと、デュアルフラッグシップDAC CS43198が搭載され、さらにデュアル高性能オペアンプSGM8262が使用されています。この絶妙な組み合わせにより、コンパクトなボディに凝縮された高精度のオーディオ性能を実現。KA15は、これまでの小型オーディオ機器とは一線を画すサウンド体験を提供します。
その他特徴:ゲーム機、マイク入力にも対応
768kHz/32bitおよびDSD256をサポート。FIIOアプリとの連携機能、音量調整は60段階の高速調整と120段階の精密調整が選択可能。マイク入力対応、3.5mmジャックはCTIA規格リモコン対応イヤホンをサポート。UAC1.0モードにより、SwitchやPS5などのデバイスにも接続可能です。
FIIO KA15 レビュー情報
FIIO KA15は、ユニークなデザイン、柔軟な操作性、優れた音質をバランス良く兼ね備えた製品で、初心者から上級者まで幅広いユーザーに適しています。特に、音質だけでなく「使う楽しさ」を提供するアプローチは、同価格帯の製品の中でも突出しており、日常使いに最適なドングル型DACです。レトロなデザインや高度なカスタマイズ性を求める方にとって、KA15は満足感を与える一台です。
レトロなデザインとユニークなインターフェイス
FIIO KA15Kの魅力は、その洗練されたデザインとユーザーインターフェイスです。カセットテープをモチーフにした見た目は、懐かしさを感じさせながらも現代的な美しさを備えています。特にブルーバージョンは、ソニーの初代ウォークマンTPS-L2を思わせるカラーリングとデザインで、クラシックな魅力を演出。さらに、再生中にカセットテープが回転するUIは、視覚的な楽しさを提供しています。
ディスプレイは0.96インチのLCDで、再生状態や電圧・電流などの情報を表示するだけでなく、テーマカラーを切り替えられるカスタマイズ性も備えています。小型ながら本体サイズは52×25×11mmと非常にポータビリティが高く、付属の高品質な皮製ケースとストラップホールのデザインにより、日常の持ち運びにも便利です。この設計は、カセットプレーヤーのCP13などともFIIOのレトロなデザインの中で一貫性を保っています。
柔軟な設定と直感的な操作性
FIIO KA15は、音楽再生に関わる幅広い設定を提供しつつ、ユーザーが直感的に操作できるデザインを採用しています。本体には音量調整ボタンやフィルターモードの切り替えボタン、デスクトップモード用のスイッチを備え、ユーザーが物理的な操作だけで主要な機能を利用できる設計です。
さらに、FIIOの専用アプリ「FIIO Control」を活用することで、10段階のPEQ(パラメトリックイコライザー)設定が可能となり、音質をより細かくカスタマイズできます。アプリ内には公式が調整したFIIO製イヤホン向けのプリセットもあり、初心者でも簡単に音質の調整を楽しめます。また、OTAアップデートに対応しており、今後新しい機能やUIが追加される可能性があるのも魅力的です。KA15はさらに、リアルタイムで電圧・電流をモニタリングできる機能を搭載。これにより、デバイスの消費電力が視覚的に確認でき、スマートフォンと接続する際に電池の減りを最小限に抑える工夫が施されています。
高性能DACと優れたサウンド
FIIO KA15はDACチップとしてCirrus LogicのCS43198を2基搭載し、アンプにはSGM8262を採用。32Ω負荷時にはシングルエンドで最大180mW、バランス接続では560mWの出力を実現しています。この仕様は、同クラスの製品と比較しても高いドライブ力を持ち、特にデスクトップモードをオンにすることで低音域の厚みや音場の広がりが強化され、より立体的な音響空間を楽しむことができます。
サウンドの特徴として、FIIO KA15は全体的にニュートラルですが、わずかにウォームな傾向を持っています。低域は適度にタイトで、深さと弾力性がある一方、残響の過剰な広がりを抑え、明瞭さを保っています。中域ではボーカルが適度に近い距離感で定位し、細かいニュアンスやディテールがしっかりと再現されます。高域は透明感があり、特に弦楽器や金管楽器の響きが自然で耳に優しいバランスです。またデスクトップモードをオンにすると高音域の伸びや音場の深さがさらに強化され、より豊かなサウンドを提供します。
KA17・KA13との比較
FIIO KA15はKA5の後継モデルであり、KA17(フラッグシップモデル)と比較すると、音の力強さや解像度は控えめですが、ポータビリティにおいて圧倒的な優位性を持っています。KA17がドライブ力とパワーを誇る一方、KA15は「手軽さ」と「楽しさ」を重視した設計で、音質も万人受けしやすい中性的で聞き疲れしないチューニングがされています。
下位モデルのKA13(エントリーモデル)と比べると、中域のディテールや全体的な情報量が向上しており、音場の表現力も高いです。KA15は特に流行曲やボーカルを中心に聴くリスナーに適しており、クラシックやジャズなど広い音場を求めるジャンルにも一定の対応力を持っています。
「遊び心」と実用性の融合
FIIO KA15は、「音が良い」だけでなく、音楽を楽しむ「遊び心」を持った製品として仕上がっています。特に、再生中に画面上でカセットテープが回転するUIやコンパクトで持ち運びしやすいデザインは、単なるオーディオ製品以上の魅力を提供します。また、3.5mmシングルエンドと4.4mmバランス出力、USB接続時のデスクトップモード、そしてPEQによる自由度の高い音質カスタマイズは、日常的な使用から本格的なリスニングまで幅広いシチュエーションに対応。さらに、付属の皮製ケースやストラップの使い勝手の良さも含め、細部に至るまで実用性も両立した製品です。
以上です。
EARL(ライフスタイルDX)
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