目次
レビュー総括(Summary)
Kiwi ears Fortezaのデザインは2色のラメが入ったフェイスプレートが特徴的です。今回レビューしたカラーはブルーのモデルで、青と緑のラメが入っています。派手目なデザインです。Melodyと比較するとこだわりのあるデザインですが、やはり価格なりの安っぽさがあります。またシェルの形状はCIEM型で耳にしっかりとフィットします。遮音性も高い部類です。やや外耳道の奥までノズルが入るので、苦手な人もいるかもしれません。その際は傘の高さの低いのイヤピースを選ばれると良いです。私も今回はデフォルトでは奥に入りすぎて痛くなったので、TWS用のイヤピースを使用しました。
Kiwi ears FortezaはMelody同様、程よい低音の主張があり、それが中音〜高音を食うことなく存在しています。若干Melodyのサウンドキャラクターと重複感があります。サウンドバランスはよりはっきりとしたV字型で、高音は明るく派手に感じます。Fortezaを聴いてからMelodyを聴くと、Melodyが上品に聴こえるほどです。Fortezaも全体の輪郭がはっきりしていて、サブベースまでしっかり捉えられる低音もありつつ、ボーカルやエレキギターなどの中音や高音をマスクすることありません。このバランスがMelodyと結構似ていて、異なるポイントは滑らかさ、味付けの濃さです。まず、Melodyの方が音のつながりがスムーズで滑らかです。次にMelodyはV字型のバランスでありつつも過度な派手さはありません。Frotezaは時に味が濃くて、やや派手に感じて少し自然さに欠けています。そのためFortezaはバラード曲などとはあまり相性は良くなく、ROCKやテクノ、ダンスミュージックなどのジャンルでさらにアップテンポな曲が似合います。それでもこの二つには30ドルの価格差があり、さらに言えばMelodyはシェルや付属品も最低限だったことから、価格差以上のコストの掛け方に違いがあると見られ、MelodyとFortezaはその価格差なりの音質差といった印象です。Fortezaをあえて選ぶ理由としては価格とデザイン、アップテンポな曲との相性の良さをどう感じるかになります。これはFortezaが劣後しているというよりも、この短期間でサウンドキャラクターが重複した安価なモデル、それも価格差は数千円というポジショニングが悪かったという印象です。MelodyとFortezaも価格比の音質は優れています。
Pros
- デザインが綺麗
- 付属品も充実
- レスポンスの高い低音
- サブベースまで捉える
- アップテンポの曲との相性は抜群
Cons
- チープな印象
- やや派手な高音
- やや自然さに欠けるサウンド
Kiwi ears Forteza販売情報
Amazon、LinsoulのECサイトで入手可能です。価格は59ドルで約9,000千円前後です。Amazonの価格は記事作成時点で9,380円でした。2023年12月時点では日本未発売です。
Kiwi ears Fortezaスペックなど
ブランド | Kiwi ears |
モデル | Forteza |
構成 | 2DD+1BA |
シェル素材 | 樹脂 |
周波数応答 | 20Hz-20Khz |
音圧感度 | 103dB |
インピーダンス | 32Ω |
ケーブルプラグ | 3.5mm |
ケーブル長 | 1.2m |
ケーブルコネクタ | 0.78/2Pin(平型) |
Kiwi ears Forteza特徴など
Kiwi ears Fortezaは、1つのHigh-midバランスアーマチュア(BA)+ 6mm Midダイナミックドライバー(DD)+ 10mm Bassダイナミックドライバーを利用したハイブリッド構成です。BAドライバーと組み合わせた2つの異なるダイナミックドライバーの搭載により、サウンドテクスチャーと音色を大幅に強化します。
Kiwi ears Fortezaは3ウェイ・パッシブ・クロスオーバー・システムを搭載し、豊かで艶やかなサウンドを実現するようにチューニングされています。ベースのレスポンスは太く、パンチがあります。減衰を遅くすることで、低音はより質感のある音になり、ベースラインを輝かせます。中音域もより色彩的で温かみのあるサウンドにチューニングされており、ボーカルや楽器に厚みのあるボディを提供します。これらの特性により、Fortezaはフラットでニュートラルなサウンドではなく、より充実したサウンドを楽しみたい人に最適です。高音域のレスポンスは、低音域や中音域とマッチするように慎重にペアリングされており、鈍く暗いサウンド・シグネチャーにならないようになっています。高音域のレスポンスは、ターゲットとする嗜好の湾曲に密接にマッチし、鮮明なアーティキュレーションと完全な微細ディテールの再現を実現します。
Kiwi ears Fortezaは、高品質なサウンドを実現するため、定評ある自社製ドライバーを搭載しています。これまでのモデルで成功したドライバーを使用し、これらのドライバーの組み合わせにより、効率とクオリティの両方で最大限の効果を発揮します。例えば、当社の10mmダイナミックドライバーユニットは、ドライバーのサイズだけでなく、その複雑なダイアフラム構成によって優れた低音レスポンスを提供します。さらに6mmのDDを重ねることで、低域は優れたイメージング能力を備えた質感のあるものとなっています。さらに、自社製のシングルBAドライバーは、周波数帯域全体にわたってSPL/THD比に優れ、優れた音色特性を持つことがテストされています。自社製ドライバーを使用することで、最適な技術的・音色的パフォーマンスを確保することができます。
Kiwi ears Forteza周波数特性(F特性)
Melodyとの比較です。赤線がForteza、青線がMelodyです。
同梱物
同梱物は次のとおりです。安価なモデルの中では充実しています。
- イヤホン本体
- ケーブル
- イヤピース3種類/3サイズ
- イヤホンケース
- ワランティカード
外観、装着感レビュー
外観レビュー
Kiwi ears Fortezaのフェイスプレートのデザインはとても綺麗です。ブルーモデルでは、青と緑のラメが入っています。キラキラと派手なデザインで、サウンドの派手さともマッチしています。シェルは樹脂製ですが、ややチープな印象がありました。それはドライバーが透けて見えるのですが、樹脂は充填されてなく、透け方が少しやすっぽく見えてしまいました。好みもあると思いますので、個人的には黒の方が良かったかなと思いました。もしくはいっそさらに鮮やかなパープルが良さそうです。
装着感レビュー
Kiwi ears Fortezaのシェルの形状はCIME型で耳にピッタリとフィットします。そのため遮音性も高いです。一方で、ノズルが外耳道の深くまで入ってくるので、それが苦手な方はイヤピースで調整する必要があります。私は苦手なので、イヤピースをTWS用の傘の高さが低いものに変更しました。すると装着に問題なく聴くことができました。ただベントの気圧調整が弱いのか、長時間は少し難しいかなという印象です。
サウンドレビュー
*J-POPを中心に/Q15、K9PRO/イヤピースはfinal Type E for TWS
V字型の濃厚サウンド
Kiwi ears FortezaのサウンドバランスはV字型です。直近のMelodyもV字型でしたが、それよりも味付けが濃く、派手目なサウンドとなっています。極端に言えば、Fortezaを聴いた後で、Melodyを聴くと上品に聴こえるほどです。低音もサブベースまで捉えることができるしっかりしたものですが、それが中音、高音をマスクすることのないバランスです。特に中音が濃厚なサウンドで、サウンドバランスはMelodyと似ていますが、この点が大きく異なる点です。
アップテンポの曲との相性が抜群
Kiwi ears Forteza低音がしっかりとしていながらも、鈍重になってなくレスポンスが高いです。そして派手目なサウンドと相まって、アップテンポの曲との相性が非常に良いです。一方で、バラード曲などでは派手目のサウンドのため、落ち着いた雰囲気になりにくく、相性はあまり良くありません。ROCKやEDM、ダンスミュージックなどのアップテンポの曲であれば、元気をくれるイヤホンです。
Melodyとの比較で少しポジショニングが難しい
Melodyが89ドル、Fortezaが59ドルで、価格差は30ドルです。価格以外の面でも、Melodyはシェルのデザインや付属品は最小限で、価格差以上にコストの掛け方が異なります。そのため単純な比較は難しいものの、Fortezaが1万円に近いという価格なので、それであればもう30ドル多く払って、Melodyを個人的にはおすすめしたいです。これはFortezaも価格比で優れた音質と個性を持っているものの、Melodyの発売から時期が近すぎる上に、サウンドキャラクターもやや重複感のがあるからです。ただ前述の通り、濃厚なサウンドが好みの方や、アップテンポの曲で元気をもらいたい方などにはFortezaをおすすめしたいです。Melodyの方がFortezaとの比較では万能型に近く、また派手な味付けはなく、より自然で滑らかなサウンドとなっています。
以上、Kiwi ears Fortezaのレビューでした。
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EARL(ライフスタイルDX)
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