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SONY NW-A300シリーズ NW-A306 発売日レビュー

Sonya300アイキャッチ

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ソフトウェア面に非常に問題がある機種のため、購入はおすすめできません。

SONY NW-A306 販売ページ:Amazon

外箱

それでは本題のNW-A300シリーズ NW-A306のレビューです。なお、初めてのウォークマンでその点はご留意ください。まず結論です。A100シリーズからすると価格は上がっていますが、NW-A300シリーズの比較すべきはSHANLING M3X(42,900円)、iBasso dx170(59,620円)、HiBy R5 Gen2(66,000円)のエントリーからミドルクラスの手前までのDAPです。音質面でややR5 Gen2のA級アンプ搭載のミドルクラスに近づくと劣勢ではありますが、M3Xやdx170クラスとの比較ではかなり有力な選択肢になると思います。その主な理由はコンパクトさ、動作の軽さ、クセのないサウンドです。特にコンパクトなサイズは他社に比べてとても魅力的だと思います。ただし、1年以上使用した結果、BT接続の弱さやW.Musicの音源読み込み失敗など、エントリー機種でも珍しい初歩的な不具合が多く、サポート対応も全く行われないため、サウンド面やコンパクトさがあってもおすすめができません。

Pros
・軽量、コンパクト
・アルミ削り出し、マットな色合いが上品
・クセのない滑らかなサウンド
・特徴的なベース/ミッドの適度な濃度

Cons
・解像度は低め
・BT接続で相性の悪い機種がある
・W.Musicで音源読み込みが頻繁に失敗する

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SONY NW-A300シリーズの概要

ご存知の方も多いかもしれませんが、簡単に概要からまとめていきます。この記事では長々と製品概要は記載しませんので、詳細な製品のスペックが気になる方は下記のリンクからご覧ください。

SONY NW-A300シリーズの商品概要ページ

SONYから新たに発売されたA300シリーズはA100シリーズの次世代機種となります。SONYのウォークマンのなかではエントリークラスに位置し、上位機種ZX700シリーズ(104,500円〜)やNW-WM1AM2(176,000円)、NW-WM1ZM2(418,000円)と比較すれば、46,200円〜とかなり手頃な価格となっています。上位機種と比べれば手頃な価格といっても、音楽再生に特化した製品でスマートホンを買うことのできる価格ですから、決して安くはありません。しかしこの音楽再生に特化したという点に魅力がたくさん詰まっており、さらにはエントリークラスであっても最新機種なので、これまでSONYがNW-WM1AM2やNW-WM1ZM2のために開発した技術が反映されています。

SONY NW-A300シリーズの特徴は上位機種と同様のSONY独自のフルデジタルアンプ「S-Master HX」が搭載され、ストリーミング音源のアップスケーリングが可能な「DSEE Ultimate」の機能を持ち、オーディオに特化した基板設計とその基板には金を添付した「高音質はんだ」が使われていることです。スマートホンには音楽を再生するためのアンプや機能、基板設計がなされておらず、最近の機種ではヘッドホンジャックさえも搭載されていません。そのため音楽を高音質で聴くためにはこのSONY NW-A300シリーズのようなDAP(デジタルオーディオプレイヤー)というものが必要となります。端的にいえば音楽の再生に特化したスマートホンといった方がわかりやすいかもしれません。ここで有線イヤホンを使わない、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、音楽再生に特化したDAPはBluetooth接続(ワイヤレスイヤホンやヘッドホン使用時)での音楽再生においてもスマートホンの音質とは一線を画します。そのため繰り返しになりますが、音楽を良い音で聴きたいと思ったときはSONY NW-A300シリーズのようなDAPを買うことが一番の近道になります。そしてこのDAPの価格は内部の設計やパーツのグレードにより価格が上昇していき、価格と音質が比例します。一方で価格レンジ、例えばNW-A306/A307でいえば4〜6万円という価格レンジ内の比較であれば何を重視するか、また音の好みによってDAPを選択していくことになります。この後のレビューでその検討の参考になるような情報をしっかり記載していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

SONY NW-A306 デザインなど外観レビュー

最初にも書いた通り、A100シリーズから音質面がしっかり向上していることにより、比較対象となるのはエントリーからミドルクラス手前までの機種となります。それらの機種と比較するとSONY NW-A306は非常にコンパクトなサイズが魅力です。下の画像はXperia ACE Ⅲとゲーミングマウスと比較したものです。

サイズ比較
サイズ比較(真ん中がA306)

SONY NW-A306は純正のソフトケースに入れた状態でもスリムタイプのゲーミングマウスよりも小さく、比較的スマートホンのなかではコンパクトなXperia ACE Ⅲに対しても2/3より小さいサイズです。ケースに入れなければさらにひと回り小さくなります(ケースに入れない人はいないと思うので入れたまま比較)。次にAndorid非搭載で一般的なストリーミングが使えない小型DAPであるHiBy R3Proと比較です。このクラスになってはじめてNW-A306の方が少し大きくなります。それでもA306はAndroid搭載で多くのアプリをインストールすることが可能ですので、Android非搭載の小型DAPと同じくらいコンパクトなサイズで音質とストリーミングを両立していることは大きなメリットです。

大きさ比較2
HiBy R3Proとの比較

実際の本体サイズの比較表はこちらです。サイズを数値で見ても、NW-A300シリーズは他のエントリー/ミドル手前のクラスのDAPと比較してひとまわり小さくなります。このひとまわり小さいことが非常に重要で胸ポケットやタイトなズボンのポケット、バッグの小さなポケットに入れても窮屈にならず、取り出しが容易になります。私自身はそういう理由でR3Proを愛用しています。

メーカーSonySonyHiByR3 ProiBassoHiBy
機種名NW-A306 Xperia ACE ⅢR3Pro  M3X  dx170  R5Gen 2 
縦(mm)9814082109125123
横(mm)576961727071
厚み(mm)12913161516
重さ(g)11316295168165220
サイズ表(大きさの単位はミリメートル)

次にデザイン面です。エントリークラスのDAPの外観の質感は正直にいえばあまりこだわられておらず、テカテカとした金属製の質感が一般的です。対してSONY NW-A300シリーズ NW-A306ではマットな加工がされていて、ケースがなくてもかっこいいと素直に思いました。下の写真は家電量販店のサンプルを撮影したものです。このサンプルを見てブルーを選びました。実際に手に取っても深めの青で上品な色味になっていて、ブルーがおすすめです。

カラーバリエーション
カラーバリエーション

もちろん先に挙げたエントリークラスのDAPでもレザーケースが別売りされており、そのレザーケースは高級感があります。そのため必ずしもSONY NW-A300シリーズ NW-A306が優れているというわけではありませんが、デザイン面においてもその価格帯、クラスの製品と対等であると言えます。

サムネイル2
サムネイル1

最後にケースについてです。まず画像の比較です。左がシリコンケース、右がソフトケースです。

ケース2
ケース正面 左:シリコン 右:ソフト
ケース1
ケース裏面 左:シリコン 右:ソフト

SONY NW-A300シリーズ NW-A306の別売りで純正の専用ケースにはソフトケースとシリコンケースの2種類があります。ソフトケースはスエードのような質感で上品な印象になります。対してシリコンケースは本体の背面と同じようなデコボコ加工がされており、滑りにくい素材と併せてグリップしやすいケースです。ソフトケースは本体の正面にもカバーがつきますのでシリコンケースよりも安心感があります。ただ本体正面のカバーはせっかくコンパクトなサイズなのに都度カバーを開いて操作するというデメリットがあります。またソフトケースでは装着、脱着時に本体を傷つけてしまいかねないほど固定する部分が固く、特に脱着時はいきなり傷ができないか心配になりました。一度付けたケースを頻繁に取り外す方はいないと思いますが、注意が必要です。個人的にはこれらの理由からシリコンケースをおすすめします。ウォークマンといえばソフトケースなので買ってしまったのですが・・・

ケース3
ソフトケース 本体装着部
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SONY NW-A306 使用感レビュー

続いて使用感です。事前の情報ではSONY NW-A306/A307のSoCはQCS2290で、これはSnapdragon430前後と同等と言われています。私が使ったことあるDAPではiBasso dx170がRK3566というSoCでこれもSnapdragon430前後と同等と言われていました。そのため動作感覚もかなり近いです。若干、サクサク動かそうとするとカクツク場面があるものの、概ね不満が出るレベルではないと思います。もちろんスマートホン、特にiPhoneのような操作感と比較してはいけません。ちなみSHANLING M3XがSnapdragon430を搭載しているので、SONY NW-A306/A307とSHANLING M3X、iBasso dx170の3機種が事実上、真っ向勝負で比較されることになると思います。先に述べた通り、iBasso dx170を持っていたことのある私の感想として操作感の大きな差はないです。ストリーミングになるともしたらそれぞれの機種で相性はあるかもしれませんが、AndroidバージョンはSONY NW-A306/A307が最も新しいので優位になる場面も今後出てくるかもしれません。SONY NW-A306の起動時間については動画を撮影しましたので下の動画をご覧ください。だいたい30~35秒程度です。ちなみに不要なアプリはアンインストール(無効化)した状態です。これらの操作感の一方で、1年以上使用した結果、BT接続の不安定さやファイル読み込みの失敗など、エントリーモデルでも珍しい初歩的な不具合があり、サポートの対応も定型分の回答しかなく全く良くありません。そのためサウンド以前におすすめできる機種ではありませんでした。

SONY NW-A300シリーズ A306 起動時間

使用感の最後のトピックとしてSONY NW-A306のバッテリー持ちについてです。ローカル音源での試聴のみになりますので、ストリーミングやワイヤレス再生時はもう少しバッテリー持ちが悪くなる前提でお読みください。30分ほど試聴しても1%ほどしかバッテリーは減りませんでした。SONY公表では最大36時間としていますので、ローカルファイル上の音源再生ではそれぐらい可能そうなバッテリー持ちです。計算上は100%を36時間で割ると1時間あたり2.8%バッテリーが減る計算になりますので、上記使用時の30分で1%減少は概ね一致しています。今後もう少し使用してみてバッテリー持ちについては更新していきたいと思います。またバッテリー容量のひとつの指標として、私は普段HiBy R3Proにドングル型DACを接続して使用しています。このR3Proのバッテリー容量は1600mAhで、ドングルDACを接続すると6時間ほど再生可能です。対してNW-A306とドングル型DACを接続して使用したところ、30分で10%ほどバッテリーが減りました。ここから計算すると約5時間程度再生可能であり、概ねHiBy R3Proなみのバッテリー容量を持っていると推察されます。そのうえで、SONY独自の省電力化技術により、バッテリーライフが伸びているものと見られます。また充電速度についても急速充電に対応していて、かつ容量が限定的であることからとても早いです。いたわり充電をONにした設定で、30%切った状態から85%ほどまでだいたい45分程度でした。そのため持ち出せるレベルまでは1時間超の充電でいけそうです。

SONY NW-A306 サウンドレビュー

使用イヤホンはFiiO FH15、G4 ARAYA +DNA1を使用。試聴時間は5−6時間程度。

最後に本題のサウンド面です。SONY NW-A300シリーズ A306 サウンドで最も特徴的なのは、「クセのない滑らかなサウンド」です。よくDACチップでいえばESSは高域が刺さりやすいといった特徴があり、エントリークラスの機種では特にそのクセがサウンド面に出やすい傾向があります。一方で、このSONY NW-A300シリーズ NW-A306ではそういった不自然さをほとんど感じませんでした。非常に滑らかで数時間ぶっ続けで聴いていても、ここが気になるといった部分がありません。ただし、滑らかであるがために解像度はあまり高くなく音の立体感が不足しています。エントリークラスのDAPではどうしても万能とまではいきませんので、何を重視するかが検討のポイントになります。そういう意味では高い解像度や立体感のあるサウンドを求める人にとっては少し物足りないと感じると思います。しかし不自然さのない滑らかなサウンドは多くの人に受け入れられやすい印象です。自然さという点では、iBasso dx170がシーラスロジック社(CS社)のDACチップが使われており、雑味の少ないナチュラルなサウンドが特徴です。そのためNW-A300シリーズとdx170の自然さ、ナチュラルさの違いを比較するとベースからミッド(ボーカル)の濃度になると思います。dx170は全体的にスッキリとしていることで、どちらかといえばミッドからハイによったサウンドに聴こえる傾向があります。一方で、NW-A306/A307はべースからミッド(ボーカル)に適度な濃度があり、聞き応えがあります。このあたりはSONYらしいサウンドであると言えるかもしれません。といってもエントリークラスにありがちなボワついてる、低音が支配している、音の見通しが悪くなるということはありません。そのためSHANLINGやiBasso、FiiOといった中国系メーカーのエントリー機種が軒並みESS社やCS社のDACチップを搭載し、似通ったサウンドになっている現在においては、違った音の傾向を持ったDAPとして魅力的な選択肢になると思います。これはDAPだけに留まらず、昨今流行しているドングル型DACやワイヤレスレシーバー型DACに対してもです。繰り返しになりますが、これはNW-A306/A307がドングル型やレシーバ型と比較できるコンパクトなサイズ感で、これまで比較したDAPに対抗できる音質を持っているからこそです。それでいてストリーミングも可能ですので、スマートホンとドングル、スマートホンとレシーバーというように組み合わせる必要がなく、NW-A306/A307で完結し、かつコンパクトなサイズ感で高音質はこのSONY NW-A300シリーズのユニークネスです。

SONY NW-A300シリーズ A306 4極GND分離について

このSONY NW-A300シリーズの特徴としては3.5mm 4極のグランド分離(GND分離)に対応していることです。このGND分離とはなんぞやとなりますが、端的にいえば、左右の音の分離をより高める仕組みです。通常一般的な3.5mmのステレオミニジャックは3極(L+、R+、GND)となっており、このGNDはLとRが共有をしています。このGNDを共有していることで左右の音が混ざりやすくなってしまうというデメリットが存在しているため、SONYではGND分離という独自の規格を持っています。3.5mm 4極のGND分離ではL+、R+、R-GND、L-GNDという形で、LとRがGNDを共有せず、それぞれにGNDが割り当てられています。これによりいわゆるバランス接続のような効果を得られるというものです。厳密にはバランス接続ができる機種は音を処理する段階からLとRを分離して処理していて、簡単に言えば2倍のパーツを搭載していることから全く別物になります。今後はこの3.5mm 4極のグランド分離(GND分離)も試していきたいと思います。「今後は」というのもこの3.5mm 4極のグランド分離(GND分離)に対応したプラグは、一般的な3.5mmの3極のステレオミニジャックと互換性がありません。そのためSONYのDAP以外では使用できないため、新たに入手する必要があるためです。

(追記)今回、4極GND分離を全く同条件のケーブルで比較するのが難しいため、ヘッドホン用のケーブルを自作しました。同じプラグ、同じ線材・長さ、同じハンダを使用し、編み込みによる影響も可能な限り減らしています。その上での4極GND分離と3極を比較しました。これもブラインドでどちらが4極GND分離ケーブルかと問われたときに当てられる自信は正直ありません。しかしながら、4極GND分離の方が若干ながらクロストークが減ったからか、分離感やクリアさを3極よりも感じました。特に低域での変化が大きいように思います。また複雑な曲を聴くとより4極GND分離の効果を実感する印象がありました。劇的な変化でないものの、興味のある方は試してみる価値のリケーブルだと思います。

4極GND分離ケーブル

SONY NW-A300シリーズ A306とA307の違いについて

SONY NW-A300シリーズでNW-A306とA307のどちらにするか悩んでいる方が多いと思います。なぜ内部ストレージが異なる2機種が発売されているのか、こちらについてTwitter上で内部ストレージの方が音質的に有利という考え方をSONYが持っていることが背景にあると教えてもらいました。そのため実際に外部ストレージ(Micro SDカード)の音源と内部ストレージの音源を聴いて比較してみました。しかしながら私にはこの音質差については全くわかりませんでした。高感度のイヤホンや分解能の高いヘッドホン、DSD音源など、より追求した音質が求められる場面では違いが出るかもしれませんが、通常の使用範囲では内部ストレージと外部ストレージの音質差について感じる場面はなさそうです。そのためもしSONY NW-A300シリーズで、A306とA307で悩んでいる方は、音質について相当の追求をしたい方でない限り、NW-A306でいいと思います。

以上、SONY NW-A300シリーズ A306発売日レビューでした。

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EARLFIIOファン

FIIO製品を中心としたオーディオ情報を発信しています。FIIO製品は専門的に最新情報を最速でお届けすることを目指しています。当ブログではFIIOのイヤホンの全ておよび2022年以降の新製品の多くを購入し、レビューを行なっております。

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